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拾った男

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階下からのどさっという音と、「イタタタ・・・」という聞きなれない声で咲夜の意識は急速に覚醒した。
どうやら、昨日の晩拾ってきた男が、目覚めたらしい。時計で時間を確かめると8時だった。
十分睡眠も取れたし、そろそろ起きよう、と男の動きを探っていた感覚を一旦閉じて咲夜も起床する事にした。
素早くセーターの上に合わせたスカートとタイツに着替え、スリッパを履いて階下に降りていくと、若い男がここはどこだろうという顔をして廊下に所在なく立っていた。
「おはよう。」
咲夜は挨拶をして台所に入っていく。男は驚いた様子で、
「おはよう。」
と挨拶を返し、咲夜に続いて台所に入ってきた。
「朝ごはんはパン、それともご飯?」
「あ、パンでお願いします。」
男は返事をしてから遠慮がちに聞いてきた。
「あのー、僕は一体何処にいるのでしょうか?」
「夕べのこと何も覚えてないの?」
咲夜が問うと二日酔いの頭を抱えるように頭を押さえて考え、考え喋り出す。
「えーと、昨日は確かサークルの飲み会で、確か2軒目で明日バイトがあるからって抜けてきて、近道の公園を・・・・ああっ!化け物!!そうだ!なんか声を掛けられたらいきなり!そいつの目が赤く光って牙が見えて血吸われて・・」
興奮して喋り出したが、途中で、自分の言ってることが自分でおかしいと気づいたらしくだんだんと声が萎んで言った。
そして、はあ~と溜息をついて頭を抱えて座り込み、「ちょっと飲みすぎたのかな~」といじけ出した、と思ったらガバッと起き上がり、「ところでここは何処?」と聞いてきた。
「X X町よ。」
咲夜が答えるとわからないらしく、顔が?マークになり、O X駅の近く、と言うとやっと理解したと言う顔で、
「ああ、飲み屋のあった駅か、って僕どうしてこの家に?まさか僕たち!」
男は顔を赤くして咲夜を見てくる。
咲夜は思いっきりジト目で答えた。
「違います、君がうちの前で酔っ払って、門を塞いでたので仕方なく家に入れたのよ。」
「すっ、すみませんでした。」
頭を下げて謝ってくる。咲夜もまあ仕方ない、と言う顔をして言った。
「とりあえずは顔でも洗ってこれば? パンはトーストでいいのよね。」
男は申し訳なさそうに、しかし、しっかりと注文してきた。
「あっ、できれば2枚お願いします。」
咲夜が呆れながらも頷くとトースターに向かいながら、男に告げる。
「洗面所は廊下の奥の右手。タオルは適当に横に置いてあるのを使って。」
すると、男はそそくさと顔を洗いに行った。
(このぶんじゃ説得は必要ないかな?)
