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光珠の視点
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『さよなら』
「希海さんにヤキモチを妬いたんだろ?自分がしたかったんだろ?また、こんなのでお預けを食らわしていなくなるつもりなのかよ?ちゃんと責任とれよ」
私は、麗奈の手を強く握った。
『離して』
怯えた目で、睨み付けてる。
もっと、嫌いになれ。
私の事をもっと嫌いになってくれ。
「そんな生ぬるいキスで終わらせれるわけないだろ?」
『んんっ、やっ…』
バシン……。
また、頬を叩かれた。
『どうして、酷いよ。光珠。』
「うるさい、黙れ」
『やっ、やめて、んんっ』
バシン……。
『何で、こんな酷い事するの?』
「お前が私に、酷い事を言ったんだよ!わからないのか?21歳で死んだような人間には、わからないよな。所詮、クソガキだったって事だよな。」
バシン……。
『今まで、そんな言い方した事ないよね。こんな酷い事も…』
「今まで?たった、4年しかいなかったのに、私の何を知ってるんだ?一度、結婚したぐらいで私の全てを知ってると思ってるなら大間違いだよ。お前が、私の全てを知ってるわけないだろ。20年も前に、私を捨てて勝手に死んだのだから」
バチン……。
さっきより、強い力で叩かれた。
「テメー。ふざけんなよ。」
わざと、腕を力強く掴んだ。
『やめて』
「うるせー。」
『んんっ、はぁはぁ。やっ…』
わざと舌をねじ込んだキスをする。
ガリっ……。
麗奈に、唇を噛まれた。
「イッ……」
バシン…………
頬を叩いてしまった。
ボタボタと血が、流れる。
『酷い』
こんな終わらせ方しか、出来なくてごめん。
「ほら、指貸せよ。はめてやるから」
『嫌、やめて。そんな風に私の想い出を汚(けが)さないで。』
「つけて、欲しいって言ったのお前だろ?貸せよ」
『嫌よ。やめて!こんなの光珠じゃない。私が、愛した光珠じゃない。』
「知ってるなら、言うなよ。お前が、愛した光珠は20年前に死んだんだよ。お前と一緒に」
『酷い、最低。あんたなんか嫌いよ。どっかいって』
「じゃあ、これは自分ではめるんだな」
私は、麗奈にわざと指輪を投げつけて立ち上がった。
ありがとう、そう言ってくれて。
泣いてるのをバレないようにしながら、立ち上がって歩き出した。
『酷いよーー、あ、ああ』
麗奈を抱き締めてあげたかった。
ごめんねって、言ってあげたかった。
私は、綺麗に終わらせられなかった。
ガチャ……。
「不器用ですね」
「宝珠!!見てたのか?」
「はい。途中からですけど」
「希海さんは?」
「喜与恵とパフェを食べに行きました。」
「聞かれてないなら、よかった。」
「血が出てますよ。」
宝珠に、ハンカチを渡された。
「これで、よかったんだよ。」
「よくないでしょう。こんなお別れは、お互いによくない。」
「仕方ないだろ?私は、麗奈と一日で別れられないんだよ。」
「誰が、一日で別れろと言いましたか?」
私は、宝珠を見つめた。
「妊婦さんじゃない方がお別れをしやすいですか?」
「何を言ってる」
「二条に頼めばいいんですよ。最大一週間しかいれないですが、きちんとお別れしてはどうですか?」
「能力者が、そんな事をしてどうなる。」
「どうなるとは?光珠が、前に進めるだけですよ。」
「希海さんに悪い」
「その宙ぶらりんな気持ちで向き合われている方が宮部さんに悪いと思いますけどね。」
「もう、いいよ。」
歩きだそうとした腕を掴まれた。
「今すぐ戻って、ごめんねと言うべきです。そして、彼女にちゃんとしたお別れをしようと話すべきです。」
「無理だよ。二条さんにお願いしてどうするんだよ。」
「光珠が、前に進めるんです。誰の為でもありません。一度ぐらい自分の為に使ってもらっても罰(ばち)は当たりませんよ。ほら、謝ってきなさい。」
私は、宝珠に肩を叩かれた。
「彼女を殴り傷つける、最低な男として終わりにするのはやめなさい。だから、ほら謝ってきなさい。」
