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ウルルン令嬢……見つかる。
しおりを挟む予想だにせず。3人だけの家族会議になった。舞踏会場から少し離れた場所に宿屋があり。ラファエルがよく利用しているため、1室借りると言い簡単に鍵を貰う。ミカエルの肩とガブリエルの肩を掴んだまま。部屋に行き、店主は頑張るなと声をかける。ラファエルはそれに笑みで答える。
ガブリエルも姿を変えているため。ラファエルが二人も持ち帰って来たのだと思われたのだ。
「よし……喋っていいぞ。さぁ……吐け」
ラファエルは満面の笑みで部屋で解放した二人に問う。
「ぐっ……」
「ラファエルお兄様。知らない方がいいこともあります」
「ガブ姉さんの言う通りだよ!!」
「つべこべ言わずに吐け。兄弟に拷問するのは好きじゃない。ウリエルにも言うぞ? 黙っていたことをな!!」
((だから!! 相手がウリエル兄さんなんだよ!!))
ガブリエルとミカエルは窮地にたたされていること知る。
「全く。口が固い……アイスキューブ」
「「あっ」」
両手が氷で縛られる。椅子に座っていた二人は手を椅子に固定された。ガブリエルはその強固な魔法に驚き。ミカエルは対抗魔法で溶かそうともがく。
「今日は調子がいい。数分は耐えられる」
「やめて!! ラファエルお兄様!! 何するつもり!!」
「ラファエル兄さん!!」
「決まってる」
ラファエルが服を脱ぎ出す。そして、それに二人は青ざめた。ガブリエルは危機を感じとり叫ぶ。
「やめて!! はじめては……はじめては!! ミカエルに……」
「ラファエル兄さん!! 兄妹でしょう!! そんな!!」
「俺は本気だ。ミカエル……行くぞ」
「「えっ?」」
ラファエルがミカエルの椅子に近付く。動かないのをいいことに顎を触り。足を触る。ミカエルは焦り出し冷や汗をかいた。ガブリエルを襲うと思っていたからだ。ガブリエルも自分が襲われると思っていたため変な声が出る。
「ミカエルなの?」
「……」
「ラファエル兄さん?」
「ガブリエル。ミカエルを汚されたくなければ言え。一応お前ではくミカエルの理由は簡単だ。お前を抱くとか気持ち悪くて絶対に無理だ。ミカエルのがマシだと言う理由だな。男は初めてだから……頑張ってみるよミカエル」
「ガブ姉さん!! 助けて!! ヤバイヤバイヤバイ!!」
「やめて!! そっちの方が絶対に嫌ああああ!!」
「なら?」
「言う言う!! ミカエルもね言うよね?」
「言う!! ラファエル兄さん!! 敗けを認める!!」
ラファエルが笑顔でミカエルから離れた。そして、服を着る。ラファエルの狂気に妹弟が震えた。
((マジだった))
氷が溶け自由になると、ミカエルとガブリエルは抱きつきあい。震えて地面にへたりこんだ。
「でっ……誰なんだ?」
「……姉さん」
「ラファエルお兄様。気持ちを強くもってください。ウルルンお嬢は実は……」
「実は?」
「……ウリエルお兄様です」
ガブリエルの発言に部屋の中の空気は凍ったのだった。
*
「……ん!?」ゾクゾク
「どうしたの? ウリエル?」
「どうした? ウリエル」
「ネクター、ボロス……今、ものすごい寒気がした」
「飲みすぎたのね。ウリエル」
「珍しいな。ウリエル……風邪か?」
「わかりません。ただ……そう……危機を感じとりました。過去の戦で大軍を目の前にしたときのような」
「戦争が近いからかしら?」
「ウリエルの勘はいい。まぁすでに前哨戦があったからな」
「……ですね。せっかくです。景気付けに僕の秘蔵を出すとしましょう。ガヴゥさんと飲み比べで勝ったのでいただいた物があるんです」
「あの真面目な上級騎士が? 交遊が広いな本当に。バルカスに怒られるね。これ飲むと。ウリエルいいの?」
「ええ……バルカスに怒られましょう。せっかくですからみんなで」
ウリエルは危機を感じ取ったが酒も入り気にすることはなく。そのまま何も考えずに過ごすのだった。
「乾杯」「かんぱ~い」「へへ、乾杯……後で自慢しようかバルカスに」
何も考えず。ウリエルは火種が落ちるのを見過ごすのだった。
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