155 / 202
準備と残り時間…
まだ、生きてる
しおりを挟む
『これ、ちょうだい』
女の子は、糸埜(いとの)さんに数珠のネックレスをもらう。
『はい』
「ホンマにいけるん?」
「どうなってるのですか、礼珠さん」
やっぱり、三日月さんのお父さんだった。
その人は、数珠を握りしめると
手の中に、数珠から、血を抜き取った。
【見えぬのと死んだのは、違う事だ。】
そう言って、三日月さん、案内人さん、真理亜さんがいた場所にその血を降り注いだ。
「宝珠(ほうじゅ)、喜与恵(きよえ)、真理亜さん」
三人が、浮かび上がった。
【えー、まー。呼べるな!奴を、繋がれておるけど】
『はい、はーい。行ってきまーす。』
彼女達は、消えた。
【虎珠(とらじゅ)、五木結斗の血を持ってこい。私は、戻らねばならぬ。糸埜】
「はい」
【宝珠のつけてる数珠のネックレスを渡してくれ】
「はい」
さっきの数珠のネックレスの血を三日月さんがつけていた数珠にうつしかえる。
【先も、ずっと青き血と黒き血が宝珠を守る。】
そう言って、ネックレスを返す。
【また、時間がある時に会おう】
そう言って、三日月さんのお父さんは消えてしまった。
『礼珠(れいじゅ)は、今もまだ修行をつんどるとは聞いていたが』
『かなり、強くなったな』
『息子を守れる父になりたいと言ってたからな』
そう言って三人は、三日月さんのお父さんが消えた先を見つめている。
『連れてきました。』
「に、二条、何故です」
『時間がない。始めるよ』
『持って参りました。五木結斗の血です。こちらをお使い下さい』
「虎珠さん」
『幽体でも、手首を切れるナイフです。では、私は檻に戻ります。』
二条さんと呼ばれたその人は、五木結斗の血を三人にかける。
『始めます。』
そう言うと自分の手首を切りつけた。
ポタポタと三人に、その血が降り注いでいく。
『黒き血を分け与えられた子よ。そなたの真の力を引き出す時がきました。三日月宝珠(みかづきほうじゅ)の幽体抹消の契約を無効にします。』
【やはり、きたか!!二条】
『こんな契約は、無効です。』
【そうだな。まだ、12時だからな。】
その声の主は、ハッハハと笑った。
『黒き血は、神の使い。変わらぬ使いをやりとげる為に、今この場所にて再び生を受けとる事となった。』
真理亜さん、三日月さん、案内人さんは、さらに色が濃くなる。
【やりすぎですよ。黒宮(くろみや)】
キラキラと輝く綺麗な女の人が、降りてきた。
【ハッハハ、幽体に体を貸したからだ。しかし、今回は契約を守っていたのは全て見ていた。母よ。そなたに、全てを託します。】
【わかりました。黒宮(くろみや)。二度目は、ありませんよ】
【はい】
【下がりなさい】
【はい】
黒宮と呼ばれる方は消えていた。
その人は、三人の前に立った。
【二条、よく頑張りました。戻りなさい】
『はい』
「二条…。」
糸埜さんは、泣いている。
【黒き能力者としての全てを真っ当してから死になさい。宝珠、万珠(まんじゅ)を止めるのは、そなたの役目です。それから、あの子と交わした約束も守らねばなりませぬよ。そして、喜与恵、真理亜。宝珠が生きる世で宝珠を支えるのは、そなた達の役目です。自分の役割を真っ当せずに、死ぬ事は許されませぬよ。】
ビカッと稲光りが走った。
ドーンと音が、響き。
黄金色の閃光に包まれて、一瞬何も見えなくなってしまった。
どうなったのか、わからなかった。
ただ、三日月さんがいた事が嬉しくて、嬉しくて、私は三日月さんの肉体を泣きながら抱き締めていた。
【そなたが、やらねばならぬのですよ。三日月宝珠(みかづきほうじゅ)】
ドドーンと雷の音と閃光がまた闇夜を包んだ。
女の子は、糸埜(いとの)さんに数珠のネックレスをもらう。
『はい』
「ホンマにいけるん?」
「どうなってるのですか、礼珠さん」
やっぱり、三日月さんのお父さんだった。
その人は、数珠を握りしめると
手の中に、数珠から、血を抜き取った。
【見えぬのと死んだのは、違う事だ。】
そう言って、三日月さん、案内人さん、真理亜さんがいた場所にその血を降り注いだ。
「宝珠(ほうじゅ)、喜与恵(きよえ)、真理亜さん」
三人が、浮かび上がった。
【えー、まー。呼べるな!奴を、繋がれておるけど】
『はい、はーい。行ってきまーす。』
彼女達は、消えた。
【虎珠(とらじゅ)、五木結斗の血を持ってこい。私は、戻らねばならぬ。糸埜】
「はい」
【宝珠のつけてる数珠のネックレスを渡してくれ】
「はい」
さっきの数珠のネックレスの血を三日月さんがつけていた数珠にうつしかえる。
【先も、ずっと青き血と黒き血が宝珠を守る。】
そう言って、ネックレスを返す。
【また、時間がある時に会おう】
そう言って、三日月さんのお父さんは消えてしまった。
『礼珠(れいじゅ)は、今もまだ修行をつんどるとは聞いていたが』
『かなり、強くなったな』
『息子を守れる父になりたいと言ってたからな』
そう言って三人は、三日月さんのお父さんが消えた先を見つめている。
『連れてきました。』
「に、二条、何故です」
『時間がない。始めるよ』
『持って参りました。五木結斗の血です。こちらをお使い下さい』
「虎珠さん」
『幽体でも、手首を切れるナイフです。では、私は檻に戻ります。』
二条さんと呼ばれたその人は、五木結斗の血を三人にかける。
『始めます。』
そう言うと自分の手首を切りつけた。
ポタポタと三人に、その血が降り注いでいく。
『黒き血を分け与えられた子よ。そなたの真の力を引き出す時がきました。三日月宝珠(みかづきほうじゅ)の幽体抹消の契約を無効にします。』
【やはり、きたか!!二条】
『こんな契約は、無効です。』
【そうだな。まだ、12時だからな。】
その声の主は、ハッハハと笑った。
『黒き血は、神の使い。変わらぬ使いをやりとげる為に、今この場所にて再び生を受けとる事となった。』
真理亜さん、三日月さん、案内人さんは、さらに色が濃くなる。
【やりすぎですよ。黒宮(くろみや)】
キラキラと輝く綺麗な女の人が、降りてきた。
【ハッハハ、幽体に体を貸したからだ。しかし、今回は契約を守っていたのは全て見ていた。母よ。そなたに、全てを託します。】
【わかりました。黒宮(くろみや)。二度目は、ありませんよ】
【はい】
【下がりなさい】
【はい】
黒宮と呼ばれる方は消えていた。
その人は、三人の前に立った。
【二条、よく頑張りました。戻りなさい】
『はい』
「二条…。」
糸埜さんは、泣いている。
【黒き能力者としての全てを真っ当してから死になさい。宝珠、万珠(まんじゅ)を止めるのは、そなたの役目です。それから、あの子と交わした約束も守らねばなりませぬよ。そして、喜与恵、真理亜。宝珠が生きる世で宝珠を支えるのは、そなた達の役目です。自分の役割を真っ当せずに、死ぬ事は許されませぬよ。】
ビカッと稲光りが走った。
ドーンと音が、響き。
黄金色の閃光に包まれて、一瞬何も見えなくなってしまった。
どうなったのか、わからなかった。
ただ、三日月さんがいた事が嬉しくて、嬉しくて、私は三日月さんの肉体を泣きながら抱き締めていた。
【そなたが、やらねばならぬのですよ。三日月宝珠(みかづきほうじゅ)】
ドドーンと雷の音と閃光がまた闇夜を包んだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
よろしくお願いいたします。
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
アラフォー料理人が始める異世界スローライフ
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日突然、異世界転移してしまった料理人のタツマ。
わけもわからないまま、異世界で生活を送り……次第に自分のやりたいこと、したかったことを思い出す。
それは料理を通して皆を笑顔にすること、自分がしてもらったように貧しい子達にお腹いっぱいになって貰うことだった。
男は異世界にて、フェンリルや仲間たちと共に穏やかなに過ごしていく。
いずれ、最強の料理人と呼ばれるその日まで。
永遠の命の祈り
主道 学
児童書・童話
19世紀のロンドン
自動車というものが流行るこの霧の多い都市で、ぼくは働いていた。
「おいお前。永遠の命欲しくねえか?」
ぼくはいじめられっ子だった。
馬車が行き交うこの町に、友達が一人もいないぼくは、いつもリクたちにいじめられていた。
「いらないよ」
「そんなこと言わないでさ。きっと、面白いぞ。何たって未来永劫死ぬこともねえし、飯も食わなくても生きていけるし、毎日楽しく遊んでいられるんだぜ」
リクは金髪の間に黒髪が少しだけ混じったスコットランド出身の男の子だった。
ぼくは生粋のロンドン生まれ。
金髪の少し太った体格の14歳だった。
永遠の命を得てしまった少年の物語。
不思議な時計
孤狐🦊
SF
君たちは、過去に戻りたいと思ったことはあるか?
また未来へ行ってみたいか?
後悔したあの日を変えたい…
やれなかったことをやりたい…
僕だって“あったさ”。
これは僕が体験した話だ。
君たちにも不思議な体験をする日はいつか来るだろう。
異世界から帰ってきた勇者は既に擦り切れている。
暁月ライト
ファンタジー
魔王を倒し、邪神を滅ぼし、五年の冒険の果てに役割を終えた勇者は地球へと帰還する。 しかし、遂に帰還した地球では何故か三十年が過ぎており……しかも、何故か普通に魔術が使われており……とはいえ最強な勇者がちょっとおかしな現代日本で無双するお話です。
今世では溺れるほど愛されたい
キぼうのキ
ファンタジー
幼い頃両親を亡くし、親戚の家を転々としてきた青木ヨイは居場所がなかった。
親戚の家では煙たがられ、学校では親がいないという理由でいじめに合っていた。
何とか高校を卒業して、親戚の家を出て新しい生活を始められる。そう思っていたのに、人違いで殺されるなんて。
だが神様はヨイを見捨てていなかった。
もう一度、別の世界でチャンスを与えられた。
そこでのヨイは、大国のお姫様。
愛想、愛嬌、媚び。暗かった前世の自分に反省して、好かれるために頑張る。
そして、デロデロに愛されて甘やかされて、幸せになる!
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる