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第三十八話「奥の部屋…ってこれラブホじゃん!」
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「え、カルヴェ、殿下と踊ったのか?」
「ええ、踊りましたよ」
「くっ……」
会場の護衛が交代されて会場内に入ってきたグランは、何故かカルヴェと俺が一曲踊ったことに驚き悔しそうな顔を浮かべていた。
それに対してカルヴェはどやっと胸を張っている。
「お、俺と踊りたかったのか? 後で踊ろう、グラン」
「ええ! 喜んで!」
「いえ、踊らなくていいんですよ殿下。私とだけ踊りましょう」
「カルヴェは黙っててくれよ。……ね、殿下、俺と踊りましょうね」
カルヴェとグランが言い争いをしている中、料理がワゴンに乗って運ばれてきた。
高級そうな肉料理や魚料理、パスタ、パンなどが並べられる。
「美味しそ……」
喧嘩をしている二人から離れて、俺は料理を取りにいくことにした。
正直非常にお腹が空いているのだ。
初めての夜会でいろいろと緊張していたから、王宮では菓子も食べていないし昼食もそこまで食べられなかった。
俺は列に順に並んで皿をとり、パンやローストビーフ、サラダなどを少しずつとっていく。
サラダはドレッシングが七種類くらいあるし、パンも甘いパンから食事用のパンまで様々だ。
制覇したいという思いから少量ずつとっていって、立食した。
「うん、美味い……」
つくづくこの世界が日本と同じくらい料理が美味しいところで良かったと思う。
醤油などの日本の調味料はあまりなくて、イタリアンやフレンチ料理が多いが……食事が美味しくないと俺も日本に帰りたがってたと思うからな。
あのブラック企業で働いていた頃の俺に……。
正直あの頃の俺は、何の取柄もないし、何の努力もしない人間だった。
上司から頼まれた仕事をただただ言われた通りにこなしていたし、嫌味を言われてもただ謝るだけで、反論もしなかった。
同僚ともたまに飲みに行くくらいで、そこまで仲が良いわけではなかった。
だけど今は、将来のために魔術や剣術の腕を極めたりできているし、エシエルという親友もできて、カルヴェとグランが傍にいて、充実な生活を送れている気がする。
「……殿下」
ローストビーフを食べる直前、後ろから声をかけられた。
振り向くと、薔薇が刺繍されたラベンダーのドレスに豪華なアクセサリーをつけた令嬢が俺を見つめている。
髪色はストロベリーブロンド。腰まであり、全てゆるく巻いている。
「私は、南方地区に領地をかまえるメルビロッド公爵家の令嬢、エステル・メルビロッドでございます。殿下とお会いできたことを、光栄に思います」
エステル令嬢はドレスをつまみ、そっと挨拶した。
その姿も洗練されていて、幼い頃から礼儀作法を叩きこまれているように思える。
エステルは俺の皿を見つめて、にこりと笑った。
「殿下はローストビーフがお好きなのですか?」
「あ、ああ、好きだな」
「美味しいですものね。私もいただこうかしら」
そう言いながらもエステル令嬢はローストビーフを取らないどころか、皿も持たない。
ただ俺を見つめているだけだ。
どうしたのだろう。
俺の顔に何かついているだろうか。
「殿下、お好きに召し上がってくださいね」
口角を少し上げるだけの品のある笑みを浮かべて、俺の隣に立った。
俺だけ立食しているのも少し申し訳ないが……エステル令嬢は俺が食事する姿をじっと見つめていた。
「殿下は、婚約者はおりませんの?」
「そういえば、いないな」
成人を迎えたが、婚約者はおろか、お見合いをしたことなど一度もない。
カルヴェが「婚約者など作らず、私といればいいのですよ」と言って全然見合い相手を用意してくれなかった気がする……。
それをグランにも相談したら、「殿下は俺といればいいんですよ」とカルヴェと同じようなことを言われて、そのまま婚約者がいないまま今日まで迎えた。
この国では成人式を終えてからじゃないと第二の性がわからないため、成人してから婚約者を決めるのがほとんどだ。
成人して時間は結構経ったのだが……グランもカルヴェもその調子で、一向に婚約者を用意しないし、お見合いもさせてくれないのである。
「俺も、早々に決めなければいけないんだが……」
俺はΩだ。
跡継ぎを産むには、俺が子を産まなくてはならない。
必然的にαの男かαの女と婚約することになるのだが……俺としては、レヴィルのようにΩを道具としてしか見ていないαと婚約させられても困る。
それにαの女の人に犯されるのはどうしても俺のプライドが粉々になりそうだから、多分結婚するとしてもαの男の人だと思う。
俺は今婚約しなくてもいいとは思っている。
もう少しΩでも優秀な力があることをαの貴族の方々に認識させてから、婚約がしたい。
だけど、俺がαの男と結婚してカルヴェやグランに祝福される想像をしたら、すごくもやもやした気持ちが湧きあがってしまった。
「殿下」
俺がローストビーフを食べ終わり、汚れた皿を返却所に置くと、エステル令嬢が俺の手を掴んだ。
俺の指を絡めとるようにとり、するりと撫でる。
「なら、私と婚約いたしませんか?」
「え……っ」
「私、殿下の子を産みたいのです」
エステル令嬢がヒールから足を浮かせ、鼻と鼻がつくくらい俺に迫る。
俺の子を産みたいっていうことは、この女は……。
「殿下、Ωの私を抱いてくださいませんか? 殿下は、αでしょう?」
ああ、やっぱり。
俺が第一王子というだけで、αだと思っている女だった。
エステル令嬢の唇はラメ入りのリップなのか煌めいていて、艶やかだ。
だけど、この令嬢とキスをしたいだなんて一ミリも思わない。
自分がΩで相手もΩだからだろうか。
全くそそられない。
「早々に決めなければと言ったが、俺はまだ慎重に決めたいんだ。だから、申し訳ないけど……」
「そんなことを言わずに。さぁ、行きましょう」
エステル令嬢が強引に俺の腕を引っ張り、会場の奥のほうへと連れて行く。
奥の廊下を渡ると、赤くて分厚いカーテンがそよいでいる。
……あれ、そういえばカルヴェが何か大事なことを言っていなかったっけ。
――奥には部屋があって、その夜会で出会った方たちと一夜を共にできるのですよ。ですから絶対、絶対行かないでくださいね。
もしかして、エステル令嬢は奥の部屋に連れて行こうとしてる……!?
この廊下はもう会場で聞いていた音楽家が奏でるクラシックも、貴族たちの談笑も聞こえない。
しんと静まり返っていて、それがやけに不安を煽る。
「エステル令嬢、待ってくれ。俺はこんなことするつもりは……」
「殿下、どの部屋に致しますか?」
いつの間にか赤いカーテンを潜り抜けていて、そこにはボーイと部屋に繋がるいくつものドアがあった。
ボーイが何も言わずに部屋のサンプルを魔法で見せてくる。
こんなの、日本でいうラブホじゃん!
俺の腕を掴んでいる手を離そうとしたが、万が一エステル令嬢の手に傷でもつけてしまったら、代償として婚約してください、とか彼女の強引な性格から見て言われてしまう気がする。
躊躇っているとエステル令嬢がと俺の胸板にすり寄って来た。
俺の胸板をそっと撫で、自らの豊満な胸を押し付けてくる。
……おかしいな、昔の俺なら興奮していたんだけどな……。
エステル令嬢はこちらと視線を合わせ、上目遣いで瞳を潤ませる。
「私を番にしてください、殿下」
その声は甘ったるくて、満員電車できつい香水をかけた女の傍にいるときくらい不快だ。
どうしよう。
このままでは、本当に部屋に連れて行かれてしまう。
そして、俺がαじゃないことがバレてしまう……。
ボーイに助けを求めようと目配せするが、まったく気づいていない。
同意だと思っているようだ。
「では、五番の部屋で」
いつまでも部屋を決めない俺に呆れたのか、エステル令嬢が部屋を選んだ。
ボーイが案内しようと俺たちの前に出て歩き始める。
嫌だ。行きたくない。どうしよう、このままじゃダメだ……!
諦めようかと思ってぎゅっと目を瞑ったそのときだった。
「殿下! 大丈夫ですか!?」
俺がエステル令嬢に手を引かれて歩こうとしたとき、俺の肩をぐいっと掴んでグランが止めてきた。
走って来たのか息が切れ、前髪が乱れている。
グランの姿を見て俺は一気に安堵し、力が抜けて倒れそうになった。
床に手をつきそうになったところで、グランが俺を抱きとめる。
「エステル令嬢に連れて行かれたと耳にして、急いでやってきたんです。もう大丈夫ですからね」
グランが俺の頭を優しく撫でる。
柔らかく髪を梳く心地良さと俺よりも大きな胸板の安心感に、涙が出そうになった。
グランをそっと覗き見ると、すごい形相でエステル令嬢を睨んでいる。
「グラン団長、このお方は私と一夜を共にする予定だったのです。離してはいただけませんか?」
「何を仰るのです、エステル令嬢。殿下は身体が震えております。本当に同意を得ていたのですか?」
「……っ」
「もう今後殿下とは関わらないと誓ってください。……いいですね?」
エステル令嬢はグランの怒気にやられたのか、キッと睨んだあと立ち去っていった。
廊下が静まり返る。
俺とグランはボーイに会釈したあと、廊下を出て会場に戻った。
「ええ、踊りましたよ」
「くっ……」
会場の護衛が交代されて会場内に入ってきたグランは、何故かカルヴェと俺が一曲踊ったことに驚き悔しそうな顔を浮かべていた。
それに対してカルヴェはどやっと胸を張っている。
「お、俺と踊りたかったのか? 後で踊ろう、グラン」
「ええ! 喜んで!」
「いえ、踊らなくていいんですよ殿下。私とだけ踊りましょう」
「カルヴェは黙っててくれよ。……ね、殿下、俺と踊りましょうね」
カルヴェとグランが言い争いをしている中、料理がワゴンに乗って運ばれてきた。
高級そうな肉料理や魚料理、パスタ、パンなどが並べられる。
「美味しそ……」
喧嘩をしている二人から離れて、俺は料理を取りにいくことにした。
正直非常にお腹が空いているのだ。
初めての夜会でいろいろと緊張していたから、王宮では菓子も食べていないし昼食もそこまで食べられなかった。
俺は列に順に並んで皿をとり、パンやローストビーフ、サラダなどを少しずつとっていく。
サラダはドレッシングが七種類くらいあるし、パンも甘いパンから食事用のパンまで様々だ。
制覇したいという思いから少量ずつとっていって、立食した。
「うん、美味い……」
つくづくこの世界が日本と同じくらい料理が美味しいところで良かったと思う。
醤油などの日本の調味料はあまりなくて、イタリアンやフレンチ料理が多いが……食事が美味しくないと俺も日本に帰りたがってたと思うからな。
あのブラック企業で働いていた頃の俺に……。
正直あの頃の俺は、何の取柄もないし、何の努力もしない人間だった。
上司から頼まれた仕事をただただ言われた通りにこなしていたし、嫌味を言われてもただ謝るだけで、反論もしなかった。
同僚ともたまに飲みに行くくらいで、そこまで仲が良いわけではなかった。
だけど今は、将来のために魔術や剣術の腕を極めたりできているし、エシエルという親友もできて、カルヴェとグランが傍にいて、充実な生活を送れている気がする。
「……殿下」
ローストビーフを食べる直前、後ろから声をかけられた。
振り向くと、薔薇が刺繍されたラベンダーのドレスに豪華なアクセサリーをつけた令嬢が俺を見つめている。
髪色はストロベリーブロンド。腰まであり、全てゆるく巻いている。
「私は、南方地区に領地をかまえるメルビロッド公爵家の令嬢、エステル・メルビロッドでございます。殿下とお会いできたことを、光栄に思います」
エステル令嬢はドレスをつまみ、そっと挨拶した。
その姿も洗練されていて、幼い頃から礼儀作法を叩きこまれているように思える。
エステルは俺の皿を見つめて、にこりと笑った。
「殿下はローストビーフがお好きなのですか?」
「あ、ああ、好きだな」
「美味しいですものね。私もいただこうかしら」
そう言いながらもエステル令嬢はローストビーフを取らないどころか、皿も持たない。
ただ俺を見つめているだけだ。
どうしたのだろう。
俺の顔に何かついているだろうか。
「殿下、お好きに召し上がってくださいね」
口角を少し上げるだけの品のある笑みを浮かべて、俺の隣に立った。
俺だけ立食しているのも少し申し訳ないが……エステル令嬢は俺が食事する姿をじっと見つめていた。
「殿下は、婚約者はおりませんの?」
「そういえば、いないな」
成人を迎えたが、婚約者はおろか、お見合いをしたことなど一度もない。
カルヴェが「婚約者など作らず、私といればいいのですよ」と言って全然見合い相手を用意してくれなかった気がする……。
それをグランにも相談したら、「殿下は俺といればいいんですよ」とカルヴェと同じようなことを言われて、そのまま婚約者がいないまま今日まで迎えた。
この国では成人式を終えてからじゃないと第二の性がわからないため、成人してから婚約者を決めるのがほとんどだ。
成人して時間は結構経ったのだが……グランもカルヴェもその調子で、一向に婚約者を用意しないし、お見合いもさせてくれないのである。
「俺も、早々に決めなければいけないんだが……」
俺はΩだ。
跡継ぎを産むには、俺が子を産まなくてはならない。
必然的にαの男かαの女と婚約することになるのだが……俺としては、レヴィルのようにΩを道具としてしか見ていないαと婚約させられても困る。
それにαの女の人に犯されるのはどうしても俺のプライドが粉々になりそうだから、多分結婚するとしてもαの男の人だと思う。
俺は今婚約しなくてもいいとは思っている。
もう少しΩでも優秀な力があることをαの貴族の方々に認識させてから、婚約がしたい。
だけど、俺がαの男と結婚してカルヴェやグランに祝福される想像をしたら、すごくもやもやした気持ちが湧きあがってしまった。
「殿下」
俺がローストビーフを食べ終わり、汚れた皿を返却所に置くと、エステル令嬢が俺の手を掴んだ。
俺の指を絡めとるようにとり、するりと撫でる。
「なら、私と婚約いたしませんか?」
「え……っ」
「私、殿下の子を産みたいのです」
エステル令嬢がヒールから足を浮かせ、鼻と鼻がつくくらい俺に迫る。
俺の子を産みたいっていうことは、この女は……。
「殿下、Ωの私を抱いてくださいませんか? 殿下は、αでしょう?」
ああ、やっぱり。
俺が第一王子というだけで、αだと思っている女だった。
エステル令嬢の唇はラメ入りのリップなのか煌めいていて、艶やかだ。
だけど、この令嬢とキスをしたいだなんて一ミリも思わない。
自分がΩで相手もΩだからだろうか。
全くそそられない。
「早々に決めなければと言ったが、俺はまだ慎重に決めたいんだ。だから、申し訳ないけど……」
「そんなことを言わずに。さぁ、行きましょう」
エステル令嬢が強引に俺の腕を引っ張り、会場の奥のほうへと連れて行く。
奥の廊下を渡ると、赤くて分厚いカーテンがそよいでいる。
……あれ、そういえばカルヴェが何か大事なことを言っていなかったっけ。
――奥には部屋があって、その夜会で出会った方たちと一夜を共にできるのですよ。ですから絶対、絶対行かないでくださいね。
もしかして、エステル令嬢は奥の部屋に連れて行こうとしてる……!?
この廊下はもう会場で聞いていた音楽家が奏でるクラシックも、貴族たちの談笑も聞こえない。
しんと静まり返っていて、それがやけに不安を煽る。
「エステル令嬢、待ってくれ。俺はこんなことするつもりは……」
「殿下、どの部屋に致しますか?」
いつの間にか赤いカーテンを潜り抜けていて、そこにはボーイと部屋に繋がるいくつものドアがあった。
ボーイが何も言わずに部屋のサンプルを魔法で見せてくる。
こんなの、日本でいうラブホじゃん!
俺の腕を掴んでいる手を離そうとしたが、万が一エステル令嬢の手に傷でもつけてしまったら、代償として婚約してください、とか彼女の強引な性格から見て言われてしまう気がする。
躊躇っているとエステル令嬢がと俺の胸板にすり寄って来た。
俺の胸板をそっと撫で、自らの豊満な胸を押し付けてくる。
……おかしいな、昔の俺なら興奮していたんだけどな……。
エステル令嬢はこちらと視線を合わせ、上目遣いで瞳を潤ませる。
「私を番にしてください、殿下」
その声は甘ったるくて、満員電車できつい香水をかけた女の傍にいるときくらい不快だ。
どうしよう。
このままでは、本当に部屋に連れて行かれてしまう。
そして、俺がαじゃないことがバレてしまう……。
ボーイに助けを求めようと目配せするが、まったく気づいていない。
同意だと思っているようだ。
「では、五番の部屋で」
いつまでも部屋を決めない俺に呆れたのか、エステル令嬢が部屋を選んだ。
ボーイが案内しようと俺たちの前に出て歩き始める。
嫌だ。行きたくない。どうしよう、このままじゃダメだ……!
諦めようかと思ってぎゅっと目を瞑ったそのときだった。
「殿下! 大丈夫ですか!?」
俺がエステル令嬢に手を引かれて歩こうとしたとき、俺の肩をぐいっと掴んでグランが止めてきた。
走って来たのか息が切れ、前髪が乱れている。
グランの姿を見て俺は一気に安堵し、力が抜けて倒れそうになった。
床に手をつきそうになったところで、グランが俺を抱きとめる。
「エステル令嬢に連れて行かれたと耳にして、急いでやってきたんです。もう大丈夫ですからね」
グランが俺の頭を優しく撫でる。
柔らかく髪を梳く心地良さと俺よりも大きな胸板の安心感に、涙が出そうになった。
グランをそっと覗き見ると、すごい形相でエステル令嬢を睨んでいる。
「グラン団長、このお方は私と一夜を共にする予定だったのです。離してはいただけませんか?」
「何を仰るのです、エステル令嬢。殿下は身体が震えております。本当に同意を得ていたのですか?」
「……っ」
「もう今後殿下とは関わらないと誓ってください。……いいですね?」
エステル令嬢はグランの怒気にやられたのか、キッと睨んだあと立ち去っていった。
廊下が静まり返る。
俺とグランはボーイに会釈したあと、廊下を出て会場に戻った。
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