15 / 18
会いに行く
しおりを挟む
「淫乱BOYSって何だ?」
「俺が、先輩としていたグループLimeだよ。ここ、見て」
「いちが、特定を作ってる気がするんだ。許さない。いちは、抜けさせない。」
読み上げた由紀斗に、微笑んだ。
「さっき、由紀斗が言ってきた答えだろ?大きな話だと、戦争に繋がるって。まあ、小さな話だといじめってやつかな。俺達は、誰かを踏みつけて生きる事を植えつけられて生きてきたんじゃないかな?」
俺は、あの日先輩から送られてきた動画を再生する。
「これは…。千尋じゃないよ」
「由紀斗、俺だよ。俺もまた誰かを制圧していたんだよ。」
早坂を何度も壁に叩きつけ、けつにぶっ込んでる俺の動画だ。
狂ったように笑い、狂ったように殴りつけ、もっと泣いて喜べと笑っている。
早坂は、お漏らしをし血を吐く。
それなのに、やめない俺。
「やめろ」
最後まで見ずに、由紀斗は動画をとめた。
「これからだったんじゃない?」
「千尋、自分を傷つけるなよ。こんなの何回も見てるとおかしくなる。」
その言葉に、涙が流れてくる。
「早坂に、今から会いに行くんだ。」
「探偵さんか?」
「ああ、やりとりはさっきの電話。住所も送ってくれた。依頼は、終了した。」
「探偵さんに会わずに終わったのか?」
「人探しだから、もう来たくないって頼んだからさ。書類は、一式送ってくれるって。俺も、ネットから入金しといたよ」
立ち上がった俺の腕を由紀斗が掴んだ。
「俺も行く」
「何で?」
「どんな話を聞いても、千尋の傍にいたいから」
そう言って、コーヒーカップを下げにいった。
俺と由紀斗は、着替えて用意した。
家を出て、由紀斗の車に乗り込んだ。
走ってたどり着いたのは、とある公園だった。
【お昼まで、早坂さんはだいたい公園にいます。】
「駐車場に車を停めてくる。」
「ああ、早坂に話しかけてくるよ」
由紀斗の車から降りて、早坂の元へ行った。
「早坂……」
俺を見る目が、怯えていた。
「市木」
車椅子に乗っていた。
「ごめん、俺が早坂をこんな体にした。なのに、何も覚えていない。」
早坂は、俺を見て笑いだした。
「市木が、これをしたって?何、言ってるの?ハハハ」
「証拠だってあるよ」
俺は、スマホの動画を早坂に渡した。
早坂は、それを再生した。
顔が強ばって、途中でとめた。
「ごめん、途中までしか見れない。」
「やっぱり、俺が早坂にしたんだよな?」
「違う」
早坂は、大きな声を出した。
由紀斗が、近づいてきた。
「彼氏?」
「あ、ああ。」
「俺もいるんだよ。」
「幸せなんだな」
「幸せだよ。すごく」
そう言って、柔らかい笑顔で笑った。
「さっきの動画だけど」
「ああ」
「あれは、市木以外の人達だから…。」
「でも、俺はこんな剥き出しな顔して早坂に」
早坂は、ニコッと俺に笑った。
「そうだよ。彼氏の前で言ってもいいのかな?昔の話だからいいよね。」
そう言って笑う早坂に、由紀斗は「かまわない」と言った。
「じゃあ、遠慮なく話すよ。これは、市木が必死で俺を抱いてくれた顔だよ。こんな風に合成させられてるけど…。市木は、あいつ等がいるのも忘れて、酔っぱらって俺を求めたんだよ」
「えっ?」
「覚えてないのは、当たり前だよ。市木は、酔っぱらってたから…。若さだよね。何度も俺を抱いたよ。幸せだったよ。俺は…。市木に抱かれて」
「早坂…。」
「初めて、市木を見た時から好きになった。だから、いつかそうなれたらって思った。市木は、優しいセックスをしたんだよ。俺は、物足りなくて激しくしてと言った。それが、さっきの顔。一生懸命してくれたよ。何度も、何度も…。それをあいつ等は、許さなかった。」
「辰己先輩達か」
「うん。あの時、俺。初めてだった。初物は、先輩がいただくルールだったんだろ?でも、俺は初めては市木って決めてたから…。誘惑したんだ。俺から市木を…」
そう言って、早坂は泣いている。
手が震えてるのが、わかる。
「俺が、先輩としていたグループLimeだよ。ここ、見て」
「いちが、特定を作ってる気がするんだ。許さない。いちは、抜けさせない。」
読み上げた由紀斗に、微笑んだ。
「さっき、由紀斗が言ってきた答えだろ?大きな話だと、戦争に繋がるって。まあ、小さな話だといじめってやつかな。俺達は、誰かを踏みつけて生きる事を植えつけられて生きてきたんじゃないかな?」
俺は、あの日先輩から送られてきた動画を再生する。
「これは…。千尋じゃないよ」
「由紀斗、俺だよ。俺もまた誰かを制圧していたんだよ。」
早坂を何度も壁に叩きつけ、けつにぶっ込んでる俺の動画だ。
狂ったように笑い、狂ったように殴りつけ、もっと泣いて喜べと笑っている。
早坂は、お漏らしをし血を吐く。
それなのに、やめない俺。
「やめろ」
最後まで見ずに、由紀斗は動画をとめた。
「これからだったんじゃない?」
「千尋、自分を傷つけるなよ。こんなの何回も見てるとおかしくなる。」
その言葉に、涙が流れてくる。
「早坂に、今から会いに行くんだ。」
「探偵さんか?」
「ああ、やりとりはさっきの電話。住所も送ってくれた。依頼は、終了した。」
「探偵さんに会わずに終わったのか?」
「人探しだから、もう来たくないって頼んだからさ。書類は、一式送ってくれるって。俺も、ネットから入金しといたよ」
