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一日をあなたに
私を否定しない人
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「普通のラベルを貼られた途端に人は生きづらさを覚えるのだと思う。」
三日月さんは、思い出してまた涙を流した。
「私は、真理亜を見つけてね。よく話しかけに行ったんだ。それを、同級生に見られていた。」
「はい」
「人の思いを勝手に体が受け取ってね。コントロール出来なかった。数人のクラスメイトが、心の中で、私を普通じゃない。気持ち悪い。と言っていた。ある日の放課後。たまたま居た数人の気持ちをまた受け取った。三日月って普通じゃない。頭がおかしい。誰も居ないのに話してさ。また、今日も行くんだよ。本当に話してるのか、受け取ってるのか、こんがらがった私は、彼等に普通ってなんだよって叫んでしまった。」
「どうなったの?」
「気持ち悪っ、やっぱり三日月って頭おかしいんじゃないってハッキリ耳元で言われた。」
「酷いですね」
三日月さんは、首を横に振った。
「皆、普通じゃなきゃいけないって教えられて生きてるわけだから酷くないんだ。彼等も、そうやって育ってきただけなんだよ。だから、普通じゃない人に出会うと恐れ、忌み嫌うのだ。それでも、普通にしなさい!当たり前!そう言われた結果がそれならば私は仕方なかったのだと思う。彼等の普通を脅かす存在なのだから…。」
「宝珠…。」
三日月さんは、笑って私を見つめた。
「一つ言ってなかったので言いますね」
「はい」
「私は、希海が子供が嫌いでよかった。」
「えっ?」
「だって、こんな風にデートが出来るんだから。希海が、普通にするのを受け入れていたら、私は希海とこうやってデートが出来なかった。こうやって、触(ふ)れられなかった。きっと、悶々と希海への気持ちを募らせて不倫はいけないと押さえつけていただろう。それに、希海は気づいていないだけで最初から普通じゃないよ。」
三日月さんの言葉に、私は笑っていた。
「何故?」
「力があると教えたよね。気づいていないだけだと。それも、きっと子供を好きになれない原因の一つになっているんだと思う。少なからず、子供には同じ思いをさせたくない。そう思う人は沢山いる。私もそう思う。子孫繁栄したいという気持ちと同じだけ子供は欲しくないと思った。矛盾してる心と心が。それでも、三日月のものは認めてくれた。私は、希海をおかしいとは思わない。」
三日月さんは、私を否定しなかった。
「さっきも言ったけれど、希海が子供を嫌いでよかった。結婚も子供も興味がなくてよかった。」
三日月さんは、笑って私の手を握ってくれる。
「私も、宝珠が能力者で子供を授ける事の出来ない体でよかった。って思った。」
「本当にそうだね。」
私の当たり前を受け入れてくれる人。
三日月さんが、結婚も子供も諦めて幽体と過ごしてくれていたから私は三日月さんに出会えた。
「私は、矛盾だらけだ。でも、希海は違う。前も言ったけど、希海が結婚も子供も望んでるように私には見えなかった。それが、希海の中の普通なら私はそれでいいと思う。子供に嫌な顔を向けてしまうのだって仕方ない事。嫌いなものを無理に好きになる必要はないよ。」
そう言って、頭を優しく撫でてくれる。
「宝珠に出会えてよかった。」
私は、三日月さんに出会えてよかった。
「母親や親戚に、女の幸せは愛する人と結婚して子供を産み育てる事だと言われてる。歳を重ねれば言われなくなると思ったら、日に日に増えて行った。子供を持つなら年齢が、年齢がって。年齢なんか関係ある?若くても不妊で悩んでる人もいるって言うと、そんなの一握りだと笑う。私は、母親の為に結婚し子供を産むのかと思うとゾッとしていた。でも、宝珠に出会って素敵な時間を過ごして私は私の思うように生きていいのだと思えた。ありがとう、宝珠」
三日月さんは、首を縦に振った。
私を否定しない三日月さんが、やっぱり好き。
大好き。
息の出来ない檻の中から私を出してくれた人。
三日月さんは、思い出してまた涙を流した。
「私は、真理亜を見つけてね。よく話しかけに行ったんだ。それを、同級生に見られていた。」
「はい」
「人の思いを勝手に体が受け取ってね。コントロール出来なかった。数人のクラスメイトが、心の中で、私を普通じゃない。気持ち悪い。と言っていた。ある日の放課後。たまたま居た数人の気持ちをまた受け取った。三日月って普通じゃない。頭がおかしい。誰も居ないのに話してさ。また、今日も行くんだよ。本当に話してるのか、受け取ってるのか、こんがらがった私は、彼等に普通ってなんだよって叫んでしまった。」
「どうなったの?」
「気持ち悪っ、やっぱり三日月って頭おかしいんじゃないってハッキリ耳元で言われた。」
「酷いですね」
三日月さんは、首を横に振った。
「皆、普通じゃなきゃいけないって教えられて生きてるわけだから酷くないんだ。彼等も、そうやって育ってきただけなんだよ。だから、普通じゃない人に出会うと恐れ、忌み嫌うのだ。それでも、普通にしなさい!当たり前!そう言われた結果がそれならば私は仕方なかったのだと思う。彼等の普通を脅かす存在なのだから…。」
「宝珠…。」
三日月さんは、笑って私を見つめた。
「一つ言ってなかったので言いますね」
「はい」
「私は、希海が子供が嫌いでよかった。」
「えっ?」
「だって、こんな風にデートが出来るんだから。希海が、普通にするのを受け入れていたら、私は希海とこうやってデートが出来なかった。こうやって、触(ふ)れられなかった。きっと、悶々と希海への気持ちを募らせて不倫はいけないと押さえつけていただろう。それに、希海は気づいていないだけで最初から普通じゃないよ。」
三日月さんの言葉に、私は笑っていた。
「何故?」
「力があると教えたよね。気づいていないだけだと。それも、きっと子供を好きになれない原因の一つになっているんだと思う。少なからず、子供には同じ思いをさせたくない。そう思う人は沢山いる。私もそう思う。子孫繁栄したいという気持ちと同じだけ子供は欲しくないと思った。矛盾してる心と心が。それでも、三日月のものは認めてくれた。私は、希海をおかしいとは思わない。」
三日月さんは、私を否定しなかった。
「さっきも言ったけれど、希海が子供を嫌いでよかった。結婚も子供も興味がなくてよかった。」
三日月さんは、笑って私の手を握ってくれる。
「私も、宝珠が能力者で子供を授ける事の出来ない体でよかった。って思った。」
「本当にそうだね。」
私の当たり前を受け入れてくれる人。
三日月さんが、結婚も子供も諦めて幽体と過ごしてくれていたから私は三日月さんに出会えた。
「私は、矛盾だらけだ。でも、希海は違う。前も言ったけど、希海が結婚も子供も望んでるように私には見えなかった。それが、希海の中の普通なら私はそれでいいと思う。子供に嫌な顔を向けてしまうのだって仕方ない事。嫌いなものを無理に好きになる必要はないよ。」
そう言って、頭を優しく撫でてくれる。
「宝珠に出会えてよかった。」
私は、三日月さんに出会えてよかった。
「母親や親戚に、女の幸せは愛する人と結婚して子供を産み育てる事だと言われてる。歳を重ねれば言われなくなると思ったら、日に日に増えて行った。子供を持つなら年齢が、年齢がって。年齢なんか関係ある?若くても不妊で悩んでる人もいるって言うと、そんなの一握りだと笑う。私は、母親の為に結婚し子供を産むのかと思うとゾッとしていた。でも、宝珠に出会って素敵な時間を過ごして私は私の思うように生きていいのだと思えた。ありがとう、宝珠」
三日月さんは、首を縦に振った。
私を否定しない三日月さんが、やっぱり好き。
大好き。
息の出来ない檻の中から私を出してくれた人。
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