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胸の内(1)*ライラ視点*
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アルゴン王国の王宮はただ敷地が広いばかりではなく、各施設がかなり充実した一個の街のような造りをしている。
中央には王族が住む大きな城、庭園や公共スペースを挟んで稽古場や図書館、診療所、宿舎といった施設が置かれ、その周辺には更に8つの離宮が点在する。
その内の1つの離宮にライラとギルバードはいた。
『ライラ、皿ばっかつついてないで肉食べなよ』
「食欲がないの」
離宮に夕食を運んでもらったものの、今日一日でいろいろとありすぎて食事がなかなか喉を通らず、そんなライラをギルバードが監督している。
『怪我は治っても血は減ってるんだからさ』
肉料理の皿の周りを、にょいにょいとした動きで這いながらギルバードは言った。
『ボク達この後神官達と顔合わせなきゃならないんだよ。栄養つけとかないと。倒れちゃうよ』
「わかってるわ」
ライラは切った肉を口に放り込み、咀嚼して水で流し込む。
「ギルは本当にいいの?もう2週間食べてないじゃない」
『ボクはいい。お腹すいてないから』
ギルバードは多くても二週に一回、少ないと一ヶ月に一回しか食事をとらない。
また食後は二日程消化で動けなくなることから、ライラの外出と消化期間が重ならないよう食事をするようになっていた。
『ほら、しっかり食べて』
どうやら食べ終わるまで見張るつもりらしい。
ライラはまた肉を口に運び、水と一緒に飲み込む。
肉は美味しいが、まるで強化合宿か何かのようだとライラは思う。
ライラを見張りながら、ふとギルバードが言った。
『ボク、もしかしたら脱皮が近くてお腹すかないのかな?』
「...そう言えば、ギル」
ライラにはひとつ思うことがあった。
「前よりも体の色がくすんできていない?前はもう少し薄いブラウンだったような気がするわ」
『ええっ、そうなの?』
ギルバードは振り返って自身の背中を見るがいまいち違いがわからない。
「脱皮って全身の皮が剥けるんでしょう?大変よね」
ギルバードと出逢って暫く経つが、脱皮はまだ見たことがなかった。興味はあるが心配でもある。
うーんと唸りながらギルバードは自身の背からライラの方へと視線を戻した。
『相談なんだけどさ。脱皮準備から脱皮終わりまでの2週間はなるべく仕事入れないでほしいんだ。ボクほとんど動けなくなるから、ライラと行動できないと思う』
「いっそ春休みにでもしましょうか」
『あ!いいね。最近ライラ仕事で動き回ってばかりだし』
たしかにほとんど仕事で外にいた。
とは言え二週間の休みはなかなか長すぎる気も。
ギルバードは尻尾でとんとんと皿の縁を叩き、ライラはうっかり止めていたフォークとナイフを再び動かす。
『ライラはどこか行きたいところとかある?』
「ええと、そうね」
また水で流し込んで少し考える。
「弓とか、ちょっとした部品を見に行きたいかもしれないわ。部品の購入と細工のオーダーが両方できるお店があれば理想なんだけれど、どこかないかしら」
アルゴンでは武器全般を男性用として作っているため、既製品の弓はどれもやや大きくて重い。長時間使うことが厳しいため、ライラは自分用に仕立てた弓が欲しいと常々思っていた。
「あとはあなたの体調が良ければ森の散策とか」
『いいと思う。休暇って感じがするね』
「ギルの方はどう。何かある?」
問うとギルバードは頭を傾げて考えてから、
『そうだなあ。書店とか図書館ないかな。新しい本が読みたい』
「図書館なら王宮にあるわ。この国で一番大きかったはず」
ギルバードはグンと体を伸ばす。
『行きたい!』
「ええ、近々行きましょう」
ここで、はあ、と息をついてライラはナイフとフォークを置く。
「もう無理。苦しい」
『えっ!締めのデザート食べてないじゃない』
「喉はもう締まってるわ。お腹いっぱいよ」
席を立ってはしたなくもばたりとベッドに倒れ込めば、ギルバードはシュッと噴気音を出す。
『ライラ起きて。食べてすぐ横になるのは胃によくないよ』
厳しい。
聞かなかったふりをして仰向けになり天井を見る。
『ライラー』
「...すぐ起きるわ」
生返事をする。
数分後、ギルバードは少し大きな声で言った。
『ねえ、ライラ。あのさ。......アランのこと、ちょっと好きになってるでしょ』
「.........あのね」
ライラは仰向けから横向きになり、ぎろりとギルバードを見て、
「皆、いつもそう。なんで急な話をするのかしら」
半ば睨むような視線を送る。
「そもそも別に、もともと嫌いとかではないわ」
『嫌いじゃないのは知ってるよ。ただ、異性として好きになってるように見えるというか。なんとなくだけど』
ギルバードの言葉にライラは黙っている。
そのまま何も答えないかと思いきや、
「そうね、その通りよ。自分でもごまかしてきたけれど。でもアラン様には言わないわ」
ギルバードに対してライラは割と何でも話す。
『やっぱり。いつから?』
「あなたを召喚した時、周囲があなたを侮辱するのを彼が黙らせてくれたでしょう」
『......かなり前だね』
かなり前どころかアランと初めて会った日ではないか。
その時点で心が動いていたのかと思うと流石のギルバードも少し驚く。
『どうして言わないのさ。アランもライラのこと気に入ってるっぽいのに』
「相手は王子よ。それに、きっとマリー...マリアンナはアラン様を狙っている。仲が良かった頃、お姫様になりたいとよく聞かされていたから。私、彼女とは争いたくないの」
理由があるのよ、と言ったかと思えば横たわりながら急激にライラの表情が暗くなる。
ギルバードは机からするすると降り、青年の姿に変わってベッドの端に座った。
『理由って?』
ライラは身を起こし、はあ、とため息をつく。
「マリーのお母様のシェリル様はね、私のお父様がお母様と出逢うずっと前、子どもの頃から婚約していた相手なの」
それはギルバードも予想だにしていなかった話だった。
「でも、お父様はお母様と出逢って恋をした。マリーは、私のお母様がシェリル様からお父様を奪い、婚約破棄させたと思っているわ」
『でも、シェリルは結局公爵家に嫁げてるし...まあでも、マリー自身は公爵家で育っているから、爵位の劣る侯爵に自分の母親が婚約破棄されたというのは微妙なのか......』
ライラは頷いて続ける。
「それに、シェリル様は後妻なの。マリーのお姉様のリリアナ様とは異母姉妹で、いろいろ気苦労があったとか」
『うーん......成る程ね。いろいろな条件が合わさって、で、それが原因でいじめに発展したと』
ライラが学園の出来事を耐え忍ぶ他なかった理由をギルバードはようやく理解できた気がした。
またマリアンナの心の内も少し。
親同士のこととは言え、わだかまる気持ちがあったのだろう。
「私はマリーからアラン様を奪うような真似はしたくないの。家柄も容姿も私なんかよりアラン様とお似合いだとも思っているわ」
ライラは項垂れる。
「だからもう好きになりたくないし、なったとしても言わない。なのに人の気も知らないであんな......」
唐突な口づけは激しくも優しかった。
焦れたように執拗に求められたことで、思わずときめいてしまった。
運命なのではと思わず錯覚しそうになるくらいに。
暫しの沈黙。
ギルバードはぽんぽんとライラの頭を撫でた。
それから、
『ライラ。アランが来る』
そう言って蛇の姿に戻る。
ライラはベッドから降りて席へと戻る。
少しするとノックの音に続いてアランの声がしたため、ライラはどうぞと返事をした。
「まだ食事中だったか」
「いえ、今日はもうこれ以上は」
そう言ってライラは瞳を逸らす。
アランはライラの対面に座る。
先程のこともありライラはアランの目を見ることができなかったが、アランはいつもと変わらぬ調子で言った。
「あと少ししたら、王宮の広間で協議を始める予定だ。迷子になっても困るから案内しよう」
ライラは思う。
自分ばかり意識していて馬鹿みたいだと。
「...ありがとうございます」
「あと、協議の後少し時間を貰えないか。少し時間は遅くなってしまうが、俺の使い魔を見せようと思って」
「えっ」
ぱっと顔を上げてアランを見る。
そう言えばアランが以前、離宮に使い魔の獅子がいると言っていたのを思い出していた。
「ぜ、是非」
獅子という生き物をライラは本でしか見たことがなかった。
これを逃せばもう見るチャンスはないかもしれない。
少し明るくなったライラの表情を見て、ふっとアランは微笑んだ。
中央には王族が住む大きな城、庭園や公共スペースを挟んで稽古場や図書館、診療所、宿舎といった施設が置かれ、その周辺には更に8つの離宮が点在する。
その内の1つの離宮にライラとギルバードはいた。
『ライラ、皿ばっかつついてないで肉食べなよ』
「食欲がないの」
離宮に夕食を運んでもらったものの、今日一日でいろいろとありすぎて食事がなかなか喉を通らず、そんなライラをギルバードが監督している。
『怪我は治っても血は減ってるんだからさ』
肉料理の皿の周りを、にょいにょいとした動きで這いながらギルバードは言った。
『ボク達この後神官達と顔合わせなきゃならないんだよ。栄養つけとかないと。倒れちゃうよ』
「わかってるわ」
ライラは切った肉を口に放り込み、咀嚼して水で流し込む。
「ギルは本当にいいの?もう2週間食べてないじゃない」
『ボクはいい。お腹すいてないから』
ギルバードは多くても二週に一回、少ないと一ヶ月に一回しか食事をとらない。
また食後は二日程消化で動けなくなることから、ライラの外出と消化期間が重ならないよう食事をするようになっていた。
『ほら、しっかり食べて』
どうやら食べ終わるまで見張るつもりらしい。
ライラはまた肉を口に運び、水と一緒に飲み込む。
肉は美味しいが、まるで強化合宿か何かのようだとライラは思う。
ライラを見張りながら、ふとギルバードが言った。
『ボク、もしかしたら脱皮が近くてお腹すかないのかな?』
「...そう言えば、ギル」
ライラにはひとつ思うことがあった。
「前よりも体の色がくすんできていない?前はもう少し薄いブラウンだったような気がするわ」
『ええっ、そうなの?』
ギルバードは振り返って自身の背中を見るがいまいち違いがわからない。
「脱皮って全身の皮が剥けるんでしょう?大変よね」
ギルバードと出逢って暫く経つが、脱皮はまだ見たことがなかった。興味はあるが心配でもある。
うーんと唸りながらギルバードは自身の背からライラの方へと視線を戻した。
『相談なんだけどさ。脱皮準備から脱皮終わりまでの2週間はなるべく仕事入れないでほしいんだ。ボクほとんど動けなくなるから、ライラと行動できないと思う』
「いっそ春休みにでもしましょうか」
『あ!いいね。最近ライラ仕事で動き回ってばかりだし』
たしかにほとんど仕事で外にいた。
とは言え二週間の休みはなかなか長すぎる気も。
ギルバードは尻尾でとんとんと皿の縁を叩き、ライラはうっかり止めていたフォークとナイフを再び動かす。
『ライラはどこか行きたいところとかある?』
「ええと、そうね」
また水で流し込んで少し考える。
「弓とか、ちょっとした部品を見に行きたいかもしれないわ。部品の購入と細工のオーダーが両方できるお店があれば理想なんだけれど、どこかないかしら」
アルゴンでは武器全般を男性用として作っているため、既製品の弓はどれもやや大きくて重い。長時間使うことが厳しいため、ライラは自分用に仕立てた弓が欲しいと常々思っていた。
「あとはあなたの体調が良ければ森の散策とか」
『いいと思う。休暇って感じがするね』
「ギルの方はどう。何かある?」
問うとギルバードは頭を傾げて考えてから、
『そうだなあ。書店とか図書館ないかな。新しい本が読みたい』
「図書館なら王宮にあるわ。この国で一番大きかったはず」
ギルバードはグンと体を伸ばす。
『行きたい!』
「ええ、近々行きましょう」
ここで、はあ、と息をついてライラはナイフとフォークを置く。
「もう無理。苦しい」
『えっ!締めのデザート食べてないじゃない』
「喉はもう締まってるわ。お腹いっぱいよ」
席を立ってはしたなくもばたりとベッドに倒れ込めば、ギルバードはシュッと噴気音を出す。
『ライラ起きて。食べてすぐ横になるのは胃によくないよ』
厳しい。
聞かなかったふりをして仰向けになり天井を見る。
『ライラー』
「...すぐ起きるわ」
生返事をする。
数分後、ギルバードは少し大きな声で言った。
『ねえ、ライラ。あのさ。......アランのこと、ちょっと好きになってるでしょ』
「.........あのね」
