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第三話「俺はαとしてハーレムを築く!」
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※殿下の妄想が若干気持ち悪いです
「この世界は、女と男の他に、α、β、Ωという第二の性を持っています。αはあらゆる面で能力が高く、将来の出世を約束され、殿下のような王族や公爵家に多いです。βは最も人口が多く、貴族の方もおりますし、平民でもいます。Ωは男女問わず妊娠可能の者です。出世が難しく、平民によくいます。このメヴィーサ王国では成人した二十歳の時に性検査を行って、第二の性が正しく確認されると言われています」
思い出した!
姉がよく読んでいたBLの漫画にあったやつだ!
確か、オメガバースというものじゃなかっただろうか。
執事は咳払いをしたあとに説明を続ける。
Ωは発情期というものがあって、一定の周期で迎える。
αとの性交によって収まるが、避妊具なしで行った場合は確実に妊娠してしまう。
発情期にはΩはフェロモンを放ち、αはその匂いを嗅ぐと【ラット】と呼ばれる興奮状態に陥る。
発情期中に性行為や愛撫を行っている際、αがΩの首筋を噛むことで【番】になれる。
番を得たΩはフェロモンを発さなくなる。
近年、王宮魔術師がΩの発情抑制剤と、Ωのフェロモンを遮断できる抗フェロモン剤を開発したが、高額で貴族の者や王族しか買うことができない……。
「王都でも別の地区でも、Ωとαが絡んだ事件は多発しています。そのため、今は殿下の父……国王陛下が大臣たちと会議をして抗フェロモン剤や発情抑制剤の値下げを検討しています。そして、この第二の性がわかるときなのですが……成人を迎えた二十歳からなのです」
「二十歳を迎えていない殿下は、まだ第二の性がわかっていません。成人式でわかると思いますので、それまで待っていてくださいね」
グランがはにかむ。
ガタイの良い身体からは想像できない、綺麗な微笑みだ。
二人は俺がベッドに横たわっているのを見下ろさずに跪いて説明してくれている。
傅かれたことがなかった俺は、たったそれだけのことに高揚感がこみあげてしまった。
二十歳を迎えるまで、第二の性はわからない……。
成人してからΩの者は発情期が訪れ、αの者は発情期のΩを見るとラットに襲われるそうだ。
他の国では生まれたときから第二の性がわかるところも多いらしいが……この国では成人してからでないと発情期も起こらないし、判別もできないらしい。
だが、今の話を聞く限り、俺は王族だし次期国王だからαだと思う。
ならαとしてΩの女性と付き合って、番になって子どもを産もう!
それがこの国で俺が目指す目標にしよう。そうしよう。
王子なんだから、子を授かることは優先的に成し遂げなければいけないことだ。
αとして生きることは、将来の出世を約束されることだとカルヴェが言っていた。
俺は一人で口角を上げる。
ふふ……ごめんね、成功する人間に生まれてしまって。
ああ、どうしよう。αの俺に「殿下と番になりたいです」ってせがむ女性が何人も立候補してきたら。
番って二人以上となることはできるのかな?
それとなく俺は二人に聞いてみた。
「二人以上の番……うーん、聞いたことはないですけど、調べたらもしかしたらできるかもしれないですね」
「メヴィーサ王国は数百年の歴史がありますから、その中で二人以上と番になったαやΩはいるかもしれませんね」
意外にも二人は俺の問いに肯定的だった。
無きにしも非ずというような言葉を聞いて俺はますます口元が緩む。
王子なんだし、モテるに決まっている。
「殿下、好きです」なんて何人もの可愛い女性に言われたらどうしよう!
妄想がどんどん膨らんでいき、俺の頭の中は美少女ゲームのハーレムルートだ。
主人公は俺。
これで、俺の脱童貞もごくごく簡単になったわけだ!
王子万歳!
αとしてハーレムを築くぞー!
「殿下? 大丈夫ですか? 口から涎が出ていますよ」
カルヴェがそう言って服の内ポケットからハンカチを取り出し、俺の口元を拭いてくれた。
いかんいかん、つい妄想が捗ってしまった。
「この世界は、女と男の他に、α、β、Ωという第二の性を持っています。αはあらゆる面で能力が高く、将来の出世を約束され、殿下のような王族や公爵家に多いです。βは最も人口が多く、貴族の方もおりますし、平民でもいます。Ωは男女問わず妊娠可能の者です。出世が難しく、平民によくいます。このメヴィーサ王国では成人した二十歳の時に性検査を行って、第二の性が正しく確認されると言われています」
思い出した!
姉がよく読んでいたBLの漫画にあったやつだ!
確か、オメガバースというものじゃなかっただろうか。
執事は咳払いをしたあとに説明を続ける。
Ωは発情期というものがあって、一定の周期で迎える。
αとの性交によって収まるが、避妊具なしで行った場合は確実に妊娠してしまう。
発情期にはΩはフェロモンを放ち、αはその匂いを嗅ぐと【ラット】と呼ばれる興奮状態に陥る。
発情期中に性行為や愛撫を行っている際、αがΩの首筋を噛むことで【番】になれる。
番を得たΩはフェロモンを発さなくなる。
近年、王宮魔術師がΩの発情抑制剤と、Ωのフェロモンを遮断できる抗フェロモン剤を開発したが、高額で貴族の者や王族しか買うことができない……。
「王都でも別の地区でも、Ωとαが絡んだ事件は多発しています。そのため、今は殿下の父……国王陛下が大臣たちと会議をして抗フェロモン剤や発情抑制剤の値下げを検討しています。そして、この第二の性がわかるときなのですが……成人を迎えた二十歳からなのです」
「二十歳を迎えていない殿下は、まだ第二の性がわかっていません。成人式でわかると思いますので、それまで待っていてくださいね」
グランがはにかむ。
ガタイの良い身体からは想像できない、綺麗な微笑みだ。
二人は俺がベッドに横たわっているのを見下ろさずに跪いて説明してくれている。
傅かれたことがなかった俺は、たったそれだけのことに高揚感がこみあげてしまった。
二十歳を迎えるまで、第二の性はわからない……。
成人してからΩの者は発情期が訪れ、αの者は発情期のΩを見るとラットに襲われるそうだ。
他の国では生まれたときから第二の性がわかるところも多いらしいが……この国では成人してからでないと発情期も起こらないし、判別もできないらしい。
だが、今の話を聞く限り、俺は王族だし次期国王だからαだと思う。
ならαとしてΩの女性と付き合って、番になって子どもを産もう!
それがこの国で俺が目指す目標にしよう。そうしよう。
王子なんだから、子を授かることは優先的に成し遂げなければいけないことだ。
αとして生きることは、将来の出世を約束されることだとカルヴェが言っていた。
俺は一人で口角を上げる。
ふふ……ごめんね、成功する人間に生まれてしまって。
ああ、どうしよう。αの俺に「殿下と番になりたいです」ってせがむ女性が何人も立候補してきたら。
番って二人以上となることはできるのかな?
それとなく俺は二人に聞いてみた。
「二人以上の番……うーん、聞いたことはないですけど、調べたらもしかしたらできるかもしれないですね」
「メヴィーサ王国は数百年の歴史がありますから、その中で二人以上と番になったαやΩはいるかもしれませんね」
意外にも二人は俺の問いに肯定的だった。
無きにしも非ずというような言葉を聞いて俺はますます口元が緩む。
王子なんだし、モテるに決まっている。
「殿下、好きです」なんて何人もの可愛い女性に言われたらどうしよう!
妄想がどんどん膨らんでいき、俺の頭の中は美少女ゲームのハーレムルートだ。
主人公は俺。
これで、俺の脱童貞もごくごく簡単になったわけだ!
王子万歳!
αとしてハーレムを築くぞー!
「殿下? 大丈夫ですか? 口から涎が出ていますよ」
カルヴェがそう言って服の内ポケットからハンカチを取り出し、俺の口元を拭いてくれた。
いかんいかん、つい妄想が捗ってしまった。
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