私は、宝珠に背中を押されてゆっくりと歩きだした。
「希海さんにヤキモチを妬いたんだろ?自分がしたかったんだろ?また、こんなのでお預けを食らわしていなくなるつもりなのかよ?ちゃんと責任とれよ」
私は、麗奈の手を強く握った。
『離して』
怯えた目で、睨み付けてる。
もっと、嫌いになれ。
私の事をもっと嫌いになってくれ。
「そんな生ぬるいキスで終わらせれるわけないだろ?」
『んんっ、やっ…』
バシン……。
また、頬を叩かれた。
『どうして、酷いよ。光珠。』
「うるさい、黙れ」
『やっ、やめて、んんっ』
バシン……。
『何で、こんな酷い事するの?』
「お前が私に、酷い事を言ったんだよ!わからないのか?21歳で死んだような人間には、わからないよな。所詮、クソガキだったって事だよな。」
バシン……。
『今まで、そんな言い方した事ないよね。こんな酷い事も…』
「今まで?たった、4年しかいなかったのに、私の何を知ってるんだ?一度、結婚したぐらいで私の全てを知ってると思ってるなら大間違いだよ。お前が、私の全てを知ってるわけないだろ。20年も前に、私を捨てて勝手に死んだのだから」
バチン……。
さっきより、強い力で叩かれた。
「テメー。ふざけんなよ。」
わざと、腕を力強く掴んだ。
『やめて』
「うるせー。」
『んんっ、はぁはぁ。やっ…』
わざと舌をねじ込んだキスをする。
ガリっ……。
麗奈に、唇を噛まれた。
「イッ……」
バシン…………
頬を叩いてしまった。
ボタボタと血が、流れる。
『酷い』
こんな終わらせ方しか、出来なくてごめん。
「ほら、指貸せよ。はめてやるから」
『嫌、やめて。そんな風に私の想い出を汚(けが)さないで。』
「つけて、欲しいって言ったのお前だろ?貸せよ」
『嫌よ。やめて!こんなの光珠じゃない。私が、愛した光珠じゃない。』
「知ってるなら、言うなよ。お前が、愛した光珠は20年前に死んだんだよ。お前と一緒に」
『酷い、最低。あんたなんか嫌いよ。どっかいって』
「じゃあ、これは自分ではめるんだな」
私は、麗奈にわざと指輪を投げつけて立ち上がった。
ありがとう、そう言ってくれて。
泣いてるのをバレないようにしながら、立ち上がって歩き出した。
『酷いよーー、あ、ああ』
麗奈を抱き締めてあげたかった。
ごめんねって、言ってあげたかった。
私は、綺麗に終わらせられなかった。
ガチャ……。
「不器用ですね」
「宝珠!!見てたのか?」
「はい。途中からですけど」
「希海さんは?」
「喜与恵とパフェを食べに行きました。」
「聞かれてないなら、よかった。」
「血が出てますよ。」
宝珠に、ハンカチを渡された。
「これで、よかったんだよ。」
「よくないでしょう。こんなお別れは、お互いによくない。」
「仕方ないだろ?私は、麗奈と一日で別れられないんだよ。」
「誰が、一日で別れろと言いましたか?」
私は、宝珠を見つめた。
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「何を言ってる」
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「その宙ぶらりんな気持ちで向き合われている方が宮部さんに悪いと思いますけどね。」
「もう、いいよ。」
歩きだそうとした腕を掴まれた。
「今すぐ戻って、ごめんねと言うべきです。そして、彼女にちゃんとしたお別れをしようと話すべきです。」
「無理だよ。二条さんにお願いしてどうするんだよ。」
「光珠が、前に進めるんです。誰の為でもありません。一度ぐらい自分の為に使ってもらっても罰(ばち)は当たりませんよ。ほら、謝ってきなさい。」
私は、宝珠に肩を叩かれた。
「彼女を殴り傷つける、最低な男として終わりにするのはやめなさい。だから、ほら謝ってきなさい。」
私は、宝珠に背中を押されてゆっくりと歩きだした。
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