【完結】復讐に燃える帝国の悪役令嬢とそれに育てられた3人の王子と姫におまけ姫たちの恋愛物語<キャラ文芸筆休め自分用>

書くこと大好きな水銀党員

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悪役女王の一歩

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 冒険者の酒場に出された依頼と暗号文を見た帝国の冒険者は北門目の前に集まり出す。王国の衛兵はそれを不思議に思って観察をしていたが……それが次第に大きくなり。戦列を組み。門から現れる紅の鎧を身を包んだミェースチに驚く。


 戦乙女が返り血によって真っ赤に染まったような深紅の鎧を着込んだミェースチがその千の冒険者の前に現れる。同じように名だたる騎士が冒険者に混じり点呼を行う。


 ミェースチは前々から用意していた王国にある予備の鎧を名だたる騎士に与え、ミェースチ自身もそれを着込む。


 蒼天の空の下で、隠していた帝国旗を掲げ。レイチェル姫を先頭にし、有名な名前を描いた旗も掲げさせる。


 旗係が準備が終わった時。ミェースチは号令を出す。その声はよく響き。王国の城壁で見ていた衛兵にも届く。


「今日はいい日だ!! 諸君の訓練により!! 元婚約者に会いに来れるのだからな!! ついてこい!!」


 レイチェル姫の隣にミェースチが王国で買った馬に乗りながら彼女に手を伸ばす。


「乗りなさい。あなたが鍵よ」


「はい。本当に恐ろしい人です」


「そうかしら。普通よ」


 ミェースチがレイチェルと二人で馬を乗り門を無理矢理潜る。衛兵たちは……ただ茫然と立ち尽くし王国は大混乱に陥る。知らぬ間に騎士団が目の前にいるのだと。


 レイチェル姫が何故、悪名高き人と一緒にいるのだと思われる。ミェースチはゆっくりと城を目指しながら名を広めていく。二つなを持つ騎士も旗は分かりやすいように名前が書かれていた。血濡れの【悪役令嬢】ミェースチ。その【皇后の半身】ボロス。大陸最強の【蒼い魔導騎士】ラファエル。帝国民の大英雄【我らの】ウリエル。いまだ戦場で【不敗】バルカス。【大陸最強騎兵】ネクター。【四方騎士の栄光】ガヴゥ。とかかれた旗に彼らが付き添う。


 王国民も貴族も騎士も皆が……恐怖する。目の前にいる集団は帝国の本気が伺えたからだ。その中でミェースチは大いに笑い。話をする。


「諸君!! 私は帰ってきた!! 伝えるがいい!! レイチェル姫を返しに来たとな!! そして!! 戦くがいい!! 外でお前らは囲まれていることをな!!」


 ミェースチは嘘を吐く。嘘を吐いたが……亡国の騎士や二つ名をもつ者を見たことがある物たちが本物と認め。嘘を見抜く事が困難になった。


 そう……ミェースチは王国の怠慢で帝国の兵を用意していると思わせる事に成功する。あの雪を越えられるのかと思うがミェースチの今までの戦果で出来ないと完全に否定がされなくなる。その光景を帝国の騎士はいつバレるかと冷や冷やする。


「ウリエル。君は……ここでも人気だな。女性が手を振っている」


「ボロス。僕は格好いいらしいですからね」


「ウリエル。いつから……そんな自信に満ちてるのよ」


「母上とからですね」


「……」


 後ろをついていくウリエルは優しい笑顔を女性に向ける。彼の肖像画は多く出回っているため認知度が高い。ラファエルも同じように笑顔を見せる。


 そのまま一団は誰にも止められず道を譲られて王国の城の下まで歩を進め。ミェースチがレイチェル姫を下ろす。レイチェル姫が真面目な姿で衛兵に命令をする。


「帰ってきました。門を開けてください」


「し、しかし……彼女は……」


「開けろ。名を聞こうかしらね……騎士としてさようならですか?」


 騎士は慌てて門が開けられレイチェル姫はミェースチに笑顔を向ける。ミェースチの物真似をした事が分かり。ミェースチは馬を降り、レイチェル姫の頭を撫でる。


「うい奴め」


「お義母さんどうぞ中へ」


「うむ。護衛の任務を解く。王子と姫だけ来るがいい」


 ミェースチはそういい。ウリエル以下の家族だけを呼ぶ。他は……そのままその場で解散となり。自由に散らばった。お仕事終了である。ボロスのみ……私もといい。ウリエルについていこうとするが……


「ボロスは残って何かあったら動けるようにまとめ役とする。ガヴゥにも伝えよ」


「……はい」


 お留守番をミェースチに言い渡される。そして……レイチェル姫は笑顔でこちらへとシャルティエの後宮へと案内するのだった。








 王国の王は騎士の報告に驚き。慌てて命令を出す。


「偵察を出せ!! 何処に兵を潜んでいるかを探せ!! 騎士たちを起こせ!!」


「か、確認!! 【皇后の半身】ボロス。【蒼い魔導騎士】ラファエル。【我らの】ウリエル。【不敗】バルカス。【大陸最強騎兵】ネクター。【生まれを違えた皇帝】ロイド。【四方騎士の栄光】ガヴゥ。全員居ます!! 酒場やいろんな所で豪遊していると……」


「叩き出せ!!」


「ダメです!! 王国民を……人質にとられています。それに……こんな名将ばかり……」


「くっ!? 目の前に敵が居るのだ!! なぜ手が出せん!!」


「王よ落ち着いてください。後宮にミェースチとレイチェル姫が……向かっております」


「何故通した!?」


「それが……シャルティエ女王が手引きしております。娘に合わせてと……」


「くっ!? ミェースチ!! 娘を人質に会うつもりか!! なんとしてても阻止せよ!!」


「はい」


 騎士が会議室を去り。王は深く椅子に座る。会議室に重々しい空気が漂う。


「春先に攻めいる筈が……首都まで来られているとは。大きく迂回したのか……それとも」


「わからん……わからんが……」


「あのミェースチなら……」


 皆が悪役令嬢の名前と笑い声を思い浮かべる。そして、ミカエルの言葉がよぎるのだ。


 あのミェースチが本気になっていると言うだけで……貴族は唾を飲んだ。元々、連合国は帝国の隆盛を防ぐためとミェースチに恐怖によりまとまったのだが。それが喉元にいるとなると話が違う。


「この国もあの……超国のように……」


「やめろ!! そんな事はさせない」


 ミェースチが過去。一度大きく怒り。帝国民も怒り。強国と言われた国を消した事件があった。無敵騎士団と言われる騎士団を撃ち破った事件だ。その結果……その国は悲惨な事になる。


「3面作戦が……こうも。いや……冬でも行軍が出来る屈強な兵士か……」


 騎士団長が舌を噛む。帝国一兵一兵の強さを認識する。


「王……ミェースチ女王に会ってみるのはどうだ? 交渉をしよう。不干渉を結び。破ってもいいだろう」


「……わかった。会い。腹を探るとしよう」


 王は過去、何度も何度も相対した悪役令嬢と会うことを決める。ここで威光を示さなければ次がない事を考えたためだ。


「本当に厄介な者になった……」


 過去、あの日に殺しておけばと王は思うのだった。















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