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そんな日々を抜け出したのは、一本の電話だった。
いつものように、NEWSを見ていた私…。
リリリーン。
けたたましくスマホが鳴り響いた。
「もしもし」
「は」
「貴女がなっこさんかしら?」
「はい」
「静樹がね、静樹が…」
その人の声は、遠くで聞こえていた。
パジャマ姿のまま、私はコートを羽織って家を出た。
言われた病室についた。
「静樹、静樹」
「何、その格好。ボサボサ頭に、スリッパもバラバラよ」
静樹は、病室のベッドで横たわっていた。
「生きててよかったー」
ヘナヘナと床に座り込んだ。
「眩暈がして、階段から落ちたぐらいで大袈裟なのよ。ゆっこちゃんが、どうせ掛けたんでしょ?」
「腕、骨折したの?」
「たいした事ないわよ」
「静樹が、いなくなったら生きていけないよ」
「いなくならないわよ」
静樹は、笑って頭を撫でてくれる。
「私のせいでごめんね。毎日、疲れてたでしょ?私が、私が」
「やっと私を見てくれた」
静樹は、笑ってくれた。
あれから、半年が過ぎていた。
「静樹、ずっと一緒にいて」
「わかってる」
静樹は、ずっと頭を撫でてくれていた。
私は、勝手に病院に泊まってしまった。
目が覚めると、静樹はご飯を上手に食べれないようだった。
「利き手だもんね」
「おはよう」
私は、静樹にご飯を食べさせてあげた。
「ありがとう」
静樹は、その日のお昼には退院できた。
私は、それから静樹のお世話をした。
「お風呂は、一人でいけるわよ」
「ダメ」
「そこは、洗わなくても」
「ダメ」
静樹のお世話をするだけで、私は、一気に回復したのだった。
そして、2ヶ月後。
静樹のお世話は、終わった。
「やっと、手が動かせるわ」
静樹は、嬉しそうにしていた。
「今日、光の従兄弟と弟に会いに行くのついてきてくれる?」
「いいわよ」
静樹と一緒に、お墓に来た。
「兄は、永代供養になりました。桜の木の樹木葬見つけたんです」
そう言って、川北さんは笑った。
「桜の季節にだけ、兄を思い出してあげてください。」
「なっこさん、これからもちょくちょく会いましょう。これも、何かの縁やと思います。なっこさんが、前に進んでいく姿を…。春樹と俺に、見届けさせて下さい。」
そう冬木さんに言われた。
それから、私達はちょくちょく会うようになった。
それから、あっという間に季節が巡り、またこの季節がやってきた。
「まだ、咲いてるね」
「ほんとね」
私は、静樹とあの桜の木の下に来ていた。
いっときとは違って、光の事件は薄れられていた。
「花束の数は、少しね」
「もう一人の人が殺されなくてよかったから」
「そうね」
私は、静樹と手を合わせた。
「明日、お墓に行きましょうね」
「うん」
静樹と手を繋いで歩きだした。
あれから私は、静樹をより一層求めた。
静樹も、また私を求めてくれた。
私達は、ゆっくり前に進む約束をした。
私は、光を静樹は、春樹さんをゆっくりと思い出にかえていく。
左手の薬指には、あの日の指輪が光ってる。
静樹の左手の薬指にも指輪が光っている。
私達は、これからも二人でゆっくりと進んでいく。
私は、あの日、静樹を失いたくない人間だって事を強く感じた。
そして、私は私に、静樹とキスする事とお風呂に入る事を許してあげた。
光や春樹さんが、残した言葉達は、私と静樹を縛り付けた。
小さな檻に閉じ込め、飛んでいけないようにした。
私も静樹も、ずっとその場所から動けないままだった。
私はこれからも、春峰光を愛してる。
これから先も…。
でもね、ゆっくりサヨナラだよ
だって、光は、私に嘘をついたのだから…
いつものように、NEWSを見ていた私…。
リリリーン。
けたたましくスマホが鳴り響いた。
「もしもし」
「は」
「貴女がなっこさんかしら?」
「はい」
「静樹がね、静樹が…」
その人の声は、遠くで聞こえていた。
パジャマ姿のまま、私はコートを羽織って家を出た。
言われた病室についた。
「静樹、静樹」
「何、その格好。ボサボサ頭に、スリッパもバラバラよ」
静樹は、病室のベッドで横たわっていた。
「生きててよかったー」
ヘナヘナと床に座り込んだ。
「眩暈がして、階段から落ちたぐらいで大袈裟なのよ。ゆっこちゃんが、どうせ掛けたんでしょ?」
「腕、骨折したの?」
「たいした事ないわよ」
「静樹が、いなくなったら生きていけないよ」
「いなくならないわよ」
静樹は、笑って頭を撫でてくれる。
「私のせいでごめんね。毎日、疲れてたでしょ?私が、私が」
「やっと私を見てくれた」
静樹は、笑ってくれた。
あれから、半年が過ぎていた。
「静樹、ずっと一緒にいて」
「わかってる」
静樹は、ずっと頭を撫でてくれていた。
私は、勝手に病院に泊まってしまった。
目が覚めると、静樹はご飯を上手に食べれないようだった。
「利き手だもんね」
「おはよう」
私は、静樹にご飯を食べさせてあげた。
「ありがとう」
静樹は、その日のお昼には退院できた。
私は、それから静樹のお世話をした。
「お風呂は、一人でいけるわよ」
「ダメ」
「そこは、洗わなくても」
「ダメ」
静樹のお世話をするだけで、私は、一気に回復したのだった。
そして、2ヶ月後。
静樹のお世話は、終わった。
「やっと、手が動かせるわ」
静樹は、嬉しそうにしていた。
「今日、光の従兄弟と弟に会いに行くのついてきてくれる?」
「いいわよ」
静樹と一緒に、お墓に来た。
「兄は、永代供養になりました。桜の木の樹木葬見つけたんです」
そう言って、川北さんは笑った。
「桜の季節にだけ、兄を思い出してあげてください。」
「なっこさん、これからもちょくちょく会いましょう。これも、何かの縁やと思います。なっこさんが、前に進んでいく姿を…。春樹と俺に、見届けさせて下さい。」
そう冬木さんに言われた。
それから、私達はちょくちょく会うようになった。
それから、あっという間に季節が巡り、またこの季節がやってきた。
「まだ、咲いてるね」
「ほんとね」
私は、静樹とあの桜の木の下に来ていた。
いっときとは違って、光の事件は薄れられていた。
「花束の数は、少しね」
「もう一人の人が殺されなくてよかったから」
「そうね」
私は、静樹と手を合わせた。
「明日、お墓に行きましょうね」
「うん」
静樹と手を繋いで歩きだした。
あれから私は、静樹をより一層求めた。
静樹も、また私を求めてくれた。
私達は、ゆっくり前に進む約束をした。
私は、光を静樹は、春樹さんをゆっくりと思い出にかえていく。
左手の薬指には、あの日の指輪が光ってる。
静樹の左手の薬指にも指輪が光っている。
私達は、これからも二人でゆっくりと進んでいく。
私は、あの日、静樹を失いたくない人間だって事を強く感じた。
そして、私は私に、静樹とキスする事とお風呂に入る事を許してあげた。
光や春樹さんが、残した言葉達は、私と静樹を縛り付けた。
小さな檻に閉じ込め、飛んでいけないようにした。
私も静樹も、ずっとその場所から動けないままだった。
私はこれからも、春峰光を愛してる。
これから先も…。
でもね、ゆっくりサヨナラだよ
だって、光は、私に嘘をついたのだから…
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