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復讐の種を撒きましょう
しおりを挟む私は王国から帰ってからどうやって復讐を成そうかと悩んでいた。それが思い付いたのは子供が生まれてからだった。復讐を一つに絞るのをやめて、思い付く手だけを行う。その一つにあの女よりもいい女になると言うし、ウリエルをとも考える。
子供は皇帝と出会って1年で生まれるが育母に任せた。とにかくその間にウリエルを甘えさせながら……私はお金を欲した。
先ず、いい女の前にウリエルをしっかりした英才教育と騎士としての訓練をさせたかった。そのために一つ大きく動き出す。
「お金がほしい。あと数人の騎士が」
「……また王国に遊びに行き暴れて帰ってきて一声が謝るでもなくお金か……理由を聞こう」
「ウリエルの入学する軍学校がない。いえ、ラファエルもガブリエルもね」
「……貴族のではダメか? あるだろう」
「違う考えがあるの……もっと貪欲に上を目指せる環境が……元々。やりたかったことよ」
「よし。買おうじゃないかそれを……面白いのだろうきっと」
「ありがとう‼ 愛してるわ~」
旦那を抱き込み。復讐のために用意する施設を私は作り上げる。そう、いつしか騎士団長ウリエルと言う肩書きをするために。
すぐに私は取りかかった。施設を用意し、準備させる。広告も出した……出した先はもちろん征服した土地に対して……チャンスを与える。
多くの志願者が募った。ウリエルと同じ歳の子らを集め。ウリエルが10歳のときに……学園が始まった。先生は騎士に任せ学問と剣術、戦術等を3年間修練する施設が出来上がったのだ。
そして……その同じ歳の子らは全員貴族ではなかった。貴族ではないゆえにウリエルに色々と私は教えた。人に教える術を……何もかも教えた。平民に触れさせ多くを見る目を養わせもした。
結果、ウリエルの下の子らも自分の意思で入学し……しっかりと学んでくれる。
そして、ウリエルは面白いことに首席にはなれなかった。しかし、それが私の狙い通り以上の結果をうむ。
ウリエルは悔しさと……反骨心を植えられたのだ。だが、それがよかったのかウリエル指導の息子たちは3期生ラファエル。4期生ガブリエル。5期生ミカエルが首席になる。
ウリエルの手腕だと思ったが……こうも優秀な子が集まる運の良さに私は口元を歪めおおいに笑った。
その間に王国の王子の父親は崩御し、シャルティアは正式に王の妻へと登るのも聞く。子供も二人だ。
そのときの評価はもちろんシャルティアの方が美しく優しい姫として人気だったのは言うまでもない。言うまでもないが……私は悔しくも嬉しくあった。まだ……まだ……やれると。
私が死のうと……種は植えられたと。
*
「母上……確かに僕は首席にはなれなかったです。親友のボロスが首席ですが……結局騎士団長。母上じゃないですか?」
「それは大誤算だったわ……」
「あっ誤算だったんだ母上。ウリエルは考えがあってと言ってたけど……」
「僕も誤算でしたよ。母上越えようとしたら母上の背中が見えますからね。しかし、ボロスはすごく嬉しそうでした……」
「ボロスは面接落ちなのを育成で私が拾ったの。農民出のあれも向上心の努力家。ウリエルのためにいい子になったわ。征服した地も今ではすっかり帝国民よね……」
「ボロスも休日ですから呼んでみましょうか?」
「ウリエル兄さま。可哀想だからやめましょう。緊張するわよ」
「そうです。ウリエル兄ちゃん。親友だからといじめては……」
「そうですか。わかりました……それよりも母上それ以外も裁判所などで征服した土地の人でも優遇出来るのを作った手腕は素晴らしいと思います。それに比べて……正規騎士団の懐古貴族は……はぁ……」
「皆、ワシを見るな。まぁ、妻の騎士団には大いに世話になったしな……文句を言えない」
「母上の成果、まぁ元々の国があった場所でも実力があれば上に行けるわけで……反発は少なくなりましたね」
「ウリエル。ただし、従来の上級騎士、貴族たちはその後追い農民出などの下級騎士と貴族にいい顔はしないです」
「ほんとよ……それで暗殺が流行っちゃダメでしょ~全くね~ミカエルもそう思うでしょう?」
「ガブ姉に珍しく賛成」
「まぁ、いいじゃない。やる気はあるのだから……ただし失脚を狙った足の引っ張り合いするのは粛清するけどね。兄弟でもよ……私に剣を持たせないでね」
((((怖い))))
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