16 / 94
人形を愛した男
人形を愛した男①
しおりを挟む
「まずは、人形を愛した人に会いに行こう」
私は、宮部さんと喜与恵と話した。
「停めてきました。」
「光珠さん、行きましょう」
宮部さんの笑顔を見つめながら思うのは、幸せになって欲しいと言うことと、私にはその笑顔はさせられないって事だ。
「お茶飲みますか?」
「うん」
宮部さんは、小さなペットボトルを差し出した。
「宝珠、これあげる」
「ありがとう」
私は、喜与恵にお茶をもらった。
「辛いの大丈夫でした?」
「無理だったよ。でも、美味しかったよ。キムチとチーズがはいっていて。」
「あー。もう、私が食べたかったのに!!」
「帰って、自分で作ればいいだろ?喜与恵」
「もう、知らないです。」
「怒るなよ!それが、許されるのは20代までだよ。喜与恵」
「見た目は、53に見えないですから!!」
「まぁ、確かにね」
喜与恵は、怒りながら歩いて行く。
「ここだな!」
ピンポーン
「はい」
「三日月宝珠です。」
「あーー。大きくなったね。宝珠君」
「お話を聞きたいのですが?」
「あの、オカルトライターの宮部希海です。」
「ハッハッハ、私は、オカルト案件か!!どうぞ、入って」
「お邪魔します。」
私達、四人を通してくれる。
三日月を破門にされたこの人。
私が、3歳の時だった。
この人は、19歳だった。
「珈琲は、飲めるかな?」
「はい」
「待っていてくれ」
「はい」
彼は、キッチンに向かった。
「まだ、能力があるのですね」
「占い師をやってるのか」
「サイキックですね。かなりの能力が、あるのではないですか?」
「そうだよ」
珈琲を持ってやってきてくれた。
「私は、見えないものを使って、電話占いをやっているんだ。」
「幽体を飛ばして見てるのですね」
「そうだよ、宝珠君。宮部さんだっけ?」
「はい」
「インタビューを受けようか?録音するんだろ?」
「はい」
宮部さんは、ボイスレコーダーを取り出した。
「喜与恵と三津木光珠だね。」
「なぜ?」
「三日月のものに関わる全ては知っているよ」
そう言って笑った。
「まずは、私の自己紹介だね。私は、三日月ニ珠(にじゅ)の弟だ。川澄藤吉(かわすみときち)。大々、サイキックを駆使して占いをして生計をたててる一族だ。私達は、幽体を飛ばして占いをするやり方だ。その能力をかわれた。兄の二郎が三日月に嫁いだ。私も、一緒についていった。それは、能力向上の為だった。私達は、四人兄弟だから…。誰が継ごうが大差なかったのだよ。」
川澄さんは、珈琲を飲んで笑った。
「何歳で、三日月にきたのですか?」
宮部さんは、質問した。
「私は、15歳で三日月についていったよ。兄は、7歳離れていてね。迷わずついてきたよ。」
「それから、どうなったのですか?」
「それから、必死に能力を練習したよ。血を酌み交わしたりして、能力はどんどん強くなった。17歳の夏。私は、既婚者に恋をした。彼女は、40歳だった。専業主婦でね。優しい人だった。既婚者に恋はしてはいけないだろ?それでも、落雷に打たれたような恋を止める事はできなかった。」
「お付き合いされたのですね?」
宮部さんの言葉に、川澄さんは首を縦に振った。
「秘密の恋だった。彼女は、子供ができなくてね。旦那さんも不倫をしていた。お互いに世間体を気にして一緒にいるだけの関係だった。それでも、彼女は旦那さんを愛していたのを私はわかっていた。」
川澄さんは、涙を拭っている。
「それで、どうなったのですか?」
宮部さんの言葉に、川澄さんは…
話しづらそうにしながら、話した。
「私が、18歳になってすぐに事故死しましたよ。」
「事故死ですか?」
「夫の不倫相手を殺そうとして、誤って転落しました。」
「なぜ、殺そうとしたのですか?」
「子供が出来たからですよ。それは、彼女にとっての裏切りだった。お互いに、ルールがあったからですよ。」
「不倫相手は?」
「死にましたよ。お腹の子と一緒に」
「どうして?」
「彼女が、執念で引きずり下ろしたからです。紐をひっかけてね。私は、幽体からのビジョンでそれを見せられた。」
川澄さんは、泣いている。
私達は、それを見つめる事しか出来なかった。
私は、宮部さんと喜与恵と話した。
「停めてきました。」
「光珠さん、行きましょう」
