【完結】復讐に燃える帝国の悪役令嬢とそれに育てられた3人の王子と姫におまけ姫たちの恋愛物語<キャラ文芸筆休め自分用>

書くこと大好きな水銀党員

文字の大きさ
上 下
40 / 54

おまけ姫様健闘~そして……崔は投げられる

しおりを挟む

 ラファエルたちはミェースチに会わずにのんびり冬を楽しんでいる中でとうとう、鉄の独楽による大会は開催された。大人子供含め全国から集まり頂点を決めるその大きな催しは週間を跨ぎ、選考がされ……決闘場参加者が決まる。


 何千人もの参加者達が童心を思い出しながら笑顔で大真面目になる。


 一攫千金や騎士団の予算アップを目指す野心家達の熱き戦いは何日も行われる。そんな中で……多くの者が悪ふざけをする。


 四方騎士団長は……


「南騎士団長がやられたか………」


「ふん、あやつは四方騎士最弱………」


「そうだな。そろそろワシらも腰をあげよう」


「………くっ……」


 等を4人で仲良く演じ。


「お前とここで会うとはな……皇帝」


「辺境伯爵……これもまた定め。ワシが上へ行く」


「ふん。確かにお前が上だ。王だ……だがな!! こればっかりはお前よりも上へ行く!! 長年の決着決めようぞ!!」


「ふん!! 喰らうてやる!! その蛮勇!!」


 皇帝陛下とそのご友人の人の掛け合い等で盛り上がる。


 中には絶望し、ひれ伏す者もいる中で勝者だけが上へとあがる。


 そして……驚く事が起きる。最初はラファエルは代理でレイチェルを出場させて腕を組みえらそげに言う。


「レイチェル……奴は私を負かし。そして……私は彼女の体をうまく使うシュート力に目を見張った。抱いているからわかる。しなやかさに剛があった」


 えらそげに自分の用意した刺客を送り込む悪役を演じ、好敵手を恐怖や期待を持たせて楽しんでいたのだが。 


「レイチェル!! 吹き飛ばしによる勝利!!」


 予想よりも勝利を重ねていく。その度にラファエルはどんどん余裕が無くなって行った。楽しそうにするレイチェルの頭を撫でながら。心では思いの外……健闘し、生き残ることに驚きを隠せなかった。


「ラファエル様!! 勝ちました!!」


「おめでとう……次も頑張ろう」


 ラファエルは冷や汗をかき。レイチェル姫が皆に知れ渡るのはそう時間はかからなかった。








 64人まで減ったとき。敗者復活も含めた人数64人は決闘場まで導かれる。決闘場は観客がひしめき合い。非常に強力な魔法によって戦っているスタジアムが手元で見れるようになっている。


 その64人まで参加者が絞られる中には有名な騎士達がいた。とにかく有名過ぎるため……当然と皆が思う中で……一人異質な名前がデカデカと出る。


 レイチェル・グローライト


 64人の中にいるその名前が王国の姫様と言う事が皆が分かり。初戦……多くのブーイングが起きた。だが……レイチェルは堂々とし、ラファエルの登場によりブーイングはなくなり。


 レイチェルが勝利で叫んだとき。会場は多いに盛り上がった。相手が有名な騎士だったこともあり。予想を反する結果に……いつしかレイチェルはその場のヒーローとなる。それからも、くじ運の悪さで優勝候補と言われる人と辺り続け。


 決勝戦までレイチェルは登り詰めてしまう。ラファエルは胃薬を服用し、諦めの境地で彼女を決勝戦に送り込んだ。


 そして……決勝戦。相手は……薔薇騎士のボロス。


 レイチェルもボロスも知り合いで……あり。戦う前の罵り合いも面白いものだった。


 ダークホースのレイチェルが挑む絶対の強者ボロスに球場は盛り上がる。


 ボロスを応援する声よりもレイチェル姫を応援する声が大きく。いかに……そのくじでの戦いが壮絶だったかを思い知らされた。


「私、ビックリ。軟弱な姫がここに最強の敵として来るなんて。ラファエル……あなたの目は素晴らしい」


「……でしょう?」


「私もこんな所まで登れると思いませんでした。ですが……ここまで来たんです。この聖剣で勝ちます」


「ウリエルと同じ物を使うのね」


「はい。覚悟してください」


 二人は構え……審判の手が降り下ろされる。勝負は一瞬だった。








「優勝は……レイチェル・グローライト!!」


 解説者が叫び、審判が叫んだ瞬間。レイチェルは飛び上がり。ラファエルに抱き付いた。ラファエルも今までの事は全て吹き飛び。彼女を抱えて振り回す。ボロスは悔し泣きをし……ウリエルに慰められ。決勝場の大歓声に見送られる中で表彰台に案内される。表彰台に向かうまで、皇帝や多くの名だたる帝国の貴族、騎士から握手を求められ……レイチェルは満面の笑みで手袋をはずして答えた。


