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第2章 王立フェブリア学院 ~ 1年生編 ~
第33話 入学試験前の準備
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あれから1年の月日が経ち、季節は秋へと移り変わる。こちらの世界にも四季はありケビンは時期を知るのに苦労しなかった。
違うことと言えば1ヶ月が均等に30日で12ヶ月あり、1年は360日だということだ。あちらの世界と違ってわかりやすくて良い。
ボチボチ学校の時期が近づいてくる。ありがたいことに義務教育制度はないらしい。貧困層は子供を学校に行かせる金がないとかで。
さらに、入学試験を受けるのにはある程度の教養が必要とされる。貧困層はある程度の教養すら得られる機会が少ないので、基本的に一般家庭以上の層しか入学の最低基準は満たせそうにない。
そのような中で俺はある程度の教養があるらしく最低基準は満たせそうだ。しかし、この世界の歴史なんぞに興味がないからその分野では全くの無知とも言えるだろう。
入学試験は筆記と実技で構成されており、その合計点で合格者を決めるみたいだ。筆記はとりあえず捨てるしかないと思う。歴史を知らない時点で合格点には程遠いだろう。
そうなると実技にかけるしかないのだが、あまり目立っても面倒くさそうなので程々にやるしかない。その上で入学できなかったらそれはそれでいいと思う。
あの時からは学校に行くか行かないかで迷っていたが、一日中考えるということは俺には無理なので、基本的に訓練ばかりしていた。たまに母さんにおねだりして相手をしてもらったこともある。
ベッドでゴロゴロとしながらそのようなことを考えていたら、母さんからお呼びがかかったのでリビングへと向かった。
「母さん、どうしたの?」
「そろそろ学校に行くかどうかの返事を聞こうと思ってね、入学試験の申し込みとかがあるから」
「試験はとりあえず受けることにするよ。何事も経験だと思うし」
「そう? 偉いわね。じゃあ、試験の申し込みは済ませておくわね」
「うん。ありがとう」
母さんはテーブルの上のベルを鳴らすと、使用人を呼びつけた。
「カレンはいるかしら?」
「はい、ここに」
相変わらずどこからともなく現れるメイド長。足音すらしなかったのにいったいいつ来たんだろうか?
「ケビンの入学試験の手続きを済ませておいて」
「かしこまりました」
そう言って退室するメイド長。出る時はわかるのに来る時はなぜわからないのだろう? 不思議なこともあるもんだ……
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
数週間後、入学試験があるとやらで俺は再び王都の別宅へとやって来た。明日は朝から試験に行かなきゃいけない。若干、憂鬱である。
俺が通うかもしれない学校は王立フェブリア学院と言うらしく、初等部、中等部、高等部、学院部と構成されて、初等部は4年間、中等部・高等部は3年間ずつ、学院部は4年間のエスカレーター式となっている。
感覚的には学校にまた通うのかと思うと、試験勉強なんてしなくてもいいやという気持ちにもなる。よって前日にも関わらずいつも通りゴロゴロしていた。
『なぁ、サナ。学校に行く必要ってあると思うか?』
『どうでしょうねぇ、この世界の一般知識を手に入れるという目的であれば、この上ない環境ではあると思います』
『やっぱりそうなるか。将来ダラダラする計画の為にも今を頑張るしかないな』
『そうですね。何事も諦めが肝心ですよ』
『ステータスは初等部用に偽装しといた方がいいよな? 訓練とかしていたし、そこそこやりますよ的な数値ぐらいで』
『前衛タイプと後衛タイプのどちらにするんですか? いっそのことオールラウンダーでいきますか?』
『そうだなぁ……後々変更するのが面倒くさいからオールラウンダーにするか。それなら前衛も後衛も出来るしな。『ステータス』』
ケビン・カロトバウン
男性 6歳 種族:人間
職業:入学試験前の子供
状態:憂鬱
Lv.1
HP:183
MP:220
筋力:98
耐久:85
魔力:120
精神:100
敏捷:170
スキル
【言語理解】【創造】【センス】
【隠蔽】【偽装】【千里眼】
【完全鑑定】【剣術適性】【魔法適性】
【体力増大】【魔力増大】【無限収納】
【無詠唱】【剣術 Lv.4】
【身体強化 Lv.4】【属性強化 Lv.6】
