【完結】復讐に燃える帝国の悪役令嬢とそれに育てられた3人の王子と姫におまけ姫たちの恋愛物語<キャラ文芸筆休め自分用>

書くこと大好きな水銀党員

文字の大きさ
上 下
4 / 54

憎き美しくか弱い聖女のような令嬢の情報

しおりを挟む

「ママ~なーに読んでるのー」


「敵情視察。王国の動向をね」


「ママ~あそぼー」


「ミカエル。ママはお仕事中……ああもう。膝に乗って……」


「へへ」


 可愛い。マジで父親と似てもにつかないぐらいに可愛い。甘く、時に厳しく接してるが……これは気をひきしめないといけない。


「にしても……やっぱり王子と結婚したのね。ふーん」


 私は名前を捨てた。復讐者と言うミェースチと名乗り完全に昔の家と決別した。まぁ向こうでもメアリーは死亡扱いだろうけど。


「……結婚し。ゆくゆくは王女ね。はぁ……よし!! ミカエル退きなさい。お父様に殴り込みに行くわ」


「えっええ……うぐ……」


 離れるとウリエルはすぐにぐずってしまう。


「大丈夫。すぐに帰ってくるわよ」


「うっうっ……ええええええええん!!」


「……一緒に行く?」


「ひっぐ……うん」


 私はいいのだろうかと思うが……まぁ。いいのだろう。そこまでロイドは気のしない人だろうから。







「なんだ……会議の前に。ミェースチ」


 俺は愛人の一人……まぁ今では全員自由にさせたので最後の愛人であるミェースチが何か深刻な顔で廊下を走ってきた。非常に健脚なのは鍛えているからだろう。


「あなた。これを……」

「ふむ。諸外国の情報がどうした? 会議の議題だ」

「そこでよ……王国のあいつ」

「あいつ……ああ、お前の苛めてた。シャルティア・グローライトか。結婚したな……」

「そうです!! だから!! 陛下!! 負けたくない!! 結婚してくだだい!!」

「……………………………」

「くやぢい……先越されるのも結婚してるのも!!」


 後ろに殺した女の息子がオロオロと様子を伺っていた。


「そうか、そうか………そうか………」


 嬉しい申し出だ。俺から言わずにいたのはプライドがあったためだ。一つ気になるのは…… 嫉妬心からの申し出だ。


 まぁ、そんな小さな物で断ることもない。


「会議の最後にでも言おう。ミェースチ・バルバロッサ。これで満足か?」


「孕ませるが残ってます。アイツより早く産んでやる」


「………くくく。全く。遠い遠い国の姫にそこまで嫉妬深くなれるなぞ驚く」


「女なら普通ですわ。その恨みは……一度抉られたプライドはその女に復讐するまで癒えません。負けたくない……負けたくないわ」


 歪んでいる。だが……それがわかるのも俺と似ているからだろう。俺も歪んでいる。


「ミェースチ……対抗心も少しは落ち着かせるべきだ」


「愛してます皇帝。だけど……それを失うと生きる希望が途端に薄くなる。陛下もわかりませんか?」

「………」


 わかってたまるか。


「まぁいい。欲深く土地を欲するのと一緒だろう。まぁ……好きにしろ」


「ありがとう。あなた」


「ああ………すでに。呼び方がそうであったな」


 俺は会議に向かう。そこで宣言しよう。奴を妻に迎えることを………荒れるだろうな。









「グローライト王子……結婚の祝いで帝国から使者が来るようです」


「どうしました? 深刻そうな顔を……」


「王子。祝いの使者の名前はミェースチ様です」

「ミェースチ……スゴい名前だね」


「はい。それが……どうやら。メアリー・ヴァイン様らしいとの噂がございます」


「彼女は病死と聞いていたが!!」


「……ヴァイン家に詰問しました。国外追放し、音沙汰がなかった故に秘密のうらで死亡したとしていたようです。あの皇帝に売り飛ばして……結果。どうやら生き延びたと」


「………国内に入れるな。やつを知っているだろう。どれだけ酷く苛めていたか」


「はい。しかし……情報によりますとミェースチ・バルバロッサと名乗っております」


「バルバロッサ!? 皇帝の妻なのか!?」


「昨日……発表があり。あの残虐王が唯一無二の正妻にしたと。国賓なため……無下に出来ず。今はまだ国境が面しておりませんが……関係悪化があるでしょう」


「……………何処まで目障りなんだ……」


「はい……恐ろしい令嬢です。悪運が強い……悪魔のような令嬢です」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない

曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが── 「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」 戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。 そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……? ──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。 ★小説家になろうさまでも公開中

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました

かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中! そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……? 可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです! そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!? イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!! 毎日17時と19時に更新します。 全12話完結+番外編 「小説家になろう」でも掲載しています。

気だるげの公爵令息が変わった理由。

三月べに
恋愛
 乙女ゲーの悪役令嬢に転生したリーンティア。王子の婚約者にはまだなっていない。避けたいけれど、貴族の義務だから縁談は避けきれないと、一応見合いのお茶会に参加し続けた。乙女ゲーのシナリオでは、その見合いお茶会の中で、王子に恋をしたから父に強くお願いして、王家も承諾して成立した婚約だったはず。  王子以外に婚約者を選ぶかどうかはさておき、他の見合い相手を見極めておこう。相性次第でしょ。  そう思っていた私の本日の見合い相手は、気だるげの公爵令息。面倒くさがり屋の無気力なキャラクターは、子どもの頃からもう気だるげだったのか。 「生きる楽しみを教えてくれ」  ドンと言い放つ少年に、何があったかと尋ねたくなった。別に暗い過去なかったよね、このキャラ。 「あなたのことは知らないので、私が楽しいと思った日々のことを挙げてみますね」  つらつらと楽しみを挙げたら、ぐったりした様子の公爵令息は、目を輝かせた。  そんな彼と、婚約が確定。彼も、変わった。私の隣に立てば、生き生きした笑みを浮かべる。  学園に入って、乙女ゲーのヒロインが立ちはだかった。 「アンタも転生者でしょ! ゲームシナリオを崩壊させてサイテー!! アンタが王子の婚約者じゃないから、フラグも立たないじゃない!!」  知っちゃこっちゃない。スルーしたが、腕を掴まれた。 「無視してんじゃないわよ!」 「頭をおかしくしたように喚く知らない人を見て見ぬふりしたいのは当然では」 「なんですって!? 推しだか何だか知らないけど! なんで無気力公爵令息があんなに変わっちゃったのよ!! どうでもいいから婚約破棄して、王子の婚約者になりなさい!! 軌道修正して!!」  そんなことで今更軌道修正するわけがなかろう……頭おかしい人だな、怖い。 「婚約破棄? ふざけるな。王子の婚約者になれって言うのも不敬罪だ」  ふわっと抱き上げてくれたのは、婚約者の公爵令息イサークだった。 (なろうにも、掲載)

【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい

三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。 そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい

宇水涼麻
恋愛
 ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。 「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」  呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。  王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。  その意味することとは?  慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?  なぜこのような状況になったのだろうか?  ご指摘いただき一部変更いたしました。  みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。 今後ともよろしくお願いします。 たくさんのお気に入り嬉しいです! 大変励みになります。 ありがとうございます。 おかげさまで160万pt達成! ↓これよりネタバレあらすじ 第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。 親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。 ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...