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手紙
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【なっこへ】
なっこに、渡したいものがある。
俺は、これから父親の借金を返すために暫くなっこに会えへんくなります。
それが、5年なのか10年なのか、いまだにわからへん。
一億円の借金の返済をしなければならへんからです。
父は、生きて失踪した為、放棄もできへん。
だから、なっこにきちんとお別れを告げたいと思ったんや。
だけど、なっこと過ごすうちになっこの傍から離れられへんくなった。
誰かになっこをとられたない。
なっこは、利害の一致やって笑たけど…。
俺の中では、何の一致もしてへんかった。
それでも、体だけでも求められるんやったらって、繋がれるんやったらって、そうやってるうちに、どんどん空しさが広がっていった。
なっことおんのに、空しくて、空っぽで、穴ボコが開いた心ん中を埋める方法が見つからへんかった。
ただ、ただ、空しくて
だん、だん、生きてるんもむなしなってきた
なっこは、恋なんてしないゆうてたけど、恋を見つけたら俺なんか捨てて別のやつに飛んでいく
それを俺は、痛いぐらいにわかっとる。
だから、俺はなっこが新しい恋を見つけたら、この世界から消える。
「えっ?」
私の言葉に、冬木さんは手紙を読むのをやめた。
「ここで、読むのやめようか?」
「ううん」
「自分のせいで、光がいななった思っとる?」
図星だった。
私は、答えられなかった。
「それは、ちゃうで。俺は、この手紙だけやなくて。光と直接何度も話しとる」
「えっ…。うん」
「なっこさんの事、聞いとったで。どない事があっても幸せにしたいやつがおるねんって。そうそう、再会して。一夜共にしたやろ?」
「はい」
「素直やなー。あん時も連絡があったわ。俺は、やっぱりなっこに初めてあげれてよかったわーって。光、めちゃくちゃモテたんやで!せやけど、全部断ってたで。どうしても、初めてはとっときたいんやーゆうてな」
冬木さんは、やっぱり光にソックリだ。
「で、捧げれた日にかけてきて。なっこの為なら、都合いい男でええんやってゆうてたわ。」
その笑顔が、光と重なっていく。
「どうして?従兄弟どうして同じ名前なんですか?」
「あー。そっち?気になったん?」
「はい」
「俺と光は、同い年やねん。関西とこっちで産まれたやろ?まさか、同じ名前って知らんかったんよ。知った時には、もう遅かったって話やな。ほら、光のおとんの妹が俺のおかんやから!」
「そうだったんだね」
「なっこさんは、光が好きやったん?」
「気づきませんでした。あのNEWSが流れるまで」
そう言った私に、冬木さんはハンカチを渡してくれた。
「そうゆうんあるよな。失ってから気づくってやつな」
「そうですね」
「後悔したん?」
「はい」
「後悔するよな。俺もそれわかるわ」
冬木さんは、遠くを見つめていた。
「本当に、光は殺されたんでしょうか?」
「さあな。まだ、何もわかってへん。ただ、あの日、この場所で光が消えたんだけは事実や。後の事実は、わからへん。」
「そうですよね」
「続き、読もか?」
「はい、最後まで読んで下さい」
「わかった。」
冬木さんは、手紙の続きを読む。
なっこに、渡したいものがある。
俺は、これから父親の借金を返すために暫くなっこに会えへんくなります。
それが、5年なのか10年なのか、いまだにわからへん。
一億円の借金の返済をしなければならへんからです。
父は、生きて失踪した為、放棄もできへん。
だから、なっこにきちんとお別れを告げたいと思ったんや。
だけど、なっこと過ごすうちになっこの傍から離れられへんくなった。
誰かになっこをとられたない。
なっこは、利害の一致やって笑たけど…。
俺の中では、何の一致もしてへんかった。
それでも、体だけでも求められるんやったらって、繋がれるんやったらって、そうやってるうちに、どんどん空しさが広がっていった。
なっことおんのに、空しくて、空っぽで、穴ボコが開いた心ん中を埋める方法が見つからへんかった。
ただ、ただ、空しくて
だん、だん、生きてるんもむなしなってきた
なっこは、恋なんてしないゆうてたけど、恋を見つけたら俺なんか捨てて別のやつに飛んでいく
それを俺は、痛いぐらいにわかっとる。
だから、俺はなっこが新しい恋を見つけたら、この世界から消える。
「えっ?」
私の言葉に、冬木さんは手紙を読むのをやめた。
「ここで、読むのやめようか?」
「ううん」
「自分のせいで、光がいななった思っとる?」
図星だった。
私は、答えられなかった。
「それは、ちゃうで。俺は、この手紙だけやなくて。光と直接何度も話しとる」
「えっ…。うん」
「なっこさんの事、聞いとったで。どない事があっても幸せにしたいやつがおるねんって。そうそう、再会して。一夜共にしたやろ?」
「はい」
「素直やなー。あん時も連絡があったわ。俺は、やっぱりなっこに初めてあげれてよかったわーって。光、めちゃくちゃモテたんやで!せやけど、全部断ってたで。どうしても、初めてはとっときたいんやーゆうてな」
冬木さんは、やっぱり光にソックリだ。
「で、捧げれた日にかけてきて。なっこの為なら、都合いい男でええんやってゆうてたわ。」
その笑顔が、光と重なっていく。
「どうして?従兄弟どうして同じ名前なんですか?」
「あー。そっち?気になったん?」
「はい」
「俺と光は、同い年やねん。関西とこっちで産まれたやろ?まさか、同じ名前って知らんかったんよ。知った時には、もう遅かったって話やな。ほら、光のおとんの妹が俺のおかんやから!」
「そうだったんだね」
「なっこさんは、光が好きやったん?」
「気づきませんでした。あのNEWSが流れるまで」
そう言った私に、冬木さんはハンカチを渡してくれた。
「そうゆうんあるよな。失ってから気づくってやつな」
「そうですね」
「後悔したん?」
「はい」
「後悔するよな。俺もそれわかるわ」
冬木さんは、遠くを見つめていた。
「本当に、光は殺されたんでしょうか?」
「さあな。まだ、何もわかってへん。ただ、あの日、この場所で光が消えたんだけは事実や。後の事実は、わからへん。」
「そうですよね」
「続き、読もか?」
「はい、最後まで読んで下さい」
「わかった。」
冬木さんは、手紙の続きを読む。
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