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一日をあなたに

可愛いが好きな子

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「美佐埜(みさの)さんには、これがいいと思う。」

「ありがとう」

私は、お花のヘアクリップを差し出した。

「喜んでくれると思う。希海(のぞみ)は?」

「これ、どうかな?」

キラキラ光ってるのが、三日月さんの涙みたいに見えて気になってた。

「同じ形だよね」

「お風呂上がりにも使ったり出来て便利なんですよ」

「へぇー。そうなんだね。希海によく似合ってるよ。」

「ありがとう」

私の過去の恋愛を三日月さんに話したら嫌われちゃうのかな…。

あれから、男の人が苦手になったって言ったら引いちゃうのかな?

三日月さんは、お会計をしてる。

「プレゼント包装して下さい。後で、取りにきます。」

「わかりました。」

三日月さんは、そう言うと私の手を握った。

「ファンシーですね。」

可愛い雑貨売り場にやってきた。

「糸埜(いとの)の子供がね。可愛い物が大好きでね。他の子達には、お菓子でも買ってもらおうとお金渡すつもりだったんだけど。長男にだけは、買いたくて」

「どうして?」

「糸埜を師匠って言ってるんだけど。10歳の時に、師匠、子供は諦めて下さいって言ったらしいんだ。」

「そうなんですか?」

「糸埜に聞いた。宝珠(ほうじゅ)さんを目指すのですみませんだってさ。3年前に再会して、12歳だった。雪埜(ゆきの)って言うんだ。宝珠さん、僕は宝珠さんと同じで幽体が好きです。と言われた。」

私は、笑いながらメモ帳やペンを見る。

「雪埜は、可愛い物が好きらしい。そしたら、先生に同性愛者だと思われているって私に話した。可愛いものと、スカートが好きらしい。僕は、女の子が好きです。と私に言ってきた。」

「先生は、勘違いしたのですか?」

「どうたろうか?そういうのが好きだったら、そういう分類になるのだと雪埜は言っていたけど。」

「これ、可愛いですよ。違いますか?」

「喜びそうな気がするけど。15歳の子が欲しいものはわからない。」

私は、三日月さんにノートを渡す。

「こういうのどうですか?」

「ホッチキスカバーって、使うのかな?」

「さあ?どうでしょうか?」

「動物か!雪埜が、好きそうだな」

「雪埜君は、来るの?今日」

「あー。多分、祭壇を作りにきてるはずだよ。一時に引き上げるときに帰るんじゃないかな?」

「宝珠が、いなくなるの寂しいだろうね」

「そうかも、知れないね。」

三日月さんは、雪埜君へのプレゼントを買った。

店員さんは、手際よくプレゼント包装の袋にいれてくれてる。

「ありがとうございました。」

「はい」

三日月さんは、それを受け取っていた。

「もう、買い物は終わったのでお昼食べようか?」

「はい。あの、宝珠に聞いてもらいたい話がある」

「なに?」

「夜、お酒飲んで話す。」

「わかった。私は、飲めないけど。希海は飲んでいいよ」

「うん」

「じゃあ、プレゼントとって帰ろうか。美味しいお店に連れて行きたいんだ。」

「うん」

やっぱり、私は、三日月さんに知って欲しかった。

許さないって言われた人の事を…。

【母さんも父さんも、希海と一緒になるの喜んでる。】

【冗談いってるだけだろ?】

【俺、希海の事一生許さないから】

太い針が、心の深くに刺さったのを感じた。

同じ、気持ちだと思っていた。

三日月さんは、プレゼント包装された商品を受け取ってる。

私は、今まで出会った男の人の中で三日月さんのような人を知らない。

三日月さんみたいな優しい人を知らない。

「宝珠は、下着売り場の前で、彼女が下着を選ぶのも待ってるタイプ?」

三日月さんに意地悪な質問をした。

「どうだろうか…。私が待ってる事で他の方が嫌な思いをするなら、少し離れた所で待ってるかな?」

「買い物待つのは、苦じゃないの?」

「私は、お付き合いをした事がないから、楽しいよ。こうやって、好きな人と買い物が出来るのは…。待つ時間も楽しい。」

そう言うと三日月さんは、手を握ってくれる。

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