宮部さんの笑顔を見つめながら思うのは、幸せになって欲しいと言うことと、私にはその笑顔はさせられないって事だ。
「お茶飲みますか?」
「うん」
宮部さんは、小さなペットボトルを差し出した。
「宝珠、これあげる」
「ありがとう」
私は、喜与恵にお茶をもらった。
「辛いの大丈夫でした?」
「無理だったよ。でも、美味しかったよ。キムチとチーズがはいっていて。」
「あー。もう、私が食べたかったのに!!」
「帰って、自分で作ればいいだろ?喜与恵」
「もう、知らないです。」
「怒るなよ!それが、許されるのは20代までだよ。喜与恵」
「見た目は、53に見えないですから!!」
「まぁ、確かにね」
喜与恵は、怒りながら歩いて行く。
「ここだな!」
ピンポーン
「はい」
「三日月宝珠です。」
「あーー。大きくなったね。宝珠君」
「お話を聞きたいのですが?」
「あの、オカルトライターの宮部希海です。」
「ハッハッハ、私は、オカルト案件か!!どうぞ、入って」
「お邪魔します。」
私達、四人を通してくれる。
三日月を破門にされたこの人。
私が、3歳の時だった。
この人は、19歳だった。
「珈琲は、飲めるかな?」
「はい」
「待っていてくれ」
「はい」
彼は、キッチンに向かった。
「まだ、能力があるのですね」
「占い師をやってるのか」
「サイキックですね。かなりの能力が、あるのではないですか?」
「そうだよ」
珈琲を持ってやってきてくれた。
「私は、見えないものを使って、電話占いをやっているんだ。」
「幽体を飛ばして見てるのですね」
「そうだよ、宝珠君。宮部さんだっけ?」
「はい」
「インタビューを受けようか?録音するんだろ?」
「はい」
宮部さんは、ボイスレコーダーを取り出した。
「喜与恵と三津木光珠だね。」
「なぜ?」
「三日月のものに関わる全ては知っているよ」
そう言って笑った。
「まずは、私の自己紹介だね。私は、三日月ニ珠(にじゅ)の弟だ。川澄藤吉(かわすみときち)。大々、サイキックを駆使して占いをして生計をたててる一族だ。私達は、幽体を飛ばして占いをするやり方だ。その能力をかわれた。兄の二郎が三日月に嫁いだ。私も、一緒についていった。それは、能力向上の為だった。私達は、四人兄弟だから…。誰が継ごうが大差なかったのだよ。」
川澄さんは、珈琲を飲んで笑った。
「何歳で、三日月にきたのですか?」
宮部さんは、質問した。
「私は、15歳で三日月についていったよ。兄は、7歳離れていてね。迷わずついてきたよ。」
「それから、どうなったのですか?」
「それから、必死に能力を練習したよ。血を酌み交わしたりして、能力はどんどん強くなった。17歳の夏。私は、既婚者に恋をした。彼女は、40歳だった。専業主婦でね。優しい人だった。既婚者に恋はしてはいけないだろ?それでも、落雷に打たれたような恋を止める事はできなかった。」
「お付き合いされたのですね?」
宮部さんの言葉に、川澄さんは首を縦に振った。
「秘密の恋だった。彼女は、子供ができなくてね。旦那さんも不倫をしていた。お互いに世間体を気にして一緒にいるだけの関係だった。それでも、彼女は旦那さんを愛していたのを私はわかっていた。」
川澄さんは、涙を拭っている。
「それで、どうなったのですか?」
宮部さんの言葉に、川澄さんは…
話しづらそうにしながら、話した。
「私が、18歳になってすぐに事故死しましたよ。」
「事故死ですか?」
「夫の不倫相手を殺そうとして、誤って転落しました。」
「なぜ、殺そうとしたのですか?」
「子供が出来たからですよ。それは、彼女にとっての裏切りだった。お互いに、ルールがあったからですよ。」
「不倫相手は?」
「死にましたよ。お腹の子と一緒に」
「どうして?」
「彼女が、執念で引きずり下ろしたからです。紐をひっかけてね。私は、幽体からのビジョンでそれを見せられた。」
川澄さんは、泣いている。
私達は、それを見つめる事しか出来なかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
五年目の浮気、七年目の破局。その後のわたし。
あとさん♪
恋愛
大恋愛での結婚後、まるまる七年経った某日。
夫は愛人を連れて帰宅した。(その愛人は妊娠中)
笑顔で愛人をわたしに紹介する夫。
え。この人、こんな人だったの(愕然)
やだやだ、気持ち悪い。離婚一択!
