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目覚めた俺

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ハッ

「いてっ」

目が覚めた俺のベッドの横で

「何してんだよ!!」

「違うんだ、翔」

「違うの、翔」

妙伊子は、俺の親友の松木智也まつきともやと濃厚なキスをしながら胸を触っていた。

「ハハハ、ハハハハハハ」

下らなくて、滑稽で笑える。

「目が覚めたのよかった、翔。心配してたのよ!三ヶ月も意識がなかったから…」

「三ヶ月あれば、智也とそうなれるもんな」

「何言ってるの?」

「触んな」

あんなに、結婚したかったのに…。

妙伊子が、色褪せてしまった。

「帰ってくれ」

俺は、二人に叫んだ。

枕元に手をやると、結婚指輪があった。

【健闘を祈る!友よ。神】

そう書かれたメモがあった。

何だよ。それ…

涙が流れて落ちていく。

次の日も、妙伊子がやってきた。

「こんな場所だけど、結婚しないか?」

俺は、指輪を差し出した。

「嬉しい、嬉しいよ!翔」

妙伊子の喜ぶ姿を見ながら、どこか冷めていた。

「よかった」

そう言って、泣いてる俺

「大丈夫?翔」

触れられるのをかわす俺

ヤバい、俺。

妙伊子に触られたくない。

どうしたら、いいかわからなかった。

「ごめん、今日は疲れた」

「明日、また来るね」

「うん」

俺は、カミホンを取り出した。

本当に繋がるのか?

夢じゃないのか?

プルル、プルルー

『神だ』

「プッ、ハハハ」

『何だ、翔か』

「神だって、うけんだけど」

『どうした?』

「俺、プロポーズ成功したわ」

『よかったな!おめでとう』

「殺してくれよ」

『えっ?』

「気持ち悪いんだ。妙伊子に触られたくないんだ」

『許せなかったのか?』

「そうみたいだ」

神の声を聞いてると涙が流れてくる。

『お母さんやお父さんと、ちゃんとお別れしてこいよ!彼女だけじゃないだろ?翔を愛してくれてるのは…』

その言葉に、天ちゃんが見せてくれた両親が浮かんできた。

「そうだよな」

俺は、涙を拭った。

『翔、待ってるから!一年間、ちゃんとお別れしてこいよ』

「わかった」 

『後、明日別れる為のお土産を送っておくよ』

「ああ」

電話が切れた。

俺は、もう妙伊子とはいられない。

次の日ー

「おはよう」

「誰?」

「はぁ?お前のせいできたんだし」

「天ちゃん?」

そこには、清楚な格好をして肌が真っ白な天ちゃんがいた!

「そうだよ!翔」

「誰、翔。その人」

グッドタイミングで、妙伊子が現れた。

「初めまして、お姉さんですか?翔さんと結婚前提にお付き合いしてます。天野志保里てんのしほりです」

「何それ!どういう事?」

妙伊子は、俺を睨み付けた。

「ごめん」

「最低」

バシン…

頬をぶたれて、指輪を投げつけられた。

ホッとしていた。
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