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化け物に戻るまで、残り…
0時間…
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宮部さんが、どれだけの傷や痛みを抱えてるかちゃんとわかっている。
体に入る僅かな力さえも、見逃さなかった。
宮部さんの体と心に植え付けられた恐怖や痛みや悲しみは、そう簡単には消えないのがわかってる。
大丈夫、宮部さんが新しく出会う人がちゃんと宮部さんの想いを汲み取ってくれるから…。
私は、知ってる。
彼なら、大丈夫だってわかってるから…。
何度も、何度も、唇を重ねた。
「もっと、深いキスをして欲しい」
「わかった」
私は、宮部さんに深いキスをする。
幽体達のように、キスをして取り除いてあげれるならそうしたかった。
「宝珠、愛してる」
「希海、愛してる」
優しくしてあげたい。
「んんっ…好き。好き」
「うん、好きだよ」
泣かないで、欲しい。
さよならが、悲しみの色に染まる。
笑ってお別れしたいのに、私も涙を流してしまう。
「宝珠、泣かないで」
「希海も、泣かないで」
宮部さんは、私の涙を拭ってくれる。
「宝珠ともっと早くに出会いたかった。」
「私もだよ。」
「でも、人生にそんなのはないのよね。わかってるから…。ちゃんと、わかってるから」
「そうだね」
私は、宮部さんを抱き締める。
このまま、離したくない。
一生一緒にいれたら、どれだけ嬉しい事だろう…。
どれだけ、幸せな事だろうか…。
このまま、人間として生きていけたら…。
それだけで、幸せだと思う。
でも、それは出来ない。
師匠を封じ込めなければ、無垢な幽体がもっと犠牲になる。
10分前なのを確認して、私は起き上がった。
「服、着せるよ」
「そんなのしなくていい」
「ほら、ブラジャーとめてあげるから、ねっ…。」
「うん、ありがとう」
私は、ブラジャーのホックを止めた。
シャツのボタンを止めていく。
「宝珠も、セーター着て」
「ありがとう」
宮部さんは、セーターを着せてくれた。
「希海、髪留めつけてるの見せてくれる?」
「うん」
「これを持っていて」
私は、右手首にはめてる数珠のブレスレットを一つ渡した。
「どうして?」
「サイズは、直してないからポケットにでもいれていて」
「どうして?渡してくれるの?」
「希海を守って導いてくれるから…。少し待ってね」
私は、数珠を握りしめてエネルギーを閉じ込めた。
「大丈夫!これからは、幸せな愛に包まれて生きて行く。希海が、私に見えているよ。」
私は、希海の手に数珠を握りしめさせる。
「もう、時間がないでしょ?キスして、抱き締めて」
「うん」
私は、キスをした。
長く深く優しく、ありったけの愛を込めて…。
唇を離して、希海をギュッと抱き締める。
「愛してるよ、希海。ありがとう。今日一日を私にくれて」
「私も、ありがとう。今日一日を私にくれて。愛してる、宝珠」
私は、もう一度キスをして希海から離れた。
ドクン……。
「時間みたいだ。」
私は、その場に座る。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
「はぁ、はぁ、はぁ。」
「宝珠」
「触(ふ)れたら駄目だ。」
宮部さんは、泣いている。
本当は、家に送り届けるまで化け物にならないでおきたかった。
だけど、宮部さんといたかったから…。
「うわぁーーー。はぁ、はぁ」
叫び声と共にボタボタと血が落ちた。
「宝珠」
「化け物になったみたいだ。」
「髪留め、つけるね」
宮部さんは、泣きながら笑っていた。
「うん」
「用意しなくちゃいけないよね」
「ああ、片付けは糸埜(いとの)に頼んでおくからシンクにだけ下げておこうかな」
「わかった」
私と宮部さんは、リビングにもどる。
「片付けるから、希海はつけてて」
「うん」
私は、さっきのものを下げていく。
宮部さんとたった一日しかないのは、嫌だった。
本当に、嫌だった。
「出来たよ」
「凄く、素敵だね」
涙が止めどなく流れてくる。
お別れは、嫌だ。
みんなといたい。
宮部さんの彼氏になりたかった。
「そろそろ行くよね!みんなとお別れしなくちゃ駄目でしょ?」
「そうだね。」
宮部さんは、立ち上がった。
私は、扉を開ける。
宮部さんは、家から出た。
人間に触(ふ)れられない事以外、何も変わらないからよけいに辛い。
「家まで、送ろうか?」
「嫌です」
「嫌とは」
「最後まで、いたい。無理ですか?」
「わからないけれど、巫女に聞いてみようか」
私は、エレベーターを降りて、宮部さんの為に助手席を開いた。
楽しかったよ、宮部さん。
運転席に、乗り込んで神社に向かう。
体に入る僅かな力さえも、見逃さなかった。
宮部さんの体と心に植え付けられた恐怖や痛みや悲しみは、そう簡単には消えないのがわかってる。
大丈夫、宮部さんが新しく出会う人がちゃんと宮部さんの想いを汲み取ってくれるから…。
私は、知ってる。
彼なら、大丈夫だってわかってるから…。
何度も、何度も、唇を重ねた。
「もっと、深いキスをして欲しい」
「わかった」
私は、宮部さんに深いキスをする。
幽体達のように、キスをして取り除いてあげれるならそうしたかった。
「宝珠、愛してる」
「希海、愛してる」
優しくしてあげたい。
「んんっ…好き。好き」
「うん、好きだよ」
泣かないで、欲しい。
さよならが、悲しみの色に染まる。
笑ってお別れしたいのに、私も涙を流してしまう。
「宝珠、泣かないで」
「希海も、泣かないで」
宮部さんは、私の涙を拭ってくれる。
「宝珠ともっと早くに出会いたかった。」
「私もだよ。」
「でも、人生にそんなのはないのよね。わかってるから…。ちゃんと、わかってるから」
「そうだね」
私は、宮部さんを抱き締める。
このまま、離したくない。
一生一緒にいれたら、どれだけ嬉しい事だろう…。
どれだけ、幸せな事だろうか…。
このまま、人間として生きていけたら…。
それだけで、幸せだと思う。
でも、それは出来ない。
師匠を封じ込めなければ、無垢な幽体がもっと犠牲になる。
10分前なのを確認して、私は起き上がった。
「服、着せるよ」
「そんなのしなくていい」
「ほら、ブラジャーとめてあげるから、ねっ…。」
「うん、ありがとう」
私は、ブラジャーのホックを止めた。
シャツのボタンを止めていく。
「宝珠も、セーター着て」
「ありがとう」
宮部さんは、セーターを着せてくれた。
「希海、髪留めつけてるの見せてくれる?」
「うん」
「これを持っていて」
私は、右手首にはめてる数珠のブレスレットを一つ渡した。
「どうして?」
「サイズは、直してないからポケットにでもいれていて」
「どうして?渡してくれるの?」
「希海を守って導いてくれるから…。少し待ってね」
私は、数珠を握りしめてエネルギーを閉じ込めた。
「大丈夫!これからは、幸せな愛に包まれて生きて行く。希海が、私に見えているよ。」
私は、希海の手に数珠を握りしめさせる。
「もう、時間がないでしょ?キスして、抱き締めて」
「うん」
私は、キスをした。
長く深く優しく、ありったけの愛を込めて…。
唇を離して、希海をギュッと抱き締める。
「愛してるよ、希海。ありがとう。今日一日を私にくれて」
「私も、ありがとう。今日一日を私にくれて。愛してる、宝珠」
私は、もう一度キスをして希海から離れた。
ドクン……。
「時間みたいだ。」
私は、その場に座る。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
「はぁ、はぁ、はぁ。」
「宝珠」
「触(ふ)れたら駄目だ。」
宮部さんは、泣いている。
本当は、家に送り届けるまで化け物にならないでおきたかった。
だけど、宮部さんといたかったから…。
「うわぁーーー。はぁ、はぁ」
叫び声と共にボタボタと血が落ちた。
「宝珠」
「化け物になったみたいだ。」
「髪留め、つけるね」
宮部さんは、泣きながら笑っていた。
「うん」
「用意しなくちゃいけないよね」
「ああ、片付けは糸埜(いとの)に頼んでおくからシンクにだけ下げておこうかな」
「わかった」
私と宮部さんは、リビングにもどる。
「片付けるから、希海はつけてて」
「うん」
私は、さっきのものを下げていく。
宮部さんとたった一日しかないのは、嫌だった。
本当に、嫌だった。
「出来たよ」
「凄く、素敵だね」
涙が止めどなく流れてくる。
お別れは、嫌だ。
みんなといたい。
宮部さんの彼氏になりたかった。
「そろそろ行くよね!みんなとお別れしなくちゃ駄目でしょ?」
「そうだね。」
宮部さんは、立ち上がった。
私は、扉を開ける。
宮部さんは、家から出た。
人間に触(ふ)れられない事以外、何も変わらないからよけいに辛い。
「家まで、送ろうか?」
「嫌です」
「嫌とは」
「最後まで、いたい。無理ですか?」
「わからないけれど、巫女に聞いてみようか」
私は、エレベーターを降りて、宮部さんの為に助手席を開いた。
楽しかったよ、宮部さん。
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