【完全探知 Lv.5】【生命隠蔽 Lv.4】
【状態異常耐性 Lv.EX】【魔力操作 Lv.EX】
魔法系統
【火魔法 Lv.3】【水魔法 Lv.4】
【雷魔法 Lv.4】【土魔法 Lv.4】
【風魔法 Lv.5】
加護
女神の寵愛
原初神の加護
称号
アキバの魔法使い
女神の伴侶
ゴロゴロの同志
『なぁ、いつも思うんだが筋力の数値って目に見える筋肉のことじゃないよな?』
『そうですよ。そんなことになったらサラ様なんかムキムキのお母さんになっちゃいますよ』
『ぶふっ! ちょっと想像しちまったじゃねぇか。確かにそう言われると納得だな。それよりもやっぱり魔法系にステが偏るな』
『それはゴロゴロして魔法の練習ばかりしてるからですよ』
『それと予想通り【状態異常耐性】がEXになってるんだが』
『そうなんですか? 最終進化させますか?』
『頼む。このまま放っておいてもいいけど、進化先があるならしといた方がいいしな』
『では【状態異常耐性 Lv.EX】を進化させます。……成功。【状態異常耐性】は【状態異常無効】へと進化しました。これによりレベルによる上昇は無くなりました』
『どういうことだ?』
『【耐性】から【無効】になったのでレベルがつかないんですよ。【耐性】はレベルが上がると耐える力が強くなりますけど、【無効】は最初から無効しているのでレベルの概念が必要ないのです。Lv.1だろうがLv.EXだろうが効果は一緒って事ですね』
『なるほど、わかりやすい。もう学校なんか行かなくてサナが家庭教師をやってくれたらいいんじゃないか?』
『それは唆られる申し出ですが、実体がない以上面白味がないですね』
『実体を手に入れて何するつもりなんだよ』
『それは如何にも《The 教師》みたいな格好をして、マスターを誘惑しながら勉強を教えるんですよ』
『相変わらずブレないよなお前は。兎に角、初等部の偽装は6歳児用に作ったやつで問題ないか?』
『訓練をしていたので少し上方修正をしておいた方がいいでしょうね』
『分かった。こんな感じか?』
HP:22
MP:28
筋力:12
耐久:10
魔力:15
精神:13
敏捷:10
スキル
【身体強化 Lv.2】【剣術 Lv.2】
魔法系統
【火魔法 Lv.1】
『多少高い気もしますが騎士家系の子供だったりすると、それなりに訓練ばかりしていて強い子もいますからそんなもんでしょうね。《初等部》として登録しておきますね』
今日はこのくらいでいいか。明日は試験だし早めに寝よう。
違うことと言えば1ヶ月が均等に30日で12ヶ月あり、1年は360日だということだ。あちらの世界と違ってわかりやすくて良い。
ボチボチ学校の時期が近づいてくる。ありがたいことに義務教育制度はないらしい。貧困層は子供を学校に行かせる金がないとかで。
さらに、入学試験を受けるのにはある程度の教養が必要とされる。貧困層はある程度の教養すら得られる機会が少ないので、基本的に一般家庭以上の層しか入学の最低基準は満たせそうにない。
そのような中で俺はある程度の教養があるらしく最低基準は満たせそうだ。しかし、この世界の歴史なんぞに興味がないからその分野では全くの無知とも言えるだろう。
入学試験は筆記と実技で構成されており、その合計点で合格者を決めるみたいだ。筆記はとりあえず捨てるしかないと思う。歴史を知らない時点で合格点には程遠いだろう。
そうなると実技にかけるしかないのだが、あまり目立っても面倒くさそうなので程々にやるしかない。その上で入学できなかったらそれはそれでいいと思う。
あの時からは学校に行くか行かないかで迷っていたが、一日中考えるということは俺には無理なので、基本的に訓練ばかりしていた。たまに母さんにおねだりして相手をしてもらったこともある。
ベッドでゴロゴロとしながらそのようなことを考えていたら、母さんからお呼びがかかったのでリビングへと向かった。
「母さん、どうしたの?」
「そろそろ学校に行くかどうかの返事を聞こうと思ってね、入学試験の申し込みとかがあるから」
「試験はとりあえず受けることにするよ。何事も経験だと思うし」
「そう? 偉いわね。じゃあ、試験の申し込みは済ませておくわね」
「うん。ありがとう」
母さんはテーブルの上のベルを鳴らすと、使用人を呼びつけた。
「カレンはいるかしら?」
「はい、ここに」
相変わらずどこからともなく現れるメイド長。足音すらしなかったのにいったいいつ来たんだろうか?
「ケビンの入学試験の手続きを済ませておいて」
「かしこまりました」
そう言って退室するメイド長。出る時はわかるのに来る時はなぜわからないのだろう? 不思議なこともあるもんだ……
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
数週間後、入学試験があるとやらで俺は再び王都の別宅へとやって来た。明日は朝から試験に行かなきゃいけない。若干、憂鬱である。
俺が通うかもしれない学校は王立フェブリア学院と言うらしく、初等部、中等部、高等部、学院部と構成されて、初等部は4年間、中等部・高等部は3年間ずつ、学院部は4年間のエスカレーター式となっている。
感覚的には学校にまた通うのかと思うと、試験勉強なんてしなくてもいいやという気持ちにもなる。よって前日にも関わらずいつも通りゴロゴロしていた。
『なぁ、サナ。学校に行く必要ってあると思うか?』
『どうでしょうねぇ、この世界の一般知識を手に入れるという目的であれば、この上ない環境ではあると思います』
『やっぱりそうなるか。将来ダラダラする計画の為にも今を頑張るしかないな』
『そうですね。何事も諦めが肝心ですよ』
『ステータスは初等部用に偽装しといた方がいいよな? 訓練とかしていたし、そこそこやりますよ的な数値ぐらいで』
『前衛タイプと後衛タイプのどちらにするんですか? いっそのことオールラウンダーでいきますか?』
『そうだなぁ……後々変更するのが面倒くさいからオールラウンダーにするか。それなら前衛も後衛も出来るしな。『ステータス』』
ケビン・カロトバウン
男性 6歳 種族:人間
職業:入学試験前の子供
状態:憂鬱
Lv.1
HP:183
MP:220
筋力:98
耐久:85
魔力:120
精神:100
敏捷:170
スキル
【言語理解】【創造】【センス】
【隠蔽】【偽装】【千里眼】
【完全鑑定】【剣術適性】【魔法適性】
【体力増大】【魔力増大】【無限収納】
【無詠唱】【剣術 Lv.4】
【身体強化 Lv.4】【属性強化 Lv.6】
【完全探知 Lv.5】【生命隠蔽 Lv.4】
【状態異常耐性 Lv.EX】【魔力操作 Lv.EX】
魔法系統
【火魔法 Lv.3】【水魔法 Lv.4】
【雷魔法 Lv.4】【土魔法 Lv.4】
【風魔法 Lv.5】
加護
女神の寵愛
原初神の加護
称号
アキバの魔法使い
女神の伴侶
ゴロゴロの同志
『なぁ、いつも思うんだが筋力の数値って目に見える筋肉のことじゃないよな?』
『そうですよ。そんなことになったらサラ様なんかムキムキのお母さんになっちゃいますよ』
『ぶふっ! ちょっと想像しちまったじゃねぇか。確かにそう言われると納得だな。それよりもやっぱり魔法系にステが偏るな』
『それはゴロゴロして魔法の練習ばかりしてるからですよ』
『それと予想通り【状態異常耐性】がEXになってるんだが』
『そうなんですか? 最終進化させますか?』
『頼む。このまま放っておいてもいいけど、進化先があるならしといた方がいいしな』
『では【状態異常耐性 Lv.EX】を進化させます。……成功。【状態異常耐性】は【状態異常無効】へと進化しました。これによりレベルによる上昇は無くなりました』
『どういうことだ?』
『【耐性】から【無効】になったのでレベルがつかないんですよ。【耐性】はレベルが上がると耐える力が強くなりますけど、【無効】は最初から無効しているのでレベルの概念が必要ないのです。Lv.1だろうがLv.EXだろうが効果は一緒って事ですね』
『なるほど、わかりやすい。もう学校なんか行かなくてサナが家庭教師をやってくれたらいいんじゃないか?』
『それは唆られる申し出ですが、実体がない以上面白味がないですね』
『実体を手に入れて何するつもりなんだよ』
『それは如何にも《The 教師》みたいな格好をして、マスターを誘惑しながら勉強を教えるんですよ』
『相変わらずブレないよなお前は。兎に角、初等部の偽装は6歳児用に作ったやつで問題ないか?』
『訓練をしていたので少し上方修正をしておいた方がいいでしょうね』
『分かった。こんな感じか?』
HP:22
MP:28
筋力:12
耐久:10
魔力:15
精神:13
敏捷:10
スキル
【身体強化 Lv.2】【剣術 Lv.2】
魔法系統
【火魔法 Lv.1】
『多少高い気もしますが騎士家系の子供だったりすると、それなりに訓練ばかりしていて強い子もいますからそんなもんでしょうね。《初等部》として登録しておきますね』
今日はこのくらいでいいか。明日は試験だし早めに寝よう。
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