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告白

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洗面所につくと、僕は拜島さんのカッターシャツとハンカチを手にとって、栓をした浴槽にいれた。

自分の服も脱ぎ、一緒に浴槽にいれた。

鏡にうつる男の体。

女の子の服は好きだけど、女の子になりたいわけじゃない。

でも、拜島さんの彼女になりたい。その為なら、女の子になってもいいと思う。

シャワーをひねる。

浴槽に水をためる。みるみるうちに真っ赤に染まった。

少しためた所で洗剤をいれた。

真っ赤に染まった水の中で、洗った。

涙が頬をつたう。こんなに痛い思いをさせてしまった。僕は、ひどいやつだ。一緒についてきてもらわなかったらこんな事にならなかったのに…。
一回じゃ落ちそうにもなかったので、いったん水を抜く。
洗剤を入れて、もう一度水をいれる。
今度は、ほんのり赤色に染まった。
ハイターないから、完璧には落とせないかな?そう思いながらも、少し水がたまったとこでとめた。

洗濯をつけてる間にシャワーを浴びた。

頭を洗って、体を洗った。

胸もない。男の体。あそこだってある。紛れもない男の体。

女の人になりたいわけじゃないのに、一度でも拜島さんとキスしたり、その先も…出来るなら、女の人になりたい。そう思うだけで、また涙がでる。

ダメだ、ダメだ。早くあがらないと…

考えないように、涙をシャワーで洗い流した。

タオルをとって、体をふいて、ミオンで買った女の人が着るパジャマを着た。
拜島さんが一緒に選んでくれたやつだかわいい。

浴槽の洗濯物は、後で洗おう。

頭を軽く乾かして、拜島さんのところに戻った。

もどると、拜島さんはベッドで寝ていた。ベッドの横のテーブルに痛み止めと水が置いてあった。

痛いの我慢してたんだよね。お腹すいてたのに、ごめんなさい。

僕は、メインの電気を消した。

隣のベッドに座る。拜島さんに見えないように遠くに座った。涙が溢れてくる。傷つけてしまった。体も心も…。拜島さんを好きになる資格ないよ。

涙が溢れて止まらない。あの人との出来事が頭を過り、手が震えてきた。
怖くて、悲しくて、声がでないように口を押さえながら泣く

ふいに、後ろから抱き締められた。

えっ?

拜島「泣かないで、大丈夫ですか?」

れん「拜島さん、どうして?」

拜島「目を覚ましたら、れんさんが泣いていたから。」

拜島さんの腕をつかんで、必死で離そうとするのに離してくれない。
僕は、拜島さんに言う。

れん「僕、男ですよ。」

拜島「知ってますよ。」

れん「離して下さい。」

拜島「嫌でしたか」

れん「嫌じゃないから、困るんです。」

とっさにそう言ってしまって、顔が熱くなるのを感じた。

拜島「よかった」

そう言って、拜島さんは包帯の手を僕の頬に当てて僕の顔を自分の顔に近づける。

拜島「泣かないで」

そう言って、拜島さんは人差し指で涙をぬぐった。

れん「僕、男です。女の子じゃないんです。」

僕がそう言った瞬間、拜島さんは僕にキスをした。
えっ?頭の中が真っ白になる。
しばらく、唇を重ねた後拜島さんが

拜島「男とか女とか関係ないです。私は、れんさんを好きになったようです」
と笑った。

ずっと言いたかった言葉を先に言われてしまった。身体中が熱い。
何も言わない僕から、拜島さんは離れようとした。

拜島「すみません。嫌なのに、こんな事をしてしまって…。10年ぶりに会ったので、我慢できなくなってしまいました。」

そう言って拜島さんは、立ち上がろうとした。

れん「待って」

僕は、拜島さんの腕を掴んだ。

れん「待って下さい。」

そういうと、拜島さんは僕の隣に座った。

れん「こんな、夢みたいな事が起きるなんて思ってなくて。ビックリして、何も言えなくなってしまって。」

拜島さんは、微笑みながら僕をみていた。

れん「高校一年生の夏、拜島さんに出会った夏。最後の日に、拜島さんが好きだって気づいた。それから、ずっと拜島さんが好きで、好きで…。でも、この気持ちを伝えてはいけないって。僕は、拜島さんを満足させてあげる事はできないし、拜島さんの子供を産んであげる事もできないし、拜島さんを」

うまく言葉に出来なくて止まった僕を拜島さんは抱き締めた。

拜島「私も、ずっと前かられんさんが好きだったようです。気づいたのは、卒業式のしばらく後に亜香里さんから気持ちを伝えられた時でした。あの日、家に帰った私の頭の中にれんさんがいました。ずっと、坊っちゃんの事で会っていた時は気づきませんでした。」

そう言って拜島さんは、僕を抱き締める力を少し緩めた。

拜島「坊っちゃんに、れんさんは元気にしてるのか?と聞いたら、洋さんもれんさんも番号がかわっていて連絡が取れないと言われました。私は、ショックでした。坊っちゃんにバレないように過ごしました。でも、毎日苦しくて苦しくて」

拜島さんが、震えてる。泣いてる気がする。

拜島「また、れんさんに会う事が出来て嬉しかった。でも、あの人に会いに行くと言われた時。渡したくなくて。ついてきてしまった。」

拜島さんの涙が僕の首筋に落ちてきた

拜島「れんさんの震えてる手を掴んだ瞬間から、もう誰にも渡したくなくて。もう、我慢できなくて。」

僕は、拜島さんの気持ちに答えるように、拜島さんの体に手を回して抱き締めた。

拜島「今日は、一緒に寝ませんか?」

れん「はい。」

拜島さんは、僕の体から離れた。

れん「恥ずかしいので、後ろから抱き締めてもらえますか?」

僕は、顔が熱くてたまらなかった。

拜島「わかりました。」

そういうと、拜島さんと僕はベッドに入った。拜島さんは、僕が言った通り後ろから抱き締めてくれた。
拜島さんの包帯の巻かれた手が目にはいる。
気づいたら僕は、その手にキスをしていた。拜島さんは、それに気づいて僕の唇を指で触る。

れん「痛くないですか?」

拜島「大丈夫」

そう言ってゆっくりと僕の唇を指でこじ開けて、指を押し込んできた。頭が真っ白になる。初めての事で、何もわからなくてでも身を任せてしまう。
何度も指を出し入れされる度に、今まで出した事のない声がでる。
僕の体に当たる拜島さんのそれが大きくなるのを感じる。
その瞬間、拜島さんは僕の体を引き寄せた。
拜島さんと向かい合わせになる。
見つめ合う。拜島さんは、僕の唇に唇を重ねた。
れん「恥ずかしいです。」
僕がいうと
拜島「初めてですか?」と聞かれた。
僕は、ゆっくり頷く。

拜島「私も男の方とは初めてだから、わからない事が多いですが、れんさんに触れていたい。れんさんを私だけのものにしたい。れんさんを壊したい。」

そう言われて、身体中から火がでそうになる。
れん「僕もです。」
そういうと拜島さんはもう一度キスをしてきた。
れん「触ってもいいですか?」

拜島「どうぞ。」

僕は、拜島さんの固くなったソレをゆっくり触る。

拜島さんと僕は、この日わからないながらもお互いの気持ちをぶつけ合って抱き合った。

今までの思いをぶつけるように求めあった。

僕は、また後ろから拜島さんに抱き締めてもらいながら眠った。 




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