立ち上がった俺の腕を由紀斗が掴んだ。
「俺も行く」
「何で?」
「どんな話を聞いても、千尋の傍にいたいから」
そう言って、コーヒーカップを下げにいった。
俺と由紀斗は、着替えて用意した。
家を出て、由紀斗の車に乗り込んだ。
走ってたどり着いたのは、とある公園だった。
【お昼まで、早坂さんはだいたい公園にいます。】
「駐車場に車を停めてくる。」
「ああ、早坂に話しかけてくるよ」
由紀斗の車から降りて、早坂の元へ行った。
「早坂……」
俺を見る目が、怯えていた。
「市木」
車椅子に乗っていた。
「ごめん、俺が早坂をこんな体にした。なのに、何も覚えていない。」
早坂は、俺を見て笑いだした。
「市木が、これをしたって?何、言ってるの?ハハハ」
「証拠だってあるよ」
俺は、スマホの動画を早坂に渡した。
早坂は、それを再生した。
顔が強ばって、途中でとめた。
「ごめん、途中までしか見れない。」
「やっぱり、俺が早坂にしたんだよな?」
「違う」
早坂は、大きな声を出した。
由紀斗が、近づいてきた。
「彼氏?」
「あ、ああ。」
「俺もいるんだよ。」
「幸せなんだな」
「幸せだよ。すごく」
そう言って、柔らかい笑顔で笑った。
「さっきの動画だけど」
「ああ」
「あれは、市木以外の人達だから…。」
「でも、俺はこんな剥き出しな顔して早坂に」
早坂は、ニコッと俺に笑った。
「そうだよ。彼氏の前で言ってもいいのかな?昔の話だからいいよね。」
そう言って笑う早坂に、由紀斗は「かまわない」と言った。
「じゃあ、遠慮なく話すよ。これは、市木が必死で俺を抱いてくれた顔だよ。こんな風に合成させられてるけど…。市木は、あいつ等がいるのも忘れて、酔っぱらって俺を求めたんだよ」
「えっ?」
「覚えてないのは、当たり前だよ。市木は、酔っぱらってたから…。若さだよね。何度も俺を抱いたよ。幸せだったよ。俺は…。市木に抱かれて」
「早坂…。」
「初めて、市木を見た時から好きになった。だから、いつかそうなれたらって思った。市木は、優しいセックスをしたんだよ。俺は、物足りなくて激しくしてと言った。それが、さっきの顔。一生懸命してくれたよ。何度も、何度も…。それをあいつ等は、許さなかった。」
「辰己先輩達か」
「うん。あの時、俺。初めてだった。初物は、先輩がいただくルールだったんだろ?でも、俺は初めては市木って決めてたから…。誘惑したんだ。俺から市木を…」
そう言って、早坂は泣いている。
手が震えてるのが、わかる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
鼓動の速さでわかる事
三愛 紫月 (さんあい しづき)
BL
愛してる。梨寿(りじゅ)&真白が映画で見に行った芸能人のお話です。
その中の映画の内容と、芸能人のお話。
これから先も、愛してる。
愛してる。梨寿(りじゅ)&真白
愛してる。由紀斗&千尋
も、お読みいただく方がより楽しめると思います。
三万文字以内の短編小説になります。
これから先も、愛してる
↓
愛してる。真白&梨寿(りじゅ)
↓
愛してる。由紀斗&千尋
↓
鼓動の速さでわかる事
の順番になります。
実は、秘密のdiaryの八(はち)と九(きゅう)も見に行っていました。
闇を照らす光の君ー静樹ーで、夏子と静樹も見に行っていました。
ちなみに、闇を照らす桜の木ー夏子ーと、愛してる、由紀斗&千尋では、鴨池はやてがのちにやるバンドの大ファンに夏子と千尋はなっています。
小説家になろう、カクヨムにも載せています。
ハッピーエンド
藤美りゅう
BL
恋心を抱いた人には、彼女がいましたーー。
レンタルショップ『MIMIYA』でアルバイトをする三上凛は、週末の夜に来るカップルの彼氏、堺智樹に恋心を抱いていた。
ある日、凛はそのカップルが雨の中喧嘩をするのを偶然目撃してしまい、雨が降りしきる中、帰れず立ち尽くしている智樹に自分の傘を貸してやる。
それから二人の距離は縮まろうとしていたが、一本のある映画が、凛の心にブレーキをかけてしまう。
※ 他サイトでコンテスト用に執筆した作品です。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
浮気性のクズ【完結】
REN
BL
クズで浮気性(本人は浮気と思ってない)の暁斗にブチ切れた律樹が浮気宣言するおはなしです。
暁斗(アキト/攻め)
大学2年
御曹司、子供の頃からワガママし放題のため倫理観とかそういうの全部母のお腹に置いてきた、女とSEXするのはただの性処理で愛してるのはリツキだけだから浮気と思ってないバカ。
律樹(リツキ/受け)
大学1年
一般人、暁斗に惚れて自分から告白して付き合いはじめたものの浮気性のクズだった、何度言ってもやめない彼についにブチ切れた。
綾斗(アヤト)
大学2年
暁斗の親友、一般人、律樹の浮気相手のフリをする、温厚で紳士。
3人は高校の時からの先輩後輩の間柄です。
綾斗と暁斗は幼なじみ、暁斗は無自覚ながらも本当は律樹のことが大好きという前提があります。
執筆済み、全7話、予約投稿済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる