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化け物に戻るまで、残り…
3時間、2時間…《一部修正しました。》
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Blu-rayを再生した。
私は、宮部さんと見る。
私は、このドラマが好きだった。
最初に見た時に、衝撃を受けた。
私が、関わった不妊で悩む幽体達の心情がよく描《えが》かれていたからだった。
それからは、この脚本家さんの話を見つけては見るようになった。
それだけ、この人の書く話しに私は引き込まれていった。
「よかったね。宝珠」
宮部さんは、ボロボロと泣いている。
「この人の他の作品も見てよ。私は、凄く好きなんだ。」
「しんの作品?」
「あぁ、ボーイズラブというカテゴリーわけで見ないようにしてなかった?私もそうだったから…」
「確かに、そうかもしれない。私には、違う世界だと思ってた。でも、今日久しぶりに見て違うと思った。」
「これも、凄くいいんだよ。私のオススメだよ。」
「どれ?」
「これだよ!いつか、返しにきて希海に貸してあげる。私は、凄く好きなんだ。この話し」
宮部さんは、パッケージの裏を見て口に出す。
「【心だけが、繋がらない。】春を愛していた夏は、秋を愛していた冬に出会う。体の関係しかもたない二人の日々を彩る仲間達。そんな二人は、その関係のまま進んで行く事に苦しみ踠きながらも前に進んでいく。誰にも理解などされない二人の恋をあなたに…。しんワールド炸裂の極上のラブストーリー。宝珠、どこらへんがオススメなの?」
宮部さんは、私に聞いてきた。
「体の関係でしか繋がっていない二人の話なんだけど、その二人と出会う隣のカップル二組。一組は、同じゲイのカップル、もう一組は結婚したくないカップル。その人達と関わった事によって前に進んでく話なんだけど。多分、普通の恋愛を求めてる人なら違うかもしれないね。私は、好きなんだよ。体の関係を切り取ってるから、駄目だって世間では結構叩かれたみたいなんだけどね。私は、しんの作品が大好きだよ。この映画は、大切な事は自分が決める事って言ってる気がするんだよ。それと、これは私が取材された映画なんだ。」
「まさか、しんに?」
「そのまさかなんだよ。たまたま、私のTVを作ってた人の紹介で依頼がきてね。」
「ほんとだ!幽霊と話せる男の話しって書いてる。」
「見てみてよ。面白かったよ。まあ、私はこんな素敵な恋愛はしていないけどね。」
「【それが、運命《さだめ》と言うならば…。】幽体と話ができる遠藤は、ある日、恋をする。しかし、その恋は叶えてはいけないものだった。宝珠、悲しい恋の話?」
「まぁ、そうだね。でもね、この監督さんの映像とか綺麗だから見て欲しい。」
「宝珠を思い出せる気がする。」
「見てみてよ。凄く、素敵な話だから!私は、こんな形で私のやってる事を紹介してもらえて嬉しかった。しんの作品の一部になれてよかった。」
「見るわ、絶対に。」
「うん」
私は、宮部さんの髪を優しく撫でる。
もう、後一時間を切っていた。
あっというまだった。
時間なんて、いくらあっても足りない。
「私が、ドラマなんか見たから時間が足りなくなったね。」
「ううん。凄くよかった。宝珠が繰り返し見ていたものを見れる事が嬉しかった。」
「それなら、よかった。」
「それに、素敵なお話だった。初めて見た時は、悲しいだけの話だと思っていたけど…。今日、見て違うのがわかった。私も引き込まれちゃった。」
「希海も気に入ってくれて嬉しかった。」
私は、宮部さんを抱き締める。
「宝珠、後一時間きったね。」
「そうだね」
「寂しいよ、宝珠」
「私もだよ。希海」
宮部さんをギュッと抱き締める。
先に、進みたい気持ちとここで終わらせたい気持ちが交差している。
「宝珠、抱いてなんて女が言ったら駄目だよね」
「ううん。私も、そうしたい。」
「いいよ。宝珠なら、怖くない」
「怖かったら、やめるから」
「うん」
「ベッドに行こうか?」
「うん」
私は、宮部さんをベッドに連れていく。
ドラマを見たせいで、時間があっという間にきてしまった。
残りの時間は、宮部さんと向き合いたい。
私は、宮部さんと見る。
私は、このドラマが好きだった。
最初に見た時に、衝撃を受けた。
私が、関わった不妊で悩む幽体達の心情がよく描《えが》かれていたからだった。
それからは、この脚本家さんの話を見つけては見るようになった。
それだけ、この人の書く話しに私は引き込まれていった。
「よかったね。宝珠」
宮部さんは、ボロボロと泣いている。
「この人の他の作品も見てよ。私は、凄く好きなんだ。」
「しんの作品?」
「あぁ、ボーイズラブというカテゴリーわけで見ないようにしてなかった?私もそうだったから…」
「確かに、そうかもしれない。私には、違う世界だと思ってた。でも、今日久しぶりに見て違うと思った。」
「これも、凄くいいんだよ。私のオススメだよ。」
「どれ?」
「これだよ!いつか、返しにきて希海に貸してあげる。私は、凄く好きなんだ。この話し」
宮部さんは、パッケージの裏を見て口に出す。
「【心だけが、繋がらない。】春を愛していた夏は、秋を愛していた冬に出会う。体の関係しかもたない二人の日々を彩る仲間達。そんな二人は、その関係のまま進んで行く事に苦しみ踠きながらも前に進んでいく。誰にも理解などされない二人の恋をあなたに…。しんワールド炸裂の極上のラブストーリー。宝珠、どこらへんがオススメなの?」
宮部さんは、私に聞いてきた。
「体の関係でしか繋がっていない二人の話なんだけど、その二人と出会う隣のカップル二組。一組は、同じゲイのカップル、もう一組は結婚したくないカップル。その人達と関わった事によって前に進んでく話なんだけど。多分、普通の恋愛を求めてる人なら違うかもしれないね。私は、好きなんだよ。体の関係を切り取ってるから、駄目だって世間では結構叩かれたみたいなんだけどね。私は、しんの作品が大好きだよ。この映画は、大切な事は自分が決める事って言ってる気がするんだよ。それと、これは私が取材された映画なんだ。」
「まさか、しんに?」
「そのまさかなんだよ。たまたま、私のTVを作ってた人の紹介で依頼がきてね。」
「ほんとだ!幽霊と話せる男の話しって書いてる。」
「見てみてよ。面白かったよ。まあ、私はこんな素敵な恋愛はしていないけどね。」
「【それが、運命《さだめ》と言うならば…。】幽体と話ができる遠藤は、ある日、恋をする。しかし、その恋は叶えてはいけないものだった。宝珠、悲しい恋の話?」
「まぁ、そうだね。でもね、この監督さんの映像とか綺麗だから見て欲しい。」
「宝珠を思い出せる気がする。」
「見てみてよ。凄く、素敵な話だから!私は、こんな形で私のやってる事を紹介してもらえて嬉しかった。しんの作品の一部になれてよかった。」
「見るわ、絶対に。」
「うん」
私は、宮部さんの髪を優しく撫でる。
もう、後一時間を切っていた。
あっというまだった。
時間なんて、いくらあっても足りない。
「私が、ドラマなんか見たから時間が足りなくなったね。」
「ううん。凄くよかった。宝珠が繰り返し見ていたものを見れる事が嬉しかった。」
「それなら、よかった。」
「それに、素敵なお話だった。初めて見た時は、悲しいだけの話だと思っていたけど…。今日、見て違うのがわかった。私も引き込まれちゃった。」
「希海も気に入ってくれて嬉しかった。」
私は、宮部さんを抱き締める。
「宝珠、後一時間きったね。」
「そうだね」
「寂しいよ、宝珠」
「私もだよ。希海」
宮部さんをギュッと抱き締める。
先に、進みたい気持ちとここで終わらせたい気持ちが交差している。
「宝珠、抱いてなんて女が言ったら駄目だよね」
「ううん。私も、そうしたい。」
「いいよ。宝珠なら、怖くない」
「怖かったら、やめるから」
「うん」
「ベッドに行こうか?」
「うん」
私は、宮部さんをベッドに連れていく。
ドラマを見たせいで、時間があっという間にきてしまった。
残りの時間は、宮部さんと向き合いたい。
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