ライラは仰向けから横向きになり、ぎろりとギルバードを見て、
「皆、いつもそう。なんで急な話をするのかしら」
半ば睨むような視線を送る。
「そもそも別に、もともと嫌いとかではないわ」
『嫌いじゃないのは知ってるよ。ただ、異性として好きになってるように見えるというか。なんとなくだけど』
ギルバードの言葉にライラは黙っている。
そのまま何も答えないかと思いきや、
「そうね、その通りよ。自分でもごまかしてきたけれど。でもアラン様には言わないわ」
ギルバードに対してライラは割と何でも話す。
『やっぱり。いつから?』
「あなたを召喚した時、周囲があなたを侮辱するのを彼が黙らせてくれたでしょう」
『......かなり前だね』
かなり前どころかアランと初めて会った日ではないか。
その時点で心が動いていたのかと思うと流石のギルバードも少し驚く。
『どうして言わないのさ。アランもライラのこと気に入ってるっぽいのに』
「相手は王子よ。それに、きっとマリー...マリアンナはアラン様を狙っている。仲が良かった頃、お姫様になりたいとよく聞かされていたから。私、彼女とは争いたくないの」
理由があるのよ、と言ったかと思えば横たわりながら急激にライラの表情が暗くなる。
ギルバードは机からするすると降り、青年の姿に変わってベッドの端に座った。
『理由って?』
ライラは身を起こし、はあ、とため息をつく。
「マリーのお母様のシェリル様はね、私のお父様がお母様と出逢うずっと前、子どもの頃から婚約していた相手なの」
それはギルバードも予想だにしていなかった話だった。
「でも、お父様はお母様と出逢って恋をした。マリーは、私のお母様がシェリル様からお父様を奪い、婚約破棄させたと思っているわ」
『でも、シェリルは結局公爵家に嫁げてるし...まあでも、マリー自身は公爵家で育っているから、爵位の劣る侯爵に自分の母親が婚約破棄されたというのは微妙なのか......』
ライラは頷いて続ける。
「それに、シェリル様は後妻なの。マリーのお姉様のリリアナ様とは異母姉妹で、いろいろ気苦労があったとか」
『うーん......成る程ね。いろいろな条件が合わさって、で、それが原因でいじめに発展したと』
ライラが学園の出来事を耐え忍ぶ他なかった理由をギルバードはようやく理解できた気がした。
またマリアンナの心の内も少し。
親同士のこととは言え、わだかまる気持ちがあったのだろう。
「私はマリーからアラン様を奪うような真似はしたくないの。家柄も容姿も私なんかよりアラン様とお似合いだとも思っているわ」
ライラは項垂れる。
「だからもう好きになりたくないし、なったとしても言わない。なのに人の気も知らないであんな......」
唐突な口づけは激しくも優しかった。
焦れたように執拗に求められたことで、思わずときめいてしまった。
運命なのではと思わず錯覚しそうになるくらいに。
暫しの沈黙。
ギルバードはぽんぽんとライラの頭を撫でた。
それから、
『ライラ。アランが来る』
そう言って蛇の姿に戻る。
ライラはベッドから降りて席へと戻る。
少しするとノックの音に続いてアランの声がしたため、ライラはどうぞと返事をした。
「まだ食事中だったか」
「いえ、今日はもうこれ以上は」
そう言ってライラは瞳を逸らす。
アランはライラの対面に座る。
先程のこともありライラはアランの目を見ることができなかったが、アランはいつもと変わらぬ調子で言った。
「あと少ししたら、王宮の広間で協議を始める予定だ。迷子になっても困るから案内しよう」
ライラは思う。
自分ばかり意識していて馬鹿みたいだと。
「...ありがとうございます」
「あと、協議の後少し時間を貰えないか。少し時間は遅くなってしまうが、俺の使い魔を見せようと思って」
「えっ」
ぱっと顔を上げてアランを見る。
そう言えばアランが以前、離宮に使い魔の獅子がいると言っていたのを思い出していた。
「ぜ、是非」
獅子という生き物をライラは本でしか見たことがなかった。
これを逃せばもう見るチャンスはないかもしれない。
少し明るくなったライラの表情を見て、ふっとアランは微笑んだ。
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