※全15話。完結保証。
※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第四弾。
今回の夫婦は子無し。騎士爵(ほぼ平民)。
第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』
第二弾『そういうとこだぞ』
第三弾『妻の死で思い知らされました。』
それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。
※この話は小説家になろうにも投稿しています。
※2024.03.28 15話冒頭部分を加筆修正しました。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。
udonlevel2
ファンタジー
修学旅行中に異世界召喚された教師、中園アツシと中園の生徒の姫島カナエと他3名の生徒達。
他の三人には国が欲しがる力があったようだが、中園と姫島のスキルは文字化けして読めなかった。
その為、城を追い出されるように金貨一人50枚を渡され外の世界に放り出されてしまう。
教え子であるカナエを守りながら異世界を生き抜かねばならないが、まずは見た目をこの世界の物に替えて二人は慎重に話し合いをし、冒険者を雇うか、奴隷を買うか悩む。
まずはこの世界を知らねばならないとして、奴隷市場に行き、明日殺処分だった虎獣人のシュウと、妹のナノを購入。
シュウとナノを購入した二人は、国を出て別の国へと移動する事となる。
★他サイトにも連載中です(カクヨム・なろう・ピクシブ)
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
大嫌いな聖女候補があまりにも無能なせいで、闇属性の私が聖女と呼ばれるようになりました。
井藤 美樹
ファンタジー
たぶん、私は異世界転生をしたんだと思う。
うっすらと覚えているのは、魔法の代わりに科学が支配する平和な世界で生きていたこと。あとは、オタクじゃないけど陰キャで、性別は女だったことぐらいかな。確か……アキって呼ばれていたのも覚えている。特に役立ちそうなことは覚えてないわね。
そんな私が転生したのは、科学の代わりに魔法が主流の世界。魔力の有無と量で一生が決まる無慈悲な世界だった。
そして、魔物や野盗、人攫いや奴隷が普通にいる世界だったの。この世界は、常に危険に満ちている。死と隣り合わせの世界なのだから。
そんな世界に、私は生まれたの。
ゲンジュール聖王国、ゲンジュ公爵家の長女アルキアとしてね。
ただ……私は公爵令嬢としては生きていない。
魔族と同じ赤い瞳をしているからと、生まれた瞬間両親にポイッと捨てられたから。でも、全然平気。私には親代わりの乳母と兄代わりの息子が一緒だから。
この理不尽な世界、生き抜いてみせる。
そう決意した瞬間、捨てられた少女の下剋上が始まった!!
それはやがて、ゲンジュール聖王国を大きく巻き込んでいくことになる――
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。
なんか気が付いたら目の前に神様がいた。
異世界に転生させる相手を間違えたらしい。
元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、
代わりにどんなものでも手に入るスキルと、
どんな食材かを理解するスキルと、
まだ見ぬレシピを知るスキルの、
3つの力を付与された。
うまい飯さえ食えればそれでいい。
なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。
今日も楽しくぼっち飯。
──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。
やかましい。
食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。
貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。
前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。
最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。
更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。
【毎日更新】元魔王様の2度目の人生
ゆーとちん
ファンタジー
人族によって滅亡を辿る運命だった魔族を神々からの指名として救った魔王ジークルード・フィーデン。
しかし神々に与えられた恩恵が強力過ぎて神に近しい存在にまでなってしまった。
膨大に膨れ上がる魔力は自分が救った魔族まで傷付けてしまう恐れがあった。
なので魔王は魔力が漏れない様に自身が張った結界の中で一人過ごす事になったのだが、暇潰しに色々やっても尽きる気配の無い寿命を前にすると焼け石に水であった。
暇に耐えられなくなった魔王はその魔王生を終わらせるべく自分を殺そうと召喚魔法によって神を下界に召喚する。
神に自分を殺してくれと魔王は頼んだが条件を出された。
それは神域に至った魔王に神になるか人族として転生するかを選べと言うものだった。
神域に至る程の魂を完全に浄化するのは難しいので、そのまま神になるか人族として大きく力を減らした状態で転生するかしか選択肢が無いらしい。
魔王はもう退屈はうんざりだと言う事で神になって下界の管理をするだけになるのは嫌なので人族を選択した。
そして転生した魔王が今度は人族として2度目の人生を送っていく。
魔王時代に知り合った者達や転生してから出会った者達と共に、元魔王様がセカンドライフを送っていくストーリーです!
元魔王が人族として自由気ままに過ごしていく感じで書いていければと思ってます!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる