黒い愛と白い愛

リピート再生と俺の気持ち

家について、頭を拭いた。

シャワーはいりたかったけど、気力がない。

あの興味本意な目と悪意にやられたな。

俺は、服だけ着替えてベッドに倒れこんだ。

～夢～

れん「もっと…」

拜島さん「もっとしたい」

れん「はい」


　
ガバッ。全身ビッショリ汗をかいて起きた。

嫌な夢だった。二人が愛し合ってた。

心臓が早い。

時間をみたら、６時を過ぎてた。


れん、帰ってるかな？濡れたんじゃないか？

俺は、キッチンに向かった。

俺達専用のホワイトボート。

ハンバーグ冷蔵庫にあります。よかったら食べてください。
今日は、マリアさんのとこに泊まります。明日、仕事頑張って下さい。れん


れんがいなくなってしまった。

俺は、キッチンの床に座り込む

消えろよ。消えろよ。リピート再生みたいにながれる拜島さんの声を消すために頭を叩く。

消えろよ、消えろよ。

頼むから消えてくれよ。

どうしようもないぐらいに、俺の中にれんが溢れてくるのを感じる。

10年を壊すのが怖かったはずなのに。

俺、何してんだ？

あの人と、れんが何をしたかとかどんな風にしたかとか必要ないじゃねーかよ。

消えてくれよ。消えてくれよ。

何度やっても、頭の中の再生は消えない。

胸が苦しくて押し潰されそうだ。

れん

れん

れん

涙が止まらない。

れんが、俺と何かあってもどこかに行くなんて事一度もなかった。

ブーブーブー。

スマホが鳴る

見ると、叔母さんだった。

洋「はい。」

叔母「祖母があんたに会いたいと言ってます。」

洋「はい」

叔母「余命３ヶ月だと言われて、あなたに会いたいといっています。」

叔母さんの声は、敵意剥き出しだった。

洋「はい。」

叔母「なるべく早く会いに来てください。」

洋「はい」

叔母「まさか、結婚してないでしょうね。」

洋「してません。」　　

叔母「よかったです。」

洋「休みをとって、早めに行きます。」

叔母「わかりました。」

プープー

ばぁちゃんが、余命３ヶ月なんて。

ばぁちゃんは、いつも俺の味方だった。

母さんが亡くなって帰った時叔母さんに言われた後

祖母「洋は、何も悪くないよ。でもね、洋のお父さんが悪い事したからね。ごめんね。ばあちゃん、洋を守ってあげれんくてね。ごめんね。」

ばぁちゃん。


叔母さんの電話のおかげでリピート再生は止まった。

俺は、ハンバーグをチンした。

れん「日曜日だけは温かいの食べようね」

れんの笑顔が浮かぶ。

ピーピー。

ハンバーグを口に運んだ。


れん「ハンバーグ作ったよ。食べる？」

れん「辛かったね。」

あの日のれんが見える。


れん「ハンバーグ作ったよ。前よりうまくなった？」

引っ越してきた日のれん。

れん「ヤッター。成功。」

喜んでた。

涙が零れてくる。

れん、今日のハンバーグ焦げてるよ。