24 / 65
桜の木の桜木さん
脅迫と…死
しおりを挟む
私は、なんとなく受かった高校に通いだした。
上條とは、別々になってしまった。
学校の帰り道、私は先生の家に向かう。
「伊納円香さん」
誰かに、声をかけられて振り返った。
「なに?」
「俺と付き合ってよ」
「なぜ?」
「じゃなきゃ、どうなるかな?」
ペラペラと何かを持っていた。
「前野とキスしてる写真、ばらまいてもいいんだけど…」
「やめてよ」
「じゃあ、付き合ってよ」
「いや、離して」
嫌がる私の前に、上條がたまたま来てくれた。
「やめろよ。椎名くん」
上條が、とめてくれた。
「ありがとう」
「いや、別に」
「助かった」
「よかったね」
上條は、笑ってくれた。
私は、その日も先生の家に行ってから、自分の家に帰宅した。
『明後日、あの場所で終わるよ。愛してるなら、守るべきだよ』
眠っていたみたいだった。
やけに、変な言葉が耳にこびりついていた。
次の日の朝ー
「伊納、明後日。中学に、朝寄らないか?」
上條が、待っていた。
「何か見た?」
「何となく、嫌な予感して」
「わかった」
私は、上條と約束した。
明後日、上條は私を待っていた。
「行くぞ」
「うん」
「昨日、先生は?」
「何か、暗かった気もするけど…。いつも通りだったよ」
「そっか」
「うん」
私達は、またあの木にやってきた。
「上條」
「前野先生」
上條は、あの日のようにしていた。
「救急車呼んできて」
私は、外の公衆電話に行って連絡した。
「切るもんが、欲しい。早乙女先生とは、違うから…」
「学校に行ってみる」
用務員室で、あの日のように借りてきて私は走った。
「上條」
「切って」
「わかった」
私は、一生懸命切った。
上條は、体を支えた。
縄が切れた。
「友作さん、死なないで」
「円香を失う事は、耐えられない。もう、俺には円香が必要だから」
「友作さん、私も必要だよ。だから、生きていてよ」
先生は、私のブレザーのネクタイを引っ張った。
キスをされた。
上條は、先生から何かを受け取っていた。
救急車がやってきて、先生は運ばれていった。
「何、それ?」
「伊納円香と前野友作は、付き合ってる。後、これ見て」
さっきの人と私?
「これは、合成じゃない?」
「でも、先生は信じたんだよ」
「何で…?」
「伊納を愛してたからだろ?」
「そんなの嘘だよ」
上條の言葉を信じる事は、出来なかった。
また、私は利用される日々だと思っていたから…。
前野先生は、三日目に容態が悪化し帰らぬ人になった。
「伊納の恥さらしだな。テメー」
先生との事が、家族にバレた私は家族に罵られる日々に変わった。
「伊納さん」
「はい」
先生の葬儀の日に、中学校の校長先生から、先生の家の片付けをして欲しいと頼まれた。
「どうしてですか?」
「お付き合いしているのは、学校の先生方は皆知っています。前野先生に肉親は誰もいません。伊納さんが、片付けに行く事は出来ますか?」
「はい、行きます」
私は、校長先生から鍵を受け取った。
「俺も手伝うよ」
「上條、よろしく」
「うん」
前野先生の葬儀にも、たくさんの生徒が駆けつけてきていた。
喪主は、校長先生がしていた。
天涯孤独の人間が、亡くなるという事は大変な事なんだと思った。
このお葬式は、誰かが立て替えたのだろう…。
「伊納さん、わからない事がありましたら、すぐに連絡を下さい」
私は、校長先生にそう言われた。
「はい」
結局、上條と二人先生の骨壺を持って、先生の家に帰宅した。
「ってかさ、まだ16だぜ。こんなの任すか?普通」
「誰も、関わりたくなかったって話でしょ?」
「だよなー」
上條は、そう言って笑っていた。
上條は、何も気にせずにソファーに座っていた。
「気にならないの?」
「何が?」
「ここで、とかさ」
「なんない、なんない」
上條は、手を横にふっていた。
「なあ、これ」
そう言って、上條は分厚いものを私に手渡した。
「これって」
「伊納、宛の手紙だな」
「読めない」
「いつか、読めば?」
上條は、先生の服を整理し始めた。
上條とは、別々になってしまった。
学校の帰り道、私は先生の家に向かう。
「伊納円香さん」
誰かに、声をかけられて振り返った。
「なに?」
「俺と付き合ってよ」
「なぜ?」
「じゃなきゃ、どうなるかな?」
ペラペラと何かを持っていた。
「前野とキスしてる写真、ばらまいてもいいんだけど…」
「やめてよ」
「じゃあ、付き合ってよ」
「いや、離して」
嫌がる私の前に、上條がたまたま来てくれた。
「やめろよ。椎名くん」
上條が、とめてくれた。
「ありがとう」
「いや、別に」
「助かった」
「よかったね」
上條は、笑ってくれた。
私は、その日も先生の家に行ってから、自分の家に帰宅した。
『明後日、あの場所で終わるよ。愛してるなら、守るべきだよ』
眠っていたみたいだった。
やけに、変な言葉が耳にこびりついていた。
次の日の朝ー
「伊納、明後日。中学に、朝寄らないか?」
上條が、待っていた。
「何か見た?」
「何となく、嫌な予感して」
「わかった」
私は、上條と約束した。
明後日、上條は私を待っていた。
「行くぞ」
「うん」
「昨日、先生は?」
「何か、暗かった気もするけど…。いつも通りだったよ」
「そっか」
「うん」
私達は、またあの木にやってきた。
「上條」
「前野先生」
上條は、あの日のようにしていた。
「救急車呼んできて」
私は、外の公衆電話に行って連絡した。
「切るもんが、欲しい。早乙女先生とは、違うから…」
「学校に行ってみる」
用務員室で、あの日のように借りてきて私は走った。
「上條」
「切って」
「わかった」
私は、一生懸命切った。
上條は、体を支えた。
縄が切れた。
「友作さん、死なないで」
「円香を失う事は、耐えられない。もう、俺には円香が必要だから」
「友作さん、私も必要だよ。だから、生きていてよ」
先生は、私のブレザーのネクタイを引っ張った。
キスをされた。
上條は、先生から何かを受け取っていた。
救急車がやってきて、先生は運ばれていった。
「何、それ?」
「伊納円香と前野友作は、付き合ってる。後、これ見て」
さっきの人と私?
「これは、合成じゃない?」
「でも、先生は信じたんだよ」
「何で…?」
「伊納を愛してたからだろ?」
「そんなの嘘だよ」
上條の言葉を信じる事は、出来なかった。
また、私は利用される日々だと思っていたから…。
前野先生は、三日目に容態が悪化し帰らぬ人になった。
「伊納の恥さらしだな。テメー」
先生との事が、家族にバレた私は家族に罵られる日々に変わった。
「伊納さん」
「はい」
先生の葬儀の日に、中学校の校長先生から、先生の家の片付けをして欲しいと頼まれた。
「どうしてですか?」
「お付き合いしているのは、学校の先生方は皆知っています。前野先生に肉親は誰もいません。伊納さんが、片付けに行く事は出来ますか?」
「はい、行きます」
私は、校長先生から鍵を受け取った。
「俺も手伝うよ」
「上條、よろしく」
「うん」
前野先生の葬儀にも、たくさんの生徒が駆けつけてきていた。
喪主は、校長先生がしていた。
天涯孤独の人間が、亡くなるという事は大変な事なんだと思った。
このお葬式は、誰かが立て替えたのだろう…。
「伊納さん、わからない事がありましたら、すぐに連絡を下さい」
私は、校長先生にそう言われた。
「はい」
結局、上條と二人先生の骨壺を持って、先生の家に帰宅した。
「ってかさ、まだ16だぜ。こんなの任すか?普通」
「誰も、関わりたくなかったって話でしょ?」
「だよなー」
上條は、そう言って笑っていた。
上條は、何も気にせずにソファーに座っていた。
「気にならないの?」
「何が?」
「ここで、とかさ」
「なんない、なんない」
上條は、手を横にふっていた。
「なあ、これ」
そう言って、上條は分厚いものを私に手渡した。
「これって」
「伊納、宛の手紙だな」
「読めない」
「いつか、読めば?」
上條は、先生の服を整理し始めた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる