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第7魂
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まるで世紀末となったような世界だが、
ニンゲン以外は案外と逞しく、特に世界は変わることの無い様に回っていた。
唯一変わったとすれば、ニンゲンがいた頃と比べて自然豊かであり、尚且つ生き物達はのびのびと生存競争に励んでいた。
勘九郎は自身の背丈より随分と高いひまわりを掻き分けながらニンゲン擬きを探し始めた。
どれくらい歩いただろうか。
突然大雪が降ってきた。
今までの気配とはうって変わり辺りにはピリピリとした殺気が立ち込めた。
殺気の中心には勘九郎くらいのウサギが居た。
真っ直ぐに愚直に卵を丸飲みしながら闘気を送ってくる。
勘九郎は何となく左に避けるとさっきまでいた位置に雷が落ちてきた。
ふと、ウサギを見るとウサギの回りには雪がなく、帯電しているように見える。
勘九郎は考えるよりも早くウサギに詰め寄り
手を刀と見立てた技を繰り出した。
神月流兵の一 <餽雷電殺>
音を置き去りに自身を雷の化身として
相手の首を刈るシンプルな技である。
気づいた時には既に遅くウサギは骸へ変わった。
思考が戻った勘九郎は腹が減っていることに気がついた。
ちょうど良い、鍋にしよう。
ニンゲン以外は案外と逞しく、特に世界は変わることの無い様に回っていた。
唯一変わったとすれば、ニンゲンがいた頃と比べて自然豊かであり、尚且つ生き物達はのびのびと生存競争に励んでいた。
勘九郎は自身の背丈より随分と高いひまわりを掻き分けながらニンゲン擬きを探し始めた。
どれくらい歩いただろうか。
突然大雪が降ってきた。
今までの気配とはうって変わり辺りにはピリピリとした殺気が立ち込めた。
殺気の中心には勘九郎くらいのウサギが居た。
真っ直ぐに愚直に卵を丸飲みしながら闘気を送ってくる。
勘九郎は何となく左に避けるとさっきまでいた位置に雷が落ちてきた。
ふと、ウサギを見るとウサギの回りには雪がなく、帯電しているように見える。
勘九郎は考えるよりも早くウサギに詰め寄り
手を刀と見立てた技を繰り出した。
神月流兵の一 <餽雷電殺>
音を置き去りに自身を雷の化身として
相手の首を刈るシンプルな技である。
気づいた時には既に遅くウサギは骸へ変わった。
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ちょうど良い、鍋にしよう。
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