上 下
15 / 23

家出

しおりを挟む
学校が終わり、明日から夏休みだと言う夜。

私は、些細な事から親と喧嘩をした。

いつもなら、ごめんなさいって謝る私も…。

この日は、まったくおれなかった。

「出てくから、いいよ」そう言って家を出た。

とりあえず、服を適当にバックに積めて自転車を押しながら歩いていた。

どこ行こうかな?

わからなくて、気づくと美羽にメールしてた。

美羽から、すぐに連絡がきて

「しばらく、家においでよ」って言ってくれたので行く事にした。

美羽のご両親は、とても好意的で少し前にも美羽の友達が住んでいたのよと話した。

「いつでも、帰ったらいいから」そう言って笑ってくれた。

晩御飯のカレーをいただいて、美羽の部屋に行く。

「明日、大橙君と青君と一緒にゲーセン行くって幼馴染みから情報もらったけど行く?」

「行く」

私は、目をキラキラ輝かせながら言った。

「じゃあ、決まりだね」

「うん。」

美羽は、その人にメールをしていた。

家出をした罪悪感は、消えていた。

それよりも、青君と会える喜びの方が大きくて、恋バナで盛り上がりながら眠った。

.
.
.
次の日、朝早くに起きた私と美羽。

朝御飯を食べて、服を着替えた。

「10時からいるって」

そう言って、美羽は嬉しそうだった。

私もめちゃくちゃ嬉しい。

用意をして自転車で、ゲームセンターに向かった。

「美羽、きたんだ。」

そこに居たのは知らない人だった。

「二人の幼馴染みの的場勝(しょう)君だよ。こっちは、最近仲良くしてるりり」

「初めまして、桜田りりです。」

「よろしくね、りりちゃん」

そう言って笑ってくれた。

「勝、あっちの飽きたわ」

大橙君がやってきた。

「次、これしよう」

青君もやってきた。

「美羽ちゃん、来てたの」そう言って笑ってる大橙君に美羽は話しかける。

楽しそうに話してる。

「君も好きなの?」

青君に話しかけられた。

「えっと…ゲーセン?」

「うん。」

「見てるのが好きかな」

「そっか、じゃあ見てて」

大きい画面で、ゲームしてるのを見る。

胸が、ドキドキする。

っていうか、告白した事なんてなかった事になってるよね。

普通に話してくれてるし…。

なんか、よかった。

美羽は、ずっと大橙君と勝君と三人で話してるから、私はずっと青君といれる。

「あー、負けちゃった。次、あっち行こう」

なぜか、私を連れて行ってくれる。

「みんなと話さなくていいの?」

「別に、従兄弟と幼馴染みだから…基本別行動。」

「そうなんだね。」

「やりたいゲーム違うから、気になるなら向こう行っていいよ。」

私の気持ちを知ってるのに、この人は意地悪だ。

「ならないよ、全然」

私は、そう言って青君がゲームしてるのを見てる。

青君は、気にせず遊んでる。

「私がいても嫌じゃないの?」

何聞いてんだろう…。

フラれたくせに…。

「別に、やってる時は話しかけないから楽だよ。」

「そっか」

楽って好きじゃないから…激しく落ち込む。

空気みたいって事だよね。

存在感ない感じだよね。

違うの?

楽って何?

「嫌なら、皆と話したら?」

何で、そんな悲しそうな笑顔を見せてくるの?

「私は、嫌じゃない。青君が、嫌なら向こうに行く。」

フラれてるのに、私ってバカだよね。

「俺は、居てもらっても大丈夫だから」

何、その大丈夫って…。

意味がわからないよ。

それでも、青君から離れられなかった。

しばらくして、大橙君がやってきた。

「青、そろそろバイト行こう。じゃあね。」

「あ、本当だ。バイバイ」

そう言って二人はいなくなった。

「この近くのガソスタで青と大橙バイトしてるの。」

「そうなんですか」

「うん。」

そう言って勝君は、笑っている。

「じゃあ、りり帰ろう。楽しかったね。」

「うん」

結局、夏休み二人に会えるのはこの一回だった。

青君が、この日以外全てバイトをいれていたからだった。

でも、青君がいない私の夏休みは始まったばかりだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

調教専門学校の奴隷…

ノノ
恋愛
調教師を育てるこの学校で、教材の奴隷として売られ、調教師訓練生徒に調教されていくお話

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

処理中です...