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魔導士のプライド

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王族が参加する王家主催の夜会は、最も煌びやかで独特の雰囲気がある。
数ある舞踏会でも、ひときわ豪華絢爛なドレスに身を包んだ令嬢たちで華やぎ、壮麗な大広間からは弦楽器の調べが流れてくる。
いたる所に花が活けられた柱廊を抜けると優雅なダンスへいざなう開かれた扉の中へ、正装姿のイザベルはゆっくり足を踏み入れた。
ーー大丈夫。今日の装いは絶対に浮いていないわ。
初めて袖を通す華麗なドレスも、華美なアクセサリーや靴も着慣れないから不安だ。
歓談を楽しむ人々の目に映ったのは、魔導灯の下で煌めくかぐわしい一人の令嬢である。
その瞳とお揃いの紺碧色のドレス。すそは鮮やかな淡いブルーへと徐々に色変わりに染め上げられた緻密なデザインで光沢も美しい。豊かに波打つ真紅の髪が濃紺にかかる優美な姿はハッと人目を引いて、自信のなさなどまったく感じさせない。
見惚れた人々は感嘆のため息を漏らし、どちらの令嬢だろうと密かなどよめきが広がった。

「ーーもしかして、イザベル……? 貴女はイザベルよね?」

聞き覚えのある声に、イザベルは軽く頷いた。

「ぅわぁ、とっても素敵よ! 見違えたわ……」

確かめるように問いかけてきた令嬢は、淡いパステルカラーを基調としたドレスのレティシアだ。桃色の髪に映える美しくも溌剌とした装いに、隣にいる婚約者らしき男性も誇らしげである。
勢いでここまで来たものの、さてどうしようと戸惑っていたイザベルはホッと胸を撫で下ろした。

「ありがとう、レティシア。貴女も素敵だわ」
「ふふ。夜会には興味ないって言ってたのに、どう言う風の吹き回しなの?」

レティシアの言う通り、実を言えば今日の夕方まではパスを決め込んでいた。参加するつもりなどなかったのだ。けれど、邸に戻って気が変わった。
理由はごく単純。まぬけにも今朝は気づかなかったが、帰宅した自室の衣装部屋には見たこともないゴージャスなドレスや宝飾品が幾つも運び込まれていた。聞けば、それらはかなり前に自分宛に届いたという。
送り主は匿名で驚いたし、心当たりもぜんぜんないけど、気味が悪い以上に箱から取り出してみたドレスの華美さにイザベルは呆然とした。ついつい袖を通してしまい、鏡に映った自分を何度も見直したくらいだ。
サイズはピッタリ、でも父や家族からのプレゼントではないだろう。こんな気遣いができるなら今まで苦労するはずがない。イグナスなわけも、もちろんあるはずがない。
だって、これは明らかに夜会への誘いかけだ。参加すればひょっとしたら送り主が名乗り出るかもしれない。
そう思いつくと、興味ゼロだった夜会にも顔を出したくなった。
同時に、警告めいた夢のメッセージがチラと頭をかすめたが。好奇心に加え、素晴らしいドレスやそれに合わせた髪飾り、美しい宝石の誘惑に心の天秤がぐっと傾いた。
結局そのまま勢いで来てしまい、イザベルはレティシアの賛辞にちょっぴり目を泳がせる。
 
「……ちょっとした好奇心よ、長居するつもりはないわ」
「そうよね、皇女様が推す”麗しの貴公子”様の花嫁選びだもの。気になるわよね」

ーーえ? 

「……何のことかしら? 知らなかったわ……」

花嫁……選び⁉︎ もしや帝国シルタニア王国カラートとの絆を強めるためにーー?
あらためて考えてみればイグナスは王侯貴族の令息で、他国に嫁ぐことになるとはいえ婚姻相手としては見事に最高条件を揃えている。
ーーっっ知っていたらっ、ノコノコ顔を出しに来るなんてマネ、絶対にしなかったわっ!
けど知ってしまった以上、心はまさに嵐だ。

「……数曲……だけ、雰囲気を楽しんだらすぐに帰るわ」
「まあ、どうして? 見違えるほど綺麗だし。見事なイメチェンだったから、てっきり貴女もって思ったのだけど……」
「たまたま気が向いただけで……偶然よ」
「ならラッキーだわ! こんなに美人なんだもの。貴公子様の目にも留まるかもしれないわよ?」 

そこではじめて、こちらをチラチラ伺う周囲の視線に気づいた。

「ほら、みんなこちらを見てるわ。ぜったいライバル視されてるわよ。ふふ、友達としてちょっと鼻が高いわね。正体を知ったら、きっと驚くでしょうね!」

今夜はその話題で持ちきりだとレティシアが言い終わるか終わらないかのタイミングで、令嬢の輪から優雅なドレス姿が声をかけてきた。

「レティ! ここにいたの。あら、こちらの方はーーて、まぁっ?」

明らかに、偶然を装って探りに来た勇者令嬢二人はレティシアと共に仲良くなった侍女たちだった。まじまじと顔を見てくる。

「も、もしかして……イザベルなのっ⁉︎」
「……どちらの令嬢かと思ったわぁ。魔導服を着てないと、こんなにも印象が違うのね……」

謎の美女が顔見知りイザベルであると認識するやいなや、ほうと感心のため息をついている。
そしてやっぱり、もっぱらの話題は誰がイグナスの心を射止めるかだ。イザベルにとっては地雷ネタである。盛り上がる友人たちに相槌を打つものの、来たばかりなのにもう帰りたくなってきた。それでも、デビュタント以来の夜会だし……と迷っているうちに、また美しい令嬢が一人、輪に入ってきた。

「失礼致します。シルタニア帝国のカリッサ皇女殿下が、こちらの令嬢にぜひお会いしたいと……て、えっ? なっ、イザベルっ⁉」
「ボルガ室長? そんなに改まって、どうしたんです……?」

上司のいつもとまるで違った態度に、目がぱちくり。

「いや、だって。まるっきり別人じゃないの! わからなかったわよ!」
「何をおっしゃいますの……」

ますますもって理解できない。ファリラとは毎日顔を合わせている。
今夜のイザベルは、普段は一括りにしてフードで隠れる髪を下ろしただけ。ゆるいウェーブの髪は髪飾りで片サイドを少しゆったり結わえている。そしてほんのり化粧を施した。

「ともかく、お呼びよ」と先導されてイザベルはキラキラ光るプラチナ髪の皇女の前に引っ張ってこられた。

「ふむ、メローズ嬢だな」

華麗な見た目に反して深みのある声と威厳あるカリッサの態度に、自然と首が垂れた。たとえ略式でも大国の皇女の謁見にその場にサッと緊張が走るが、臆せず慇懃に挨拶を返したイザベルに皇女は目を細める。

カラート魔導王国ここでの滞在は極めて快適だ。一度、顔を見て礼を言いたかった」
「もったいないお言葉、至極光栄にございます」

カリッサ皇女は美しいだけではない。そう思わせる覇気を感じる。
値踏みするような視線で見られているのに不快感が湧かないのもあって、イザベルは皇女に好意を持った。
ぎこちなさを感じてしまうのは、皇女が原因ではない。幸い誰も気づいていないが、その隣に立つ麗しい従者ーー目が笑っていないイグナスが笑顔で何も喋るなと無言の圧をかけてくるのだ。
さらに話の流れで、皇女にイザベルとのダンスを勧められたイグナスはわずかに眉を寄せた。

「……まるで宝石のごとく光り輝く令嬢を、どうして独り占めできましょうか」

無難な賛辞でごまかしているが、控えめに言ってもはっきりとした拒絶である。だが、皇女は取り合わなかった。

「私の頼みが、聞けないのか?」

再度促され、ならばとイグナスはイザベルの前に進み出る。
事情を知らないファリラはイグナスの儀礼感が否めない態度が意外なのか何度も瞬きしている。
だがそれ以上に、イザベルの表情は動かなかった。フロアでイグナスと向かい合っても微笑み一つ漏らさないその顔は、完全に無表情だ。
胸の内を見せないそんなイザベルに、仕方なさそうな声が落ちてくる。

「……もう少し近くに。腕を回さないとリードが出来ないですから」

硬い声に頷いて差し出された手にイザベルは手を預けたものの。言葉とは裏腹に近寄るなと言われた気がして、身体を少し引き離した。

「そうではなく……ああ、もうそのままで」

大きなため息を吐かれ、いかにもしょうがないとばかり申し訳程度に腰に手が添えられる。
ここまできたら逃げ出すこともかなわない。
侮蔑を含んだマリンブルーの瞳を直視できなくて、イザベルはまつ毛を伏せたまま優雅なワルツのステップを踏みだした。
最後に夜会で踊ったのは……いつだったか。
イグナスとのダンスは、記憶に残る最高で最悪のダンスになるだろう。
恋しい人と踊るのは心臓がひっくり返りそうなくらい嬉しいのに、こうまで公然と拒否されると心臓そこにに杭を打たれるようでつらいだけだ。
預けた片手や支えられる腰に逞しい温もりを感じているはずなのに、イザベルのひんやり冷たい指先は凍っているんじゃないかと思うほど感覚がない。
見たこともない豪華なドレスに釣られて夜会に参加したけど、愛してる人に微笑んでもらえないなら意味のないことだった。慣れないマネをしてハシャいだ自分がバカみたいだ。
ーーいえ、いいえ。違うわ。新しいお友達とも過ごせたし、美しいドレスを着れのよ。興味がなくとも夜会を少しは楽しんだ。今夜はこれで十分よ。
内心はボロボロ、でもプライドがそれを見せるなんてマネは許さないから、イザベルは目線を落とし早くもここから去る心算をしはじめた。苦行のような時間はノロノロと過ぎ、音楽が止むと早々に礼儀に則って頭を下げ腰を曲げる。

「帰れ。私以外の男と踊るな」

ーー聞き違い? 聞き取れないほどのささやきに驚いて目を向けた時には、イグナスは解放されたとばかり背を向け歩きだしていた。

「ダンスは、あまりお好きではないのか」

周りにも聞こえる声量で皮肉を言われて、フロアに置き去りにされたイザベルの心は軋んだが表情は動かない。
イグナスは何事もなかったように、着飾った令嬢の群れからたおやかな美人の手を取って堂々とダンスの申し込みをしている。イザベルは内心でうめいた。

「ほう、もしや……と思ったがやはりお前か。次は私と踊れ」

ーー断固、お断り申し上げますわ。
ねちっこさを感じる声に、きびすを返したイザベルの前に礼服を着たマイダスが立っていた。
イグナスの仕打ちに加えてこの運の無さ……心が重い。だが、いたって淡々と対応する。

「これはマイダス卿、ごきげんよう。せっかくのお誘いですが、疲れましたのでご遠慮させていただきますわ……」
「バカな。まだ始まったばかりではないか」

全身を舐めるような視線で見てくるこの男とは、ぜったいに踊りたくない。

「あいにくと先約がありますので……」
「私の誘いを、蔑ろにする気か?」
「いえ、そうではなくーー」

しつこい男の背後から軽快な声がイザベルを呼んだ。

「メローズ嬢、お待たせして大変申し訳ありません」

近衛騎士の礼服を着たロイスだ。イザベルの前に進み出て手を差し出してくれた。

「こんばんわ、ドルムス卿」

さっとその手を取ると、フロアへエスコートしてくれる。

「おい、ちょっと待て!」
「これは失礼しました。ですが、申し込みは僕の方が先でしたので」

割り込みはマナー違反だと匂わせて滑るように踊り出したイザベルたちを、マイダスは苦々しく睨んでふんとその場から去った。

「ドルムス卿、ありがとうございました。助かりましたわ」

窮地を救ってくれたロイスに感謝だ。

「いやなに。わが妹が凄い美人と一緒にいると聞いて、見にきたんだけど、君だったんだね。驚いたよ」
「タイミングよく声をかけていただいて、嬉しかったですわ」

彼が来なかったら魔法を使わざるをえなかった。穏便に済んで助かった。

「レティもあの男とは踊りたくないって言っていたし。君もそんな様子だったから」

安堵をつくイザベルは、先ほどと違ってしっかりした足取りのステップを踏んだ。ロイスに合わせるのは結構骨が折れるけど、あんがい楽しい。

「……お上手ですのね。とっても」
「身体を動かすのはなんでも得意なんだ。それとレティの友達なんだし、ロイスでいいよ。ーービストルジュ卿は、君がダンスを好まないと言っていたけど、もしかしてそうでもない?」
「……苦手ではありませんわ」

夜会には出ないし、踊ったこともあまりないけど。テンポに合わせる複雑なステップに惹かれる。

「なら、もう一曲どう?」
「ありがとうございます。でも、少し喉が渇きましたわ」

同じ男性と踊ると噂が立つかもしれない。ロイスは気にしていないが、あちらこちらから視線を感じる。凛々しい近衛騎士のロイスは、女性たちから注目されているのだろう。礼を述べたイザベルは友人たちの集まりへと戻ってきた。

「すごいわ、イザベル! ロイス兄様のリードでも踊れるなんて」

ーーああ、確かに。あちこちに引っ張って行かれたわ……

レティシアによると、ロイスのダンスは熟練者しかついて行けないらしい。それほど息を乱していないイザベルを、皆不思議そうな目で見ている。……毎日、徒歩で移動するイザベルは細い見かけより体力がある。

「貴公子様はどうだった? あんなに素敵な方と踊っているのに、イザベルったら顔色も変えないんですもの」
「ーーリードがお上手で、安定感があったわ」
「やっぱりぃ、見ててそうじゃないかと思ったの! 今夜は全員と踊ってくださるかしらね?」

華やかなドレスに囲まれた楽しそうなイグナスにちらりと目をやって、それじゃあとイザベルは挨拶をした。

「イザベル、もう帰っちゃうの?」
「ええ、ダンスも踊ったし十分楽しんだわ」

ーーあの令嬢たちの中から、誰が選ばれるのだろう? 頭痛がして吐きそう。
「帰れ」と言い渡されたことを思い出し、よろけそうになる身体を叱咤しながら大広間から退散したイザベルだが。足は階段に向かわず、自然と大理石の台に載った花瓶の前で止まった。
見事な花々をじっと見つめるその手が、スッと伸びて一本の花を掴む。すると大輪の花びらに、ボッと火がついた。
あっという間に花が燃え尽きると、イザベルはまた同じ花を掴んだ。

「何をしてっ……!」

警備の衛兵が血相を変えて向かってくる。だがイザベルは手を止めない。大広間から抜け出してきたカップルに「きゃっ」と叫ばれると、さすがにまずいかなと振り向いた。

「騒ぐほどのことではありませんわ。それより、魔導士のボルガ室長を呼んで下さいな」

あくまで落ち着いた声でイザベルが次の花瓶でも同じ花を燃やしているのを見て、ハッとした衛兵たちの一人がその場からパタパタと立ち去った。残りの衛兵は、冷たい美貌のイザベルが顔色ひとつ変えず火魔法で次々と花を燃やしていく姿に、ごくりと唾を飲み込んでいる。だが咎めようとはしなかった。
……タリスの花が、それもこんなにたくさん紛れてここに飾ってあるなんて。偶然とは思えない。
精神魔法ーー暗示や魅了を助長する魔草は、大輪の華麗な花だ。厳しい検疫チエックをたまたま逃れたのか、はたまた意図的に……? とにかく王家主催の夜会で大ごとになる前に抑え込まなければ。
カラートの王侯貴族は魔道に長けている。だからこの程度レベルには耐性があり、魔法にもかかり難い。だけどそれ以外の人々に限ってはそうでない。この花はもちろん、禁令リストにも載っている。
イザベルは衛兵に案内されてきたドレス姿の上司に、事情を手早く説明した。

「う~ん、どういう意図つもり……かしらね」
貴族私たちより、メイドなどに気をつけた方がいいのかもしれません。耐性もないですし」

言葉の意味を汲み取ったファリラは顔を顰めた。王宮には何千という使用人が勤めている。身元はしっかりしていても、全員の動向を見張るなど無理な話だ。

「とりあえず、処理は施しましたから」

浄化の炎で花はすべて跡形もなく燃やした。これ以上は管轄が違ってくるので上司に判断をまかせる。
夜会で何か異変があるのでは心配したが、変事はなしと報告されてイザベルはほっとした。いとまを告げると今度こそ城門へと向かう。
どこまでも追いかけるように聞こえてくるワルツの調べに、咄嗟にドレスの裾を掴み庭園を突っ切って最短距離の近道を急いだ。
色んなことがいっぺんに起こって頭がパンクしそう。一刻も早くここから去りたい。
ところが。庭園の噴水に近づくと妙な胸騒ぎがする。
咄嗟に足を止めて本能的に身を隠したら、前方で動く影とかすかな男女の声が聞こえてくるではないか。
ーーこんなところまでっ……今夜はほんとついてないわ!
イザベルは天を仰いだ。

「う~ん、実に……だ。そう君は……まるで麗しい女神……だよ。月も恥じて隠れてしまった」
「マイダス様……夢の……ですわ」

若い女性が誰かは知らないが、男の声は間違いない。大袈裟に褒めちぎる猫撫で声に虫唾が走り、イザベルはこの場を迂回しようとアンクレットに魔力を込めた。抱き合っている影から出来るだけ遠ざかりたい。

「ーーところで。約束通り……かい? ワインはうまく……とすり替えられたかな?」
「はい……おっしゃる通りに……しました」

すり替え……とは、何のことだろう? 
耳に届いた妙な会話に疑問が沸いた。そして結局、もっと近づいてしまっていた。

「君は救世主だ。私としたことが銘柄に気を取られて、製造された年を失念したなんてな。これで殿下にもご満足いただける」
「よかったです。マイダス様のお役に立てて」
「……これを、受け取って欲しい。私の気持ちだ」

小さな宝石箱を女性に手渡すと、マイダスは気取った動作で口に指を当てた。

「内緒だからね。後で一人になった時に開けておくれ」
「ぁ、ありがとうございます。また御用があれば、いつでもお言い付け下さい」
「さあ、見つかる前に行って」


ーーダメだわっ、このまま行かせては……
虫の知らせに駆られ名残惜しそうに去る女性をイザベルはとっさに追いかけた。王宮の明かりで照らされる茂みのそばにまで来ると、アンクレットの魔法を解いて年若い女性を呼び止める。

「もし、そこの人。ーー待ってちょうだい」
「ぁっ、あのっ……何か御用ですか」

おそるおそる振り向いた女性は、メイドの格好をしている。

「迷子になってしまったの。大広間はどちらかしら?」
「え、えっとぉーーそれでしたら、こちらの……っひ!」

異様な気配がして振り向こうとしたが、口を布で塞がれた。
ーーしまったわ! 油断してーー……
強力な魔力を感じとる。と同時に、イザベルは気を失った。

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