36 / 51
第三十六話「殿下とデート」
しおりを挟む
◇◇◇
……避けられている気がする。
殿下と練習棟で肌を重ねた日から、殿下は俺と目を合わせなくなった。
俺が「殿下、おはようございます」と挨拶をしても、「お、おはよう……」と不器用な言い方で返してくる。
他にも、学院へ行く際の護衛もカルヴェに任せてばかりで、俺のほうにはやってこない。
やはり、何度も犯してしまったことに怒りを覚えているのだろうか。
それなら、改まって謝らないといけない。
それに……身体目当てでないことを伝えておきたい。
「うーん、どうしたものか……」
王宮の護衛を担っているときに、隣の護衛に聞こえないよう小さな声で唸る。
殿下に俺といてもすぐに襲って来たりしないこともお伝えしたいし……。
どうすれば殿下と共にいられるだろう。
俺は絶倫だと王都の令嬢や令息には普通に噂が出回っている。
恐らくそれは殿下の耳にも届いているだろう。
その先入観を、どうにかして殿下から引きはがしたい。
いや、絶倫なことに変わりはないのだが……。
「うーん……」
男と適当にセックスしてきたばかりで、本気で好きになった人にどう自分をアピールすればいいか全然わからない。
花でも送ればいいだろうか。
悩んでいると、すぐそこで令嬢とその婚約者であろう令息が仲睦まじく歩いているのを見かけた。
「レヴィ嬢、今度は海に行きませんか?」
「まぁ、いいですわ。ぜひ、一緒に行きましょう」
にこにこ笑いながら通り過ぎていくさまは、とても幸せそうでこちらも気持ちが和む。
そうか、その手があったか。
そう……デート、だ。
「よし……」
俺は拳を硬く握りしめ、殿下にお会いできるときを楽しみに待った。
◇◇◇
それから数日後、学院から帰宅したあとにカルヴェではなくグランが迎えにやってきた。
今まで避けていた分、会話をするのが少し難しい。
「……む、迎えにきてくれてありがとう」
「ええ、殿下。今日はカルヴェはサンテリ料理長に手が足りなくて料理を手伝えと言われておりまして、それで迎えに来れなかったそうです。代わりに俺が」
グランはしっかり俺の目を見て話しているが、俺はあまりグランを直視できない。
あんなに乱れた姿を見せてしまったし、淫乱男だと思われていたらどうしよう。
気まずくて馬車に乗っている間も目を合わせられず、俺は早く王宮に帰宅しないだろうかと窓の外を見ていた。
「……あれ?」
だが、馬車はいつもの王宮への帰宅路を無視して別の方角へ向かっている。
王宮へ帰るときは市場をまっすぐ通るのだが、その市場を右に曲がってしまった。
これでは王宮から遠ざかってしまう。
「グラン。どこに行くんだ?」
「ふふ……秘密ですよ」
グランが人差し指を唇にあてる。
その仕草がなんとも色っぽい。
秘密って……教えてくれないと不安になってしまう。
まさか、この世界にもラブホテルなるものが存在していて、そこに連れて行かれるとか!?
どうしよう、また俺は犯されるのか……? グランの考え的にその可能性は高い……。
しばらく窓から外を見つめていると、森に入った。
グランって、青姦が性癖だったの!?
蹄が音を立てて走る。
森にはたくさんの薬草や花が咲いていて、窓を少し開けると自然の匂いが鼻腔に一気に入って来た。
遠くで鶯の鳴き声が聞こえる。
葉から零れる木漏れ日が地面を照らし、花が輝いていて美しい。
ここなら魔術の練習にも良さそうだなと考える。
自然の香りを楽しんでいると、急に馬車が止まった。
「殿下、お手を」
グランが下りて、俺は差し伸べられた手を取り馬車から降りる。
徐に俺の手を握って、道になっている土を踏みしめ歩き始めた。
歩いてみると、薬草のツンとした匂いがしてくる。
薬師はこういうところで薬草を採取して、怪我を直す薬とか作っているのだろうか……。
「あまり植物に触れてはいけませんよ。毒性のものもありますからね」
「あ……わかった」
グランは俺の手を、逃がさないようにだろうか、ぎゅっと強く握りしめている。
俺、こんなところで犯されたくないんだけど……。
それでもグランの力は俺では抵抗できないからついていくと、開けたところについた。
そこには――。
「……! 綺麗……」
太陽に反射して宝石のように煌めく湖があった。
深さは浅く、砂利が透けて見える。
その砂利も蒼い石から桃色の石まであって、それが湖を虹色に輝かせているようだった。
「綺麗でしょう? 殿下にこれを見せたかったんです」
え、犯すわけじゃなかったの!?
なんだ、グランって意外と普通の思考しているんだな……。って、失礼なこと思ってごめんなさい。
湖の美しさに目を奪われていると、一歩グランが俺に歩み寄った。
「殿下、俺と話すの気まずいって思っているでしょう」
「え……っ、ナ、ナンノコトカナ~……」
「もう、ごまかさないでください」
目を逸らすと、グランが俺の顎を掴んでぐいっとグランのほうに向かせた。
グランの瞳が湖に反射して綺麗に輝いている。
顎から手が離れたかと思うと、突然グランが頭を下げた。
「こないだは、すみませんでした。いきなり殿下の身体を奪ってしまって……。不快でしたよね」
「いや、別に……俺も発情期が来ちゃってたし、仕方ないよ」
「それは、俺とのセックスが嫌ではないということですか?」
「え……っ」
答えに困る質問を寄こしてこないでくれ……!
グランの顔は真剣だ。
正直ものすごく嫌かと言われたら、そんなことはない。
グランとのえっちは気持ち良かったし、俺に気遣ってくれたところもあるし、激しかったけどそこに優しさがたくさん詰まっていた……。
答えに悩んでいると、グランが「ダメだな俺は……すぐに焦ってしまう」と言ってかぶりを振り、口を開いた。
「殿下といつも通りに接したくて……連れて来たのですよ。湖を見て、その……元気を出していただきたかったというか……俺とも話してくれると嬉しかったというか。海みたいな広いところじゃなくて、申し訳ないんですけど」
グランが耳を赤く染めて照れくさそうに頭をかく。
そうか。グランは犯すつもりなんて全然なくて、俺と話したいだけだったんだな。
湖を見るまで不埒なことを考えていた自分を今すぐぶん殴りたい。
グランの優しさに触れて心が温かくなる。
「……ありがとう、グラン」
俺が微笑んで言うと、グランは黙って俺から視線を逸らしてしまった。
「殿下、その笑みは反則ですよ……」
「え? 今なんて言った?」
「いえ、湖が美しいですねって言っただけです」
あまりにも小さな声で聞き取れなかった。
でもグランの言うとおり、この湖は美しいし、見ていて落ち着く。マイナスイオンと言うべきなのだろうか。
すぐそこにベンチがあったから二人で座って、しばらく他愛のない話をし、湖を眺めた。
すごく心地良い時間で、俺は日頃の疲れが一気に取れた気がした。
グランはセックスのとき以外でも優しい性格をしていることを知れて、俺は少し嬉しかった。
……避けられている気がする。
殿下と練習棟で肌を重ねた日から、殿下は俺と目を合わせなくなった。
俺が「殿下、おはようございます」と挨拶をしても、「お、おはよう……」と不器用な言い方で返してくる。
他にも、学院へ行く際の護衛もカルヴェに任せてばかりで、俺のほうにはやってこない。
やはり、何度も犯してしまったことに怒りを覚えているのだろうか。
それなら、改まって謝らないといけない。
それに……身体目当てでないことを伝えておきたい。
「うーん、どうしたものか……」
王宮の護衛を担っているときに、隣の護衛に聞こえないよう小さな声で唸る。
殿下に俺といてもすぐに襲って来たりしないこともお伝えしたいし……。
どうすれば殿下と共にいられるだろう。
俺は絶倫だと王都の令嬢や令息には普通に噂が出回っている。
恐らくそれは殿下の耳にも届いているだろう。
その先入観を、どうにかして殿下から引きはがしたい。
いや、絶倫なことに変わりはないのだが……。
「うーん……」
男と適当にセックスしてきたばかりで、本気で好きになった人にどう自分をアピールすればいいか全然わからない。
花でも送ればいいだろうか。
悩んでいると、すぐそこで令嬢とその婚約者であろう令息が仲睦まじく歩いているのを見かけた。
「レヴィ嬢、今度は海に行きませんか?」
「まぁ、いいですわ。ぜひ、一緒に行きましょう」
にこにこ笑いながら通り過ぎていくさまは、とても幸せそうでこちらも気持ちが和む。
そうか、その手があったか。
そう……デート、だ。
「よし……」
俺は拳を硬く握りしめ、殿下にお会いできるときを楽しみに待った。
◇◇◇
それから数日後、学院から帰宅したあとにカルヴェではなくグランが迎えにやってきた。
今まで避けていた分、会話をするのが少し難しい。
「……む、迎えにきてくれてありがとう」
「ええ、殿下。今日はカルヴェはサンテリ料理長に手が足りなくて料理を手伝えと言われておりまして、それで迎えに来れなかったそうです。代わりに俺が」
グランはしっかり俺の目を見て話しているが、俺はあまりグランを直視できない。
あんなに乱れた姿を見せてしまったし、淫乱男だと思われていたらどうしよう。
気まずくて馬車に乗っている間も目を合わせられず、俺は早く王宮に帰宅しないだろうかと窓の外を見ていた。
「……あれ?」
だが、馬車はいつもの王宮への帰宅路を無視して別の方角へ向かっている。
王宮へ帰るときは市場をまっすぐ通るのだが、その市場を右に曲がってしまった。
これでは王宮から遠ざかってしまう。
「グラン。どこに行くんだ?」
「ふふ……秘密ですよ」
グランが人差し指を唇にあてる。
その仕草がなんとも色っぽい。
秘密って……教えてくれないと不安になってしまう。
まさか、この世界にもラブホテルなるものが存在していて、そこに連れて行かれるとか!?
どうしよう、また俺は犯されるのか……? グランの考え的にその可能性は高い……。
しばらく窓から外を見つめていると、森に入った。
グランって、青姦が性癖だったの!?
蹄が音を立てて走る。
森にはたくさんの薬草や花が咲いていて、窓を少し開けると自然の匂いが鼻腔に一気に入って来た。
遠くで鶯の鳴き声が聞こえる。
葉から零れる木漏れ日が地面を照らし、花が輝いていて美しい。
ここなら魔術の練習にも良さそうだなと考える。
自然の香りを楽しんでいると、急に馬車が止まった。
「殿下、お手を」
グランが下りて、俺は差し伸べられた手を取り馬車から降りる。
徐に俺の手を握って、道になっている土を踏みしめ歩き始めた。
歩いてみると、薬草のツンとした匂いがしてくる。
薬師はこういうところで薬草を採取して、怪我を直す薬とか作っているのだろうか……。
「あまり植物に触れてはいけませんよ。毒性のものもありますからね」
「あ……わかった」
グランは俺の手を、逃がさないようにだろうか、ぎゅっと強く握りしめている。
俺、こんなところで犯されたくないんだけど……。
それでもグランの力は俺では抵抗できないからついていくと、開けたところについた。
そこには――。
「……! 綺麗……」
太陽に反射して宝石のように煌めく湖があった。
深さは浅く、砂利が透けて見える。
その砂利も蒼い石から桃色の石まであって、それが湖を虹色に輝かせているようだった。
「綺麗でしょう? 殿下にこれを見せたかったんです」
え、犯すわけじゃなかったの!?
なんだ、グランって意外と普通の思考しているんだな……。って、失礼なこと思ってごめんなさい。
湖の美しさに目を奪われていると、一歩グランが俺に歩み寄った。
「殿下、俺と話すの気まずいって思っているでしょう」
「え……っ、ナ、ナンノコトカナ~……」
「もう、ごまかさないでください」
目を逸らすと、グランが俺の顎を掴んでぐいっとグランのほうに向かせた。
グランの瞳が湖に反射して綺麗に輝いている。
顎から手が離れたかと思うと、突然グランが頭を下げた。
「こないだは、すみませんでした。いきなり殿下の身体を奪ってしまって……。不快でしたよね」
「いや、別に……俺も発情期が来ちゃってたし、仕方ないよ」
「それは、俺とのセックスが嫌ではないということですか?」
「え……っ」
答えに困る質問を寄こしてこないでくれ……!
グランの顔は真剣だ。
正直ものすごく嫌かと言われたら、そんなことはない。
グランとのえっちは気持ち良かったし、俺に気遣ってくれたところもあるし、激しかったけどそこに優しさがたくさん詰まっていた……。
答えに悩んでいると、グランが「ダメだな俺は……すぐに焦ってしまう」と言ってかぶりを振り、口を開いた。
「殿下といつも通りに接したくて……連れて来たのですよ。湖を見て、その……元気を出していただきたかったというか……俺とも話してくれると嬉しかったというか。海みたいな広いところじゃなくて、申し訳ないんですけど」
グランが耳を赤く染めて照れくさそうに頭をかく。
そうか。グランは犯すつもりなんて全然なくて、俺と話したいだけだったんだな。
湖を見るまで不埒なことを考えていた自分を今すぐぶん殴りたい。
グランの優しさに触れて心が温かくなる。
「……ありがとう、グラン」
俺が微笑んで言うと、グランは黙って俺から視線を逸らしてしまった。
「殿下、その笑みは反則ですよ……」
「え? 今なんて言った?」
「いえ、湖が美しいですねって言っただけです」
あまりにも小さな声で聞き取れなかった。
でもグランの言うとおり、この湖は美しいし、見ていて落ち着く。マイナスイオンと言うべきなのだろうか。
すぐそこにベンチがあったから二人で座って、しばらく他愛のない話をし、湖を眺めた。
すごく心地良い時間で、俺は日頃の疲れが一気に取れた気がした。
グランはセックスのとき以外でも優しい性格をしていることを知れて、俺は少し嬉しかった。
5
お気に入りに追加
500
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる