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喜与恵と宝珠の視点
ちょっとは…
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湊は、涙を拭って笑った。
「何か、スッキリしたわ!珠理にゆうても、あんなサバサバゆわれるからさ!何か、引っ掛かりがとれたわ。ありがとうな!きよちゃん、宝珠」
湊は、喜与恵の頭を撫でてる。
「ほんなら、着替えてくるわな!」
「そこ、右側がお風呂場!」
「おう、行ってくるわ」
湊は、お風呂場に向かった。
「喜与恵、大丈夫?」
「うん。」
「何か、考えてたんだろ?」
「みなちゃんが、同じ考えだとは思わなくて…。ほら、私も絶望に始まって絶望で1日が終わるから…。宝珠といる間は、忘れようと思ってるんだけどね。」
「子孫繁栄を組み込まれてるから、苦しんでるんだよな?」
「そうだね。そうじゃなかったら、苦しむ必要はないから」
私は、喜与恵の頬に手を当てる。
男や女じゃない。子孫繁栄を組み込まれてる生き物としての本能。
それが、出来ないものの苦しみ。
同性愛者である、湊と喜与恵にとって、その苦しみは計り知れない。
割りきれるわけなどないのだ。
「喜与恵、私が女性だったら苦しまなかったね。」
「何で、そうなるの……」
「生き物としての本能に、抗わずに生きたかっただろう?」
「宝珠…。それは、無理だから」
「わかってる。それでも喜与恵の苦しみが消えて欲しい。」
「宝珠…無理だから。きっと、無理なんだよ。」
「それでも、私は喜与恵を守るから。」
「うん」
喜与恵は、笑って泣いていた。
「できたで!どうや」
「スーツがめちゃくちゃ似合うね。やっぱり、湊は!」
「おおきに」
「あのさ」
「うん?」
「私達が、百合ちゃんに会いに行くよ。二条さんは、神社から出れないから無理だけど…。私と喜与恵はいけるから!」
「ホンマか!めっちゃ喜ぶわ!百合」
「うん」
百合ちゃんは、あの日泣く事もなく帰宅してきた。
「百合は、俺なんかより強い!あの日、二条ちゃんが見せたビジョンも鮮明でめちゃくちゃ冷静やったらしい。俺は、見れんかったけど…。おとんが、言ってたわ!それが、おもろなかったからエスカレートしたんやろって話しやった。」
「そうか!やっぱり、能力者だね。百合ちゃんも…。」
「ちゃんとわかってるねん。妖艶さコントロールせなアカンって、満月はゆわれとったから!俺も、何回も痴漢にあった事あるし。豊澄も、襲われそうになった事もある。糸埜の運命の女やった人もおるやろ?」
「うん」
「あの子も、痴漢に何回もおうたんやで!広大君も、満月に嫁いでから襲われそうになった事あるから!満月の妖艶さは、ちゃんとコントロールせなアカンって!ずっーとゆわれて育ったから!せやから、百合も自分がコントロール出来んかったからってわかっとったらしいわ。おとんが、そうやってゆっとった。能力なんかもたんかったら、百合は辛い思いせんかったのにな」
「みなちゃん」
「湿っぽいのは、やめよーや!今から、未来の彼氏になる人に会いに行くんやから!百合の事は、ちょっとだけ忘れるわ!その方が百合も喜ぶしな!」
湊の強さも感じる。
満月の人は、心が強い。
歪みを強制させられる満月は、辛さ、悲しみ、痛みを誰よりも感じさせられる。
それが、満月家だった。
「そしたら、行こうか!」
「おう!行こうや!成木さんに会いにな!きよちゃん、宝珠。湿っぽい顔せんでくれよ。俺は、彼氏作れるかどうかやねんからな」
「うん」
私達は、家から出る。
「成木さんの家に迎えに行くの?」
「うん、まだあそこに住んでるみたいでね」
「ほんなら、行こうや」
私は、車を発進した。
「つきました。」
私は、成木さんに連絡をした。
「すぐ、降りてくるみたい。」
「どんな人、イケメンなん?イケメンやなくてもええけど。優しい?」
「二の腕にタトゥーが入ってる」
「タトゥー?なんや!それだけ。」
「魂は、綺麗だよ」
「それなら、ええかな」
湊は、そう言いながら笑っている。
