27 / 202
連鎖を止めるには…
封印の話
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私は、宮部さんに紙を差し出した。
「これ、…中学の桜宮さんですか?」
「彼は、桜木さんの遠い親戚です。彼もまた、桜木さんと同じ扱いを受けていた。」
「って事は…」
「オカルト的な話をすれば、悪霊です。」
「そんな…」
「まあ、仕方ないですよね。桜木さんも桜宮さんも、あの木の下で自らを殺した。そして、その霊に力を与えたのは人間です。」
「すぐにでも、やめさせないと犠牲者がまたでるんですよね。」
「無理です。桜宮さんは、冴草健斗が再び呼び覚ましました。」
「えっ?」
宮部さんは、私を見つめる。
「ここに書いてあるでしょ?」
「全ての力を使って、桜宮重春を封印した。そして、弟子の井手章大が、命と引き換えに桜木徳路を封印した。この封印が、解かれた時。甥の三日月宝珠が、死をもって永久に封印する事とする。神社の巫女と契りを交わした。」
「師匠がね、私の叔父でね。勝手に約束したんだよ。あの神社の巫女とね。全てが終わったら、封印しようか?宮部さん」
「三日月さん、駄目に決まってるじゃないですか」
宮部さんは、ボロボロ泣き出した。
「色々調べた結果、あの神社と桜木さんと桜宮さんは、関係していてね。私は、それを止めれば、悲しい出来事の数が減ると考えてるんだ。それが、三日月家の中で、一番濃い血を受け継いだ自分の役目だと思ってるんです。だから、宮部さん。私にとって、これが最後になります。最後まで、お手伝いお願いしますね」
「三日月さんが、死ぬんですよ。駄目に決まってます。まだ、まだ、ビジョンを見せてほしい人はいますよ」
「宮部さん、私は、あの神社で名前を彫られてる方々に接触しましたよ。勿論、ビジョンも見せました。最後が、この8人です。だから、私の役目はこれで終わるのですよ。」
宮部さんは、涙をボロボロと流している。
「何とかしましょう。他に、出来る事を考えましょう。三日月さん」
「宮部さん、無理です。それに、私は、普通の人間にもなれない。恋も出来ない。子供も授けられない。巫女と契約した時に、後世を作らないという条件を作られたらしくてね。28歳の時に調べたんですよ。子種が、一匹も存在しなかった。仕方ない事です。私は、初めから人ではないものなのかもしれませんね。」
「三日月さんは、人です。人なんです。だから、別の方法を…」
私は、宮部さんの涙をハンカチで拭った。
「宮部さん、別の方法はありませんよ。それと、宮部さんの記事が出来たら私が封印しに行きます。」
「三日月さん」
「今日は、ゆっくり休んで下さい。五木結斗の、ビジョンをみるのは体力をかなり使いますから。では、お気をつけて」
私は、宮部さんに頭を下げた。
宮部さんは、泣きながら車を降りた。
宮部さんが、家に入るまで見届けていた。
『三日月先生』
「結斗君、いらっしゃい」
五木結斗は、私の隣に座った。
『三日月先生は、彼女に恋をしていたよね。僕のビジョンを何度も見てから』
「そうだったね」
『三日月先生、命をかけて終わらせるんでしょ?』
「ああ、そのつもりだよ。結斗君にもわかっているだろ?」
『無垢な魂をこれ以上喰われたらいけないって事でしょ?前に、話してくれたからね』
「そうだよ!結斗君は、浜井凌平の器にいれて欲しいのか?」
『三日月先生』
「綺麗にしてもらわないと、それは消えないのか?」
五木結斗は、目を伏せた。
『三日月先生が、僕に解放されるって言ってくれたけど…。あれから、さらに15年が経ったのに、ずっと同じ場所にいる。陸に綺麗にされれば、呪いは解けるのかな?三日月先生』
「初めてだから、やってみるしかない。」
『無理でも、怒らないから。三日月先生』
車を駐車場に停めて、家にあがる。
五木結斗も、ついてくる。
「これ、…中学の桜宮さんですか?」
「彼は、桜木さんの遠い親戚です。彼もまた、桜木さんと同じ扱いを受けていた。」
「って事は…」
「オカルト的な話をすれば、悪霊です。」
「そんな…」
「まあ、仕方ないですよね。桜木さんも桜宮さんも、あの木の下で自らを殺した。そして、その霊に力を与えたのは人間です。」
「すぐにでも、やめさせないと犠牲者がまたでるんですよね。」
「無理です。桜宮さんは、冴草健斗が再び呼び覚ましました。」
「えっ?」
宮部さんは、私を見つめる。
「ここに書いてあるでしょ?」
「全ての力を使って、桜宮重春を封印した。そして、弟子の井手章大が、命と引き換えに桜木徳路を封印した。この封印が、解かれた時。甥の三日月宝珠が、死をもって永久に封印する事とする。神社の巫女と契りを交わした。」
「師匠がね、私の叔父でね。勝手に約束したんだよ。あの神社の巫女とね。全てが終わったら、封印しようか?宮部さん」
「三日月さん、駄目に決まってるじゃないですか」
宮部さんは、ボロボロ泣き出した。
「色々調べた結果、あの神社と桜木さんと桜宮さんは、関係していてね。私は、それを止めれば、悲しい出来事の数が減ると考えてるんだ。それが、三日月家の中で、一番濃い血を受け継いだ自分の役目だと思ってるんです。だから、宮部さん。私にとって、これが最後になります。最後まで、お手伝いお願いしますね」
「三日月さんが、死ぬんですよ。駄目に決まってます。まだ、まだ、ビジョンを見せてほしい人はいますよ」
「宮部さん、私は、あの神社で名前を彫られてる方々に接触しましたよ。勿論、ビジョンも見せました。最後が、この8人です。だから、私の役目はこれで終わるのですよ。」
宮部さんは、涙をボロボロと流している。
「何とかしましょう。他に、出来る事を考えましょう。三日月さん」
「宮部さん、無理です。それに、私は、普通の人間にもなれない。恋も出来ない。子供も授けられない。巫女と契約した時に、後世を作らないという条件を作られたらしくてね。28歳の時に調べたんですよ。子種が、一匹も存在しなかった。仕方ない事です。私は、初めから人ではないものなのかもしれませんね。」
「三日月さんは、人です。人なんです。だから、別の方法を…」
私は、宮部さんの涙をハンカチで拭った。
「宮部さん、別の方法はありませんよ。それと、宮部さんの記事が出来たら私が封印しに行きます。」
「三日月さん」
「今日は、ゆっくり休んで下さい。五木結斗の、ビジョンをみるのは体力をかなり使いますから。では、お気をつけて」
私は、宮部さんに頭を下げた。
宮部さんは、泣きながら車を降りた。
宮部さんが、家に入るまで見届けていた。
『三日月先生』
「結斗君、いらっしゃい」
五木結斗は、私の隣に座った。
『三日月先生は、彼女に恋をしていたよね。僕のビジョンを何度も見てから』
「そうだったね」
『三日月先生、命をかけて終わらせるんでしょ?』
「ああ、そのつもりだよ。結斗君にもわかっているだろ?」
『無垢な魂をこれ以上喰われたらいけないって事でしょ?前に、話してくれたからね』
「そうだよ!結斗君は、浜井凌平の器にいれて欲しいのか?」
『三日月先生』
「綺麗にしてもらわないと、それは消えないのか?」
五木結斗は、目を伏せた。
『三日月先生が、僕に解放されるって言ってくれたけど…。あれから、さらに15年が経ったのに、ずっと同じ場所にいる。陸に綺麗にされれば、呪いは解けるのかな?三日月先生』
「初めてだから、やってみるしかない。」
『無理でも、怒らないから。三日月先生』
車を駐車場に停めて、家にあがる。
五木結斗も、ついてくる。
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