咲夜がそんなことを思いながら、お皿とコーヒーを用意していると、洗面所から大きな叫び声が聞こえた。
「ああっ!!」
咲夜が何事?と様子を見に行くと、男は首を指差して、「これ!これって!・・」
(あー、そっか噛み跡しっかり残ってたものねぇ)
首を抑えて真っ青になってる男に、言ってみた。
「取り敢えずパニックになるのは、朝ごはん食べてからにすれば。」

いまだにショックを隠しきれない顔をしている男を、テーブルにつかせトーストとコーヒーを前に置く。
すると、男は若いだけあって頭はパニックを起こしていても食欲はあるらしく、大きく目を見開いたままトーストを食べ始めた。
咲夜もさっさと食べ始めると、しばらくして食べ終わった男は、お腹に食べ物が入って少し落ち着いたらしく、傷跡を触りながら痛むのか顔をしかめながら話し始めた。
「あのーこれってやっぱり、やっぱりあれですよね。」
「あれって?」
「犬に噛まれた・・・」
「君はそう思うの?」
はあ~と溜息をついて頭を抱え、
「信じてもらえないと思いますが、化け物に噛まれたんですよ。公園を横切ってたら、駅はどっちだって男に声を掛けられて、そうだ!嫌にイケメンだったからはっきり覚えてる。いきなり腕を掴まれたかと思うと信じられない力で木陰に連れ込まれて、ヨダレを垂らしながら首を噛まれて、なんか、だんだん気が遠くなってきて・・・考えたくないけど血を吸われていたような・・血の匂いが今でもハッキリと・・・」
と言うと今度は鼻をしかめる。
「僕は一体どうしたんだろ、嫌に細部まではっきり蘇ってくる。その男の変な匂いまで。」
不思議そうな顔をしながら、今度は咲夜を見て、聞いてきた。
「何か香水でもつけてるんですか、花の香りが匂ってくるんですが。」
この言葉に、咲夜の中で警音が鳴り響く。
腰を椅子から浮かせて両手をゆっくり机につけ、いつでも動けるようにしてから聞いてみた。
「香水はつけてないけど、どうして?」
「何か急に、昨日のことが思い出されていい匂いがしてきたんですよ。」
男はのんびり答える。
(これは、血を吸われすぎて毒が回って吸血鬼化しかけてる?)
でも、力を意識して集中してみても、彼は人間に見える。
(一時的な物? でも、血を吸われすぎたら死んでいるはずだし、理性を失った奴らが食事を途中で止める、なんて聞いたことないわ。何か途中で、中断しざるおえない邪魔が入った?)
だが、彼らに食事以上に大事なことがあるだろうか、ましてやどうやら襲ってきた吸血鬼は理性を失いかけていたらしい。命の危機か目の前の男より上等な餌が通りかかる以外に、魔物が食事を中断する理由がない。
そこまで考えて、ふと、咲夜は思った。
(もしかして、私の香りを嗅ぎつけた?)
昨日の夜は確かに、なぜか首飾りで香りを抑えきれなかった。匂いを嗅ぎつかれても不思議ではない。ということは咲夜が神社で始末した吸血鬼がこの男のマスターだったのかも知れない。
主人がいない以上、吸血鬼化はしても、主人の狂気に同調することはないだろう。
だが、咲夜の匂いに気付いたという事はこの男は本来の人間の理性を保ったまま吸血鬼化する可能性があるという事になる。
黙ったまま何かを考え込んでいる咲夜を、男は自分の話が突拍子がなくて引かれた、と思ったらしくそわそわしながら言ってくる。
「あの、自分でも信じられないんで、信じてくれなくてもいいですけど、僕は決して怪しいものでも、中二病でもなくてですね・・・」
「ちょっと黙ってて。」
「はぃ・・・」
吸血鬼化する可能性がある以上、黙っておくのも、放置するのも無理だと思える。
人間のまま吸血鬼化するなんて聞いた事ないし、前例もたくさんあるとは思えない。
理性のある吸血鬼はちゃんと加減して人間が気づかない程度で吸血を止めるし、理性が無くなりかけか無い場合、途中で吸血をやめるわけないからだ。
咲夜のように生まれつき吸血鬼の血を引く者なら、常に高い身体能力などいろいろ力を持っているはずだし、明らかにそんな気配は感じられない。
(そうよ、昨日の男性だんせいは明らかに力を持っていた。それも凄いパワーを感じたわ。)
昨日神社で出会った男性は、膨大なパワーを秘めていることが感じられた。
男性の事を考えると、咲夜の身体は何故か火照ってくるような、懐かしいような感傷的な気分になる。
思考が脱線し始めたのに気付き、意識して彼のことは考えず、目の前の問題児に目を向ける。
そしてため息をついて決心し、話しかけた。
「君の話を嘘だとも作り話だとも思ってないわよ。なぜなら君を襲ったものの正体を知ってるもの。それは吸血鬼という魔物の一種よ。」
「し、信じてくれるんですか!えっ吸血鬼ってバンパイア?あの有名な化け物の代表みたいなバンパイア?」
「そうそう、そのバンパイア。ドラキュラとも言われてるけど、まあ一般的にはバンパイアと呼ぶわよね。」
「そうだったんだ、僕ってばそんな有名人?に会ったんだ。ってあれ確かバンパイアに噛まれたら、バンパイアになるんじゃ・・・」
さっきまで興奮して真っ赤になったと思ったら今度は真っ青になって震えている。
「普通は記憶を奪って酔っ払い程度の後遺症しか残らないはずよ。」
男はあきらかにほっとして、
「そうですよね、なんかさっきちょと体に力が漲るって感じがしたんですけど、気のせいだったんですね。」
「ほっとしてるところ悪いけど、多分君は吸血鬼になりかけよ。」
「え~!!!」
「といっても多分君はまだ人間だから、吸血鬼化する、と言うことは、吸血衝動も無いし、身体能力が向上する程度の後遺症の筈。まあもしかしたら、夜に活動的になったりするかもしれないけど。わたしもよくわからないわ。」
と説明すると、男は咲夜をマジマジと見て、
「あの、あなたは一体誰ですか?拾ってもらってお世話になった身で、こんなこと聞くの、失礼かもしれませんけど、なんか僕の話あっさり信じちゃうし、やたらと詳しそうだし。まさかあなたがその、噂のバンパイア・・・」
「ではないわよ。血を引いてはいるけどね。私は桐ヶ谷咲夜、君の名前は何?」
「あ、僕、保科太一郎と言います。」
「ほしな、か、ほしなくんは、ちょっと言いづらいわね。よし、じゃあ君の名は今日から太郎。」
「えっ、何故に?」
「単に呼びやすいから、イチローだとどっかのスポーツ選手みたいだし。それより太郎、君、今日バイトだとかいってなかった。」
「はい、コンビニのバイトが昼から、って今何時ですか?」
「まだ9時にもなってないわよ、それより君は何処に住んでるの。携帯持ってる?」
「ああ、僕の住所はA町のサニーハイツ102号室、携帯はXXーXXXXって、なんでこんなこと僕はベラベラ喋ってるんだ?何処にいった僕の警戒心!」
咲夜の質問に自分の意思と関係なく口が開くので、訳が分からず不思議そうにしている。
(あ~、まさか?)
「ねえ、ちょっと君、太郎、一回ぐるっと回ってワンといってみて。」
「何をいってるんですが、そんな事しませんよ。ワン って何だコレ!どうなってんだ!」
無意識に体が動いていることに気づいて、パニック寸前だ。
「あ~君には申し訳ないけど、どうやら’名付け’してしまったみたい。」
「はっ?」
「おかしいわねえ、普通私より力の弱い魔物にだけ有効だと思ってたんだけど。君は吸血鬼化するから魔物と分類されたのかしら?」
「一体何の話ですか?」
「ほら、さっき冗談で君を太郎と呼んだじゃない。その時、多分君の体質が魔物に近いせいで、私が君を支配するための命名を実行した事になってるみたい。つまり、君は私の使い、というか僕(しもべ)、というか下僕?扱いされてるみたいね。」
「なんでだんだん、フォローできない言い方にわざわざ言い直すんですか。冗談で名前つけられて、下僕になった僕はどうすればいいんでしょうか・・・・」
「どうもしないわよ、大丈夫。そんな無茶な命令はしないにようにするから。ところで君、ちょっと一週間程、この家に泊まりなさい。」
「はい、分かりました。て、ええっなんで僕がここに泊まらなきゃならないんですか。はっ、まさか僕に一目惚れとか・・・」
「あるわけないでしょ、君どう見ても私よりずっと年下じゃない・・・」
「何を言うんです。愛があれば年の差なんてっ、てて、いたいっ痛いっ、あーごめんなさい冗談です。無言で命令するの止めてくださいぃ。」
いきなり自分で自分の手を思いっきりつねり出したのを見て涙目で謝ってくる。
「君いったい幾つなの?」
「はい、二十歳であります。」
とりあえず成人はしてるのなら、彼の行動の結果は自己責任だろう。しかしこの童顔で二十歳、どう見ても高校生ぐらいにしか見えないが。
「じゃあハタチの太郎君。君、自分が吸血鬼化してるってわかってる?もしこのままの状態なら問題ないように見えるけど、もし吸血鬼化して何か問題起こったら、自分でフォロー出来るの?夜中突然、隣のお姉さん襲っちゃったらどう言い訳する気? だからここに一週間止まって問題ないか私が見極めるわ。問題ないなら普通に自分の家に戻ればいいのよ。」
「あの~問題があった場合は・・・」
「まあ、事情を知ってる私なら何とかなるでしょう。ならなければ、残念だけど始末させてもらうわ。」
「し、始末って?」
咲夜が首を切る仕草をすると、半泣きで泣き付いてきた。
「そ、そんなぁ。」
「冗談よ、私と使役契約交わした以上、狂気に乗っ取られることは無いわ。ただ私も、普通の人間が吸血鬼化って何が起こるかわからないのよね。というわけで君、1週間見張りつきお泊り決定。はいこれ、この家のスペアキーね。私は昼から仕事で、夜は帰り11時ぐらいになるから勝手に入って、ご飯作るなりテレビ見るなりして適当にしててね。この家は私しか住んでないし、客間を使ってもいいわよ。ところで君はフリーター?」
「学生ですよ。Y国立大学生です。」
「あら、大学にも近いし、ちょうどいいじゃない。」
「バイトに、とてつもなく遠くなるんですが。」
「頑張れ若者。」
「そういう桐ヶ谷さんはおいくつなんですか?」
「女性に年齢聞くんじゃないわよ。花の23歳よ。OX駅前ホテルに勤務しているわ。さあご飯も食べ終わったし、さっさと帰って用意したら?バイトとかお泊まりの荷物とか。」
「あっ、そうだった、バイト遅刻したら首になる。それではお世話になりました。また後で。」
と言ってドタドタと靴を履いて出て言ったかと思うと、1分もしないうちに戻ってきた。
「あの~、ここから駅へはどう行けばいいんでしょうか?」
ハア~とため息をつきながら、咲夜はどこか抜けている新しいしもべ君に道順を教えてやった。 

「女性のダンピール? 誠ですか? もし生存しているのなら、大至急保護に乗り出さねば。」
港が一望できるホテルの会議室で、光陽は日本支部代表たちと会議をしている。
この港のヨットハーバーの脇に立つ、一流ホテル、’ロイヤル・ロサ・フローラホテル’は、薔薇の連盟が展開する事業の一つだ。
光陽は本部からホテルの支配人として、経営と日本支部の応援を今年任されて就任して来た。
連盟に加盟している一族の多くがこのホテルと、連盟が展開するするコンビニチェーンに従事している。
連盟に加盟している者の中には、夜活動的になるものもいて、24時間営業のホテルやコンビニは都合がいい就職先だった。
日本側の長老代表は信じられない、という顔をしながらも、光陽の言う事ならもしかして、と期待感に溢れている。
「ああ、私も信じられないが、多分間違いない。日本側で最後に女性が確認されたのはいつですか?」
「確か40年ぐらい前に最後の一人が確認されましたがその後の消息が途絶えてしまって、彼女の足取りを補足出来なかったので、てっきり絶滅したと思っとりました。歳若い女性ということは、その女性本人かその子供という可能性がありますな。」
「何故、その人は保護出来なかったんです?」
長老は気まずそうに、告げた。