 同じようにラファエルにはそのレイチェルの独楽の力強い一投の才能を見抜いた事を称賛された。上司からはよくやったと誉められる。


 そんな中でレイチェルは表彰台に登った。寒さに負けない熱い声援が贈られ。皇帝直々に金のメダルを首にかけていただける。


「おめでとう……いい戦いぶりだった。ロマンが溢れ……いや。それは関係ない。本当に素晴らしい戦いぶりだった」


「あ、ありがとうございます」


「気負うことはない。王国の姫だろうと勝てば勝者だ。一言言うがいい。表彰台に上がってから文句を言えと」


「は、はい」


「ほんま……攻撃的な方法でここまでこれるには運もあっただろう。よく諦めずに来たよ」


「皇帝陛下……そろそろ……下がってください。皆が待っています」


「司会か……すまない……熱くなってね」


 皇帝がレイチェルの手を握り直し、そのまま下がる。そして……司会が話を伺う。


「今日、全ての勝者となったレイチェル・グローライト様に話を伺います。今の気持ちどうでしょうか!!」


「とにかく嬉しい以上に……名残惜しいです。一戦一戦がとにかく熱く。相手も強者ばかり。特に最終戦は時間の感覚がばなくなる程でした」


「はい!! では、最終戦如何でしたか?」


「強く運の先でした。しかし!! 私は掴みました!! ありがとうございますラファエル様!!」


「そうですね。レイチェル姫はラファエル様の傭兵との事でしたが……ラファエル様にお伺いしましょう」


「あっ……はい。ここまで勝ち登ると思いませんでしたが。出来レース等と言われていた昨今。今回、敵国の姫がここまでするとは予想外です。相手も本気で潰しにかかっているのを力と構成、運……全てで場外吹き飛ばしで驚きました。あんな戦い方が出来るのですから天性でした」


「ラファエル様。ありがとうございます。では……最後に一言。レイチェル姫お願いします」


 レイチェル姫が少し悩んだあと。ラファエルの腕を掴む。そして……笑みで答えた。


「みんなに怒られるかもしれません。私、レイチェルはラファエル様と先週婚約いたしました。だから来年……そこで見ているあなたと戦うかもしれませんよ」


「……おおおおおおと!?」


 会場が大きくざわつき。大きく盛り上がる。ラファエルは強張った表情でレイチェルを見たとき。レイチェルは可愛く舌とウィンクをしゴメンねと伝え。ラファエルは……あっ可愛い小悪魔と思うのだった。








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました

かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中! そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……? 可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです! そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!? イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!! 毎日17時と19時に更新します。 全12話完結+番外編 「小説家になろう」でも掲載しています。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

気だるげの公爵令息が変わった理由。

三月べに
恋愛
 乙女ゲーの悪役令嬢に転生したリーンティア。王子の婚約者にはまだなっていない。避けたいけれど、貴族の義務だから縁談は避けきれないと、一応見合いのお茶会に参加し続けた。乙女ゲーのシナリオでは、その見合いお茶会の中で、王子に恋をしたから父に強くお願いして、王家も承諾して成立した婚約だったはず。  王子以外に婚約者を選ぶかどうかはさておき、他の見合い相手を見極めておこう。相性次第でしょ。  そう思っていた私の本日の見合い相手は、気だるげの公爵令息。面倒くさがり屋の無気力なキャラクターは、子どもの頃からもう気だるげだったのか。 「生きる楽しみを教えてくれ」  ドンと言い放つ少年に、何があったかと尋ねたくなった。別に暗い過去なかったよね、このキャラ。 「あなたのことは知らないので、私が楽しいと思った日々のことを挙げてみますね」  つらつらと楽しみを挙げたら、ぐったりした様子の公爵令息は、目を輝かせた。  そんな彼と、婚約が確定。彼も、変わった。私の隣に立てば、生き生きした笑みを浮かべる。  学園に入って、乙女ゲーのヒロインが立ちはだかった。 「アンタも転生者でしょ! ゲームシナリオを崩壊させてサイテー!! アンタが王子の婚約者じゃないから、フラグも立たないじゃない!!」  知っちゃこっちゃない。スルーしたが、腕を掴まれた。 「無視してんじゃないわよ!」 「頭をおかしくしたように喚く知らない人を見て見ぬふりしたいのは当然では」 「なんですって!? 推しだか何だか知らないけど! なんで無気力公爵令息があんなに変わっちゃったのよ!! どうでもいいから婚約破棄して、王子の婚約者になりなさい!! 軌道修正して!!」  そんなことで今更軌道修正するわけがなかろう……頭おかしい人だな、怖い。 「婚約破棄? ふざけるな。王子の婚約者になれって言うのも不敬罪だ」  ふわっと抱き上げてくれたのは、婚約者の公爵令息イサークだった。 (なろうにも、掲載)

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい

三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。 そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...