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五木結斗
乗っ取られたビジョン
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「こうなったからには、宮部さんに話しておかなければなりませんね」
「何をですか?」
私は、宮部さんの前に座った。
「実は、この神社はついになってるんです。」
「ついとは?」
「2つで、1つです。もう1つの神社は縁切り神社です。」
「縁切りですか?」
「こちらにも、ありますが…。向こうは、さらに強力です。」
「じゃあ、上條陸と五木結斗の縁を切られたって事ですか?」
私は、宮部さんに驚いた顔をした。
「私は、五木結斗と犯人の繋がりを断ち切りました。あちらで、縁を切られた所で犯人にビジョンは乗っ取れません。」
さっきの、ビジョンを思い浮かべる。
カエちゃんじゃないと駄目だと言った。
手に、何かがあった気がした。
「宮部さん」
「はい」
「上條陸に会ったら、先程のカエと呼ばれた男に会いに行きましょう」
「場所は、わかるんですか?」
「わかりません」
「じゃあ、どうやって」
「巫女にビジョンを見せてもらいます。」
私は、宮部さんと案内人の所に行く。
「五木結斗のビジョンが書き換えられている。」
「はい」
「巫女に会わせてくれ」
私の気迫に案内人は、観念して連れて行く。
「失礼します」
「何ですか?三日月宝珠」
「五木結斗のビジョンが、書き換えられている」
「そのようですね」
「大海力の相手に会いに行きたい」
「どうぞ」
巫女は、わかっていたようで紙を差し出した。
「五木結斗の記憶を改竄したのはお前か?」
「そんな事、私はしませんよ。」
「だったら、誰が」
「さあ?ただ、三日月宝珠のビジョンに入れるのは、千川二条だけです。ならば、二条ではないですか?」
「二条さんの魂は、抹消された。私は、全身で感じた。」
「ありとあらゆる骨が砕け、ありとあらゆる痛みが走り、ありとあらゆる苦しみが走り抜け、消えましたね。」
巫女は、私の手を握って言った。
「では、何故…三日月宝珠のビジョンに入れるのでしょうか?千川二条以外は、出来ないはずですよ。」
巫女は、真っ黒な唇で笑っていた。
「その答えを見つける」
「では、上條陸を連れてこれればいいですね。」
そう言って、巫女はニタニタと笑った。
私にとって、いつ会っても彼女は死神にしか見えない。
「行こう」
「はい」
宮部さんと神社を出た。
車に乗って、上條陸の家の近くにいった。
「ここですね」
「もう、帰ってしまったかな?」
「わかりません。」
私と宮部さんの前に、上條陸は現れた。
「こんにちは」
「こんにちは」
ギョッとしながらも頭を下げてくれた。
「これ、どうぞ」
「本当ですか?」
「はい」
「悪いけど、非科学的ものは、信用していない。」
宮部さんは、手紙を返される。
【陸へ】
陸、僕を綺麗にして。あの日々みたいに、僕を綺麗にして。僕は、守ったんだ。
もう、塗り替えられたくなくて守ったんだ。
なのに、どうして…
汚いよ、陸。
気持ち悪いよ、陸。
愛してるよ
さようなら
【結斗】
上條陸は、泣いていた。
「俺は、結斗を綺麗にしてあげれなかった。守れなかった。」
その言葉に、私はいつもの台詞を言った。
「亡くなった人は、愛を贈っているんです。何故?受け取ろうとしないのですか?受け取れば、謝罪や怒りなど無意味な事を知るのですよ。」
どうするべきだろうか?
五木結斗が、いない今。
私に何を見せれる。
「失礼します」
私は、1つだけ残ってる引き出しを開けた。
上條陸の、後頭部に手を当てる。
「まさか、結斗が凌平に」
「はい」
上條陸は、泣いていた。
.
.
.
.
非科学的な事は、信じないと思っていたのに…。
結斗が、凌平を好きにさせた映像を見せられて俺はこの人を信じていた。
でも、どうやってるんだ?
この人を信じていいのだろうか?
どうすれば、いいのかわからなくて、ただ、ただ、泣いているだけしか出来なかった。
「何をですか?」
私は、宮部さんの前に座った。
「実は、この神社はついになってるんです。」
「ついとは?」
「2つで、1つです。もう1つの神社は縁切り神社です。」
「縁切りですか?」
「こちらにも、ありますが…。向こうは、さらに強力です。」
「じゃあ、上條陸と五木結斗の縁を切られたって事ですか?」
私は、宮部さんに驚いた顔をした。
「私は、五木結斗と犯人の繋がりを断ち切りました。あちらで、縁を切られた所で犯人にビジョンは乗っ取れません。」
さっきの、ビジョンを思い浮かべる。
カエちゃんじゃないと駄目だと言った。
手に、何かがあった気がした。
「宮部さん」
「はい」
「上條陸に会ったら、先程のカエと呼ばれた男に会いに行きましょう」
「場所は、わかるんですか?」
「わかりません」
「じゃあ、どうやって」
「巫女にビジョンを見せてもらいます。」
私は、宮部さんと案内人の所に行く。
「五木結斗のビジョンが書き換えられている。」
「はい」
「巫女に会わせてくれ」
私の気迫に案内人は、観念して連れて行く。
「失礼します」
「何ですか?三日月宝珠」
「五木結斗のビジョンが、書き換えられている」
「そのようですね」
「大海力の相手に会いに行きたい」
「どうぞ」
巫女は、わかっていたようで紙を差し出した。
「五木結斗の記憶を改竄したのはお前か?」
「そんな事、私はしませんよ。」
「だったら、誰が」
「さあ?ただ、三日月宝珠のビジョンに入れるのは、千川二条だけです。ならば、二条ではないですか?」
「二条さんの魂は、抹消された。私は、全身で感じた。」
「ありとあらゆる骨が砕け、ありとあらゆる痛みが走り、ありとあらゆる苦しみが走り抜け、消えましたね。」
巫女は、私の手を握って言った。
「では、何故…三日月宝珠のビジョンに入れるのでしょうか?千川二条以外は、出来ないはずですよ。」
巫女は、真っ黒な唇で笑っていた。
「その答えを見つける」
「では、上條陸を連れてこれればいいですね。」
そう言って、巫女はニタニタと笑った。
私にとって、いつ会っても彼女は死神にしか見えない。
「行こう」
「はい」
宮部さんと神社を出た。
車に乗って、上條陸の家の近くにいった。
「ここですね」
「もう、帰ってしまったかな?」
「わかりません。」
私と宮部さんの前に、上條陸は現れた。
「こんにちは」
「こんにちは」
ギョッとしながらも頭を下げてくれた。
「これ、どうぞ」
「本当ですか?」
「はい」
「悪いけど、非科学的ものは、信用していない。」
宮部さんは、手紙を返される。
【陸へ】
陸、僕を綺麗にして。あの日々みたいに、僕を綺麗にして。僕は、守ったんだ。
もう、塗り替えられたくなくて守ったんだ。
なのに、どうして…
汚いよ、陸。
気持ち悪いよ、陸。
愛してるよ
さようなら
【結斗】
上條陸は、泣いていた。
「俺は、結斗を綺麗にしてあげれなかった。守れなかった。」
その言葉に、私はいつもの台詞を言った。
「亡くなった人は、愛を贈っているんです。何故?受け取ろうとしないのですか?受け取れば、謝罪や怒りなど無意味な事を知るのですよ。」
どうするべきだろうか?
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「まさか、結斗が凌平に」
「はい」
上條陸は、泣いていた。
.
.
.
.
非科学的な事は、信じないと思っていたのに…。
結斗が、凌平を好きにさせた映像を見せられて俺はこの人を信じていた。
でも、どうやってるんだ?
この人を信じていいのだろうか?
どうすれば、いいのかわからなくて、ただ、ただ、泣いているだけしか出来なかった。
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