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day2 真実

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僕から、唇を離した柚は僕の髪を撫でる。

「話して、真実を…」

僕は、ゆっくり頷いた。

「あの日、お金を借りに行ったんやない。母さんを施設にいれるかどうするかの話し合いをしに行ったんや。」

僕は、柚の目を見れずに俯く。

「11歳だった僕は、体調がすぐれんくて家(うち)に帰った。おとんも、おかんも連絡がつかんくて。先生が、家(うち)まで送ってくれた。一人でおれるか?ってゆわれて頷いたのは、兄がすぐに帰宅するとゆうたからやった。」

思い出すだけで、吐き気が襲ってくる。

「外は、どしゃ降りで。先生は、ほな帰るなと行ってしもうた。風邪のひきはじめやったんやと思う。僕は、家の鍵を開けてはいる。誰もおらへんと思っていたのに、おとんとおかんの寝る部屋から変な声が響いた。泣いてるような、怒ってるような。僕は、ゆっくりとその部屋に近づいた。」

胃酸が大量に上がってきた。

泣きそうになるのを堪えた。

「おかんが、知らん人に首を締められてるんやと思った。やめろや。知らん男を押した。「なんや、クソガキ。ええとこやったんやぞ。もう萎えたわ。帰る。」男は、真っ裸でめちゃくちゃ怒った。おかんも裸やった。「待ってよ。いかんとって。こんなんでおかれたら困るわ」おかんは、男の下半身にしがみついて口の中に…ウェッ…」

僕は、ゴミ箱に胃酸を吐いた。

「大丈夫。いくらでも、吐いていいから」

柚は、僕の背中を擦ってくれる。

「男は、「ガキの前で、できるか。もうお前とは会わん」ってゆっておかんを蹴飛ばした。おかんは、泣きながら床に崩れ落ちた。僕は、下半身に走る違和感に気づいていた。「青(しょう)ちゃん、しっー。ゆうたら、アカンよ」ってゆわれた。おかんは、下半身の違和感に気づいた。やり方が、わからへん僕に教えてあげるとゆって、僕の手を重ねてそうした。ウッ…オェッ」

思い出したら、吐き気が襲う。

「手に出た、それを美味しそうに舐めた。今まで、兄しか誉められなかったのに…。初めて、その日おかんに誉められた。「ようできたね。えらいよ。また、やろな」またってどうゆう意味やろって思った」

涙が溢(あふ)れて、止まらなくなった。

「それから、君はお母さんの玩具になったの?」

僕は、頷いた。

「それで、あの事件が起きたの?」

「うん。おとんが、兄に聞くなと言って友達の家に行かせた。僕とおかんとおとんと祖父母で話し合った。「もうやりたくない。気持ち悪い」僕の言葉に、おとんはわかったと言った。祖父母は、暫くおかんをこっちで預かると言った。「青(しょう)ちゃんと放れるぐらいなら死んだ方がましや」そうゆって包丁を掴んだ。揉み合いになったけど、なんとか大丈夫やった。話し合いに疲れたみんなは、21時過ぎには、寝てしまった。おかんが、僕の布団に入ってきた。「青(しょう)ちゃん、お母ちゃんと来世で一緒になろうな。」キスをされて、触(さわ)られて、「やめてくれ」って突き飛ばしたら首を締められた。「やめろー」って叫んだけど誰も起きんくて、視界は真っ暗なっていって、ダンッてものすごい音がして。僕は、意識を失ってた。目覚めたら、真っ赤な炎に包まれていた。遠くで、おかんが、おとんを引きずってるのが見えた。」

身体中が、カタカタと震え出す。

「青(しょう)ちゃん、お母ちゃんと行くんやで。何かを振り上げて走ってくるおかんから祖父母が庇って、僕を放り投げた。その瞬間、激しい痛みとワァーってゆう叫び声とやめろーって声が響いた。一瞬で、炎が全てを包み込み。青(しょう)って声が響いた。それは、野太い化け物みたいな声で、僕を恨んでいる声だった。」

もう、思い出したくなかった。

「話してくれて、ありがとう。辛い思いをさせて、ごめんね。君のその記憶をなくせないから、私がちゃんと君を連れていってあげるから」

「約束してや」

「約束」

死ぬ事でしか救われない事を、ずっと感じている。

あの日の映像が、脳にこびりついて離れない。



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