「何か、スッキリしたわ!珠理にゆうても、あんなサバサバゆわれるからさ!何か、引っ掛かりがとれたわ。ありがとうな!きよちゃん、宝珠」
湊は、喜与恵の頭を撫でてる。
「ほんなら、着替えてくるわな!」
「そこ、右側がお風呂場!」
「おう、行ってくるわ」
湊は、お風呂場に向かった。
「喜与恵、大丈夫?」
「うん。」
「何か、考えてたんだろ?」
「みなちゃんが、同じ考えだとは思わなくて…。ほら、私も絶望に始まって絶望で1日が終わるから…。宝珠といる間は、忘れようと思ってるんだけどね。」
「子孫繁栄を組み込まれてるから、苦しんでるんだよな?」
「そうだね。そうじゃなかったら、苦しむ必要はないから」
私は、喜与恵の頬に手を当てる。
男や女じゃない。子孫繁栄を組み込まれてる生き物としての本能。
それが、出来ないものの苦しみ。
同性愛者である、湊と喜与恵にとって、その苦しみは計り知れない。
割りきれるわけなどないのだ。
「喜与恵、私が女性だったら苦しまなかったね。」
「何で、そうなるの……」
「生き物としての本能に、抗わずに生きたかっただろう?」
「宝珠…。それは、無理だから」
「わかってる。それでも喜与恵の苦しみが消えて欲しい。」
「宝珠…無理だから。きっと、無理なんだよ。」
「それでも、私は喜与恵を守るから。」
「うん」
喜与恵は、笑って泣いていた。
「できたで!どうや」
「スーツがめちゃくちゃ似合うね。やっぱり、湊は!」
「おおきに」
「あのさ」
「うん?」
「私達が、百合ちゃんに会いに行くよ。二条さんは、神社から出れないから無理だけど…。私と喜与恵はいけるから!」
「ホンマか!めっちゃ喜ぶわ!百合」
「うん」
百合ちゃんは、あの日泣く事もなく帰宅してきた。
「百合は、俺なんかより強い!あの日、二条ちゃんが見せたビジョンも鮮明でめちゃくちゃ冷静やったらしい。俺は、見れんかったけど…。おとんが、言ってたわ!それが、おもろなかったからエスカレートしたんやろって話しやった。」
「そうか!やっぱり、能力者だね。百合ちゃんも…。」
「ちゃんとわかってるねん。妖艶さコントロールせなアカンって、満月はゆわれとったから!俺も、何回も痴漢にあった事あるし。豊澄も、襲われそうになった事もある。糸埜の運命の女やった人もおるやろ?」
「うん」
「あの子も、痴漢に何回もおうたんやで!広大君も、満月に嫁いでから襲われそうになった事あるから!満月の妖艶さは、ちゃんとコントロールせなアカンって!ずっーとゆわれて育ったから!せやから、百合も自分がコントロール出来んかったからってわかっとったらしいわ。おとんが、そうやってゆっとった。能力なんかもたんかったら、百合は辛い思いせんかったのにな」
「みなちゃん」
「湿っぽいのは、やめよーや!今から、未来の彼氏になる人に会いに行くんやから!百合の事は、ちょっとだけ忘れるわ!その方が百合も喜ぶしな!」
湊の強さも感じる。
満月の人は、心が強い。
歪みを強制させられる満月は、辛さ、悲しみ、痛みを誰よりも感じさせられる。
それが、満月家だった。
「そしたら、行こうか!」
「おう!行こうや!成木さんに会いにな!きよちゃん、宝珠。湿っぽい顔せんでくれよ。俺は、彼氏作れるかどうかやねんからな」
「うん」
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「成木さんの家に迎えに行くの?」
「うん、まだあそこに住んでるみたいでね」
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「つきました。」
私は、成木さんに連絡をした。
「すぐ、降りてくるみたい。」
「どんな人、イケメンなん?イケメンやなくてもええけど。優しい?」
「二の腕にタトゥーが入ってる」
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「魂は、綺麗だよ」
「それなら、ええかな」
湊は、そう言いながら笑っている。
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