歪な気持ち~3つの恋~

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
上 下
11 / 17
蜜蜂とクマさん

体の関係

しおりを挟む
「愛梨、招待状きたよ」

「紫音の結婚だって?幸せそうでよかった」

「そうだね」

「ねぇー。クマさん」

「もう、随分痩せたんだけどな」

「それでも、国厚くにあつは私のクマさんだよ」

私は、ギュッーっと抱き締めた。

太ってるのがコンプレックスだった国厚は、今はジムのトレーナーになった。

「クマさんは、胸が立派だよ」

「こしょばいよ、愛梨」

私は、国厚の事はただの通過儀礼だって思っていた。

だけど、こんなに好きになるなんて思わなかった。

多分、それは、原口さんが彼に愛を教えたからだと思う。
.
.
.
私の名前は、紺野愛梨こんのあいり

容姿端麗、成績もよかった、運動神経もよくて、私は皆から綺麗だって言われ続けてた。

紫音は、私の理想にピッタリだった。

だから私は、紫音に近づいた。

人を好きだと思った事は、一度もない。

私は、紫音の彼女ではない。

私は、ただのセフレだった。

でも、それでよかった。

あいつとのそれよりも、紫音としてる方がマシだった。

紫音だけじゃない。

紫音の取り巻きの数人とも関係をもっていた。

「ねー。紫音、嫌じゃないの?」

「えっ?何が?」

「私が、他の人としてるの」

「別に、いいんじゃねぇの?玩具は、有効利用しなきゃな」

紫音は、そう言って笑った。

「私、玩具って事?」

「さあな」

小花さんに出会う前の紫音は、クズだった。

中学に入っても紫音との関係は、続いていた。

「はあー。疲れた」

「ねぇー。最近、私とするの楽しくないの?」

「別に」

「何か、好きな人でも出来たのかなって思って」

「好きって何?愛梨は、知ってんの?」

「知らない」

「じゃあ、聞くなよ」

「紫音、もう一回しよう?」

「いいよ」

紫音は、私の要望をいつだって聞いてくれる。

だけど、私は紫音じゃ足りなかった。

はぎー。」

「愛梨、可愛いな」

「ありがとう」

セフレ二号の萩。

紫音の取り巻きだ。

だけど、私は萩だけでも足りない。

「こしょばいよ。充」

「ごめん」

「愛梨の事好き?」

「好きだよ」

セフレ三号の充。

紫音の取り巻きだ。

だけど、私は充だけじゃ足りなかった。

「愛梨の事好き?」

「好きだよ」

「圭、ありがとう」

「可愛いよ、愛梨」

セフレ四号の圭

紫音の取り巻きだ。

だけど、私は圭だけじゃ足りなくて

だけど…。

「愛梨、元気か?」

「叔父さん、きてたんですか?」

「叔父さんは、いつだってくるよ。」
 
「離して」

「そんな事、言ったら愛梨のお父さんクビにしちゃおうかな?」

「やめて」

この人は、嫌。

誰か、私をここから助けて。

「お前、いろんな奴とやりまくってるんだろ?」

「私の部屋で、煙草吸わないでよ」

「お母さん、亜季は喜んでたよ。秀一さんのお給料あげてもらえるなら、愛梨をどうぞって。妹ながら、鬼畜だよな」

「わかってるなら、何で?」

「愛梨は、綺麗なお人形だよ。亜季は、愛梨はいらないって言ってたんだよ。子供は、二人でよかった。なのに、愛梨がお腹に出来ちゃった。」

髪の毛を撫でられる事に、吐き気がする。

「愛梨は、叔父さんが愛さないと誰も愛してくれないんだよ。わかる?」

「わからない」

「愛梨、わからないのか?」

「あっつい」

煙草を押し当てられるのは、いつもの事。

「愛梨、高校に入ったら男全員きれよ。腰に、こんな痕つけてるのに愛梨を抱けるやつってすげーよな」

「やめて、さわらないで」

「だから、やらせ過ぎなんだよ。愛梨はよ。俺が、仕込んだ事を他の男に使うなよ。」

そう言って、叔父さんは出ていった。

助けを求める声は、届かない。

「愛梨、シャンプー。私の使わないでよね。」

「ごめん。なかったから」

「次から、気をつけて」

姉の優里菜ゆりなは、母親から溺愛されていた。

「愛梨、俺の部屋になんか取りに来たならちゃんと片付けろよ」

パシンって、本で頭を叩かれた。

兄の悠里ゆうりは、父に溺愛されていた。

二人とも、私と違って、一ミリも汚れていない。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

邪魔しないので、ほっておいてください。

りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。 お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。 義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。 実の娘よりもかわいがっているぐらいです。 幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。 でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。 階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。 悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。 それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

[完結]裏切りの学園 〜親友・恋人・教師に葬られた学園マドンナの復讐

青空一夏
恋愛
 高校時代、完璧な優等生であった七瀬凛(ななせ りん)は、親友・恋人・教師による壮絶な裏切りにより、人生を徹底的に破壊された。  彼女の家族は死に追いやられ、彼女自身も冤罪を着せられた挙げ句、刑務所に送られる。 「何もかも失った……」そう思った彼女だったが、獄中である人物の助けを受け、地獄から這い上がる。  数年後、凛は名前も身分も変え、復讐のために社会に舞い戻るのだが…… ※全6話ぐらい。字数は一話あたり4000文字から5000文字です。

【完結済】後悔していると言われても、ねぇ。私はもう……。

木嶋うめ香
恋愛
五歳で婚約したシオン殿下は、ある日先触れもなしに我が家にやってきました。 「君と婚約を解消したい、私はスィートピーを愛してるんだ」 シオン殿下は、私の妹スィートピーを隣に座らせ、馬鹿なことを言い始めたのです。 妹はとても愛らしいですから、殿下が思っても仕方がありません。 でも、それなら側妃でいいのではありませんか? どうしても私と婚約解消したいのですか、本当に後悔はございませんか?

処理中です...