「その、見つかった時に当時、誰が娶るかで、揉めましてな。女性は大層美しく、強いダンピールだった事もあって後継者争いになりかけたのですよ。かくいう私も実は花婿候補だったんですが。」
彼は顔を赤くして続けた、
「その女性はそういう争いを好みませんでしてな。自分の婿は自分で探す、勢力争いの道具にされるのは真っ平だと言って、姿をくらましたのですよ。」
他の代表メンバーもちょっとそわそわしている。中身は年寄りでも、見かけは30代ぐらいなのだから、なんだかちょっと不思議な光景だ。
ダンピールはある一定の年齢に達すると成長が止まってしまう。寿命も人間より長く、力があればあるほど長生きする。人生の終期30年ごろに入るとだんだん歳を重ねていき最後は普通の人として一生を終える。
まあ半永久的に生きる魔物の血が混ざっているのだから長生きするのは当たり前とも言える。
「連盟を嫌って逃げたのだとすれば、今回も同じように追いかければ、逃げられてしまうかも知れません。」
そうだ、彼女も光陽の姿を見て、驚いて逃げてしまった。若い女性に騒がれることはあっても、今まで顔をみるなり逃げられたことのなかった光陽は、ちょっとショックを受けていた。
「しかしだからといって、放っておけば、いずれ魔物に襲われてしまう。何とか見つけ出して説得できないものでしょうか。」
比較的若いダンピールが発言する。そうなのだ、女性の吸血鬼、及びダンピールは適齢期になると番(つがい)を見つけるため所謂フェロモンのような芳香を分泌して魔物を惹きつける。
問題はこの芳香が吸血鬼はもちろん、それ以外の魔物にも効果があり、美味しい餌のようになってしまうのだ。
吸血鬼ならば魔物でも最高ランクの強さを誇る為、下手な魔物は寄ってこないが、ダンピールとなると吸血鬼ほどの力はない。
その為、自分の身を守りきれず生存するのが難しくなる。
その上、吸血鬼は理性を失うと、自分達ダンピールを彼らの私生児であるにも関わらず、襲ってくることもある。
だからダンピール達は自分達の身を守る為、人間を襲う吸血鬼を排除する為、武器を開発し、各国で連携を組んで連盟を結成した。
今ではそれに、この世界の秩序を守ろうと、協力的な魔物も連盟に参加してくれていて、連盟は害ある魔物を全て排除する機関を担っている。
純血種や長い間生きた力の強い吸血鬼などの魔物は仲間を増やすことが出来る為、彼らが理性を失うと大きな事件に発展する。そんな事態から世界の秩序を守る為、ダンピールはハンターとしても密かに活動している。
「そういえば、欧州の女性ダンピールは個体によって力が違い、能力も差があったと聞いていますが、ここ日本もそういう認識で合っていますか?」
「そうですなあ、私も、かの女性に会ったきりで比べる対象がないのですが多分同じだと思われます。彼女は力の具現も素晴らしく、身体能力に関しては我々より上だった。特に敏捷性に優れていたので防御面でも優れていました。」
「私が見た女性は結界を張っていたのですが、これは普通ですか?」
これには皆驚き、一同意外そうだ。
「結界ですか?確かに力のあるダンピールは修行をすれば実行できますか、結界を維持をするのが大変だと聞いています。それよりも盾を具現させて防御した方が効率がいいですし。」
確かに欧州でも結界を張れるものは神職についているものが多く、誰でも操れるわけではない。ということは結界は彼女のユニークスキルなのだろうか。
ますます彼女に興味をそそられる。もしかして、彼女も自分と同じような存在かもしれない。
「わかりました。彼女の捜索に関しては私に心当たりがありますので任せて頂けますか。もし出来たら保護を説得して見ます。その代わり二度同じ轍を踏まぬよう、彼女の意思を尊重する、ということでよろしいですか?」
光陽の要請に彼らも同胞の保護には積極的で、無理強いはしないと言うことで話はついた。
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