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新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】
相談【拓夢】
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まっつんの言葉を聞きながら、俺はどうすべきかを考えていた。
「拓夢。気になるなら、相談してみろよ。覚悟は、出来てるんだろ?」
俺は、かねやんの言葉に頷いた。
「じゃあ、俺から言う事は何もないよ。自分が信じる方に向かって行けよ」
「わかった。そうするよ。ありがとう、かねやん」
「おぉ」
俺は、凛を見つめる。自分が信じた道に進むだけだ……。
凛が理沙ちゃんと話し始めたから近づけなくなってしまった。
それから、平田さんが近づいてくのが見える。
まっつんが呼んだんだな。
凛が泣いているのが見えた。
あの涙は……祝福じゃない。
俺は、急いで歩き出す。
「相沢さん」
「星村君、どうした?二次会は、まだあるだろ?」
「話があります。もう、帰るんですよね」
「いや、もう少し居ようとは思ってるけど……どうした?」
「あの……」
「悪い。星村君と二人で話したいからはずしてもらえるかな?」
「わかりました」
相沢さんは、周りのスタッフに声をかけてくれた。
「何かあったのかな?」
「さっき……週刊誌の記者に撮られたんです。凛と一緒にいる所を……」
「そうか。撮られちゃったのか……」
「怒らないんですか?」
相沢さんは、ハハハと笑った後で俺の肩を軽く叩く。
「星村君は、覚悟を決めたんだろ?」
「相沢さん……」
「その目を見ればわかるよ。もし、週刊誌に載ってSNOWROSEが駄目になったとしても……。それでも、構わないと思ったんだよね?」
「すみません」
俺は、相沢さんの目が見れなくなって目を伏せる。
「仕方ないよね。覚悟を決めちゃったなら……。それでも、俺はSNOWROSEには残って欲しいけどね」
「俺の勝手な判断です。まっつんとしゅんには何も聞いてません。かねやんは、俺の意見を尊重してくれました」
俺は、俯いて相沢さんに話をしていた。
「星村君が凛さんを好きな事だけを世間に公表するってのもありかも知れないね。世の中には、色んな人がいるからね。相手が既婚者とわかっていながらも恋をしてしまっている人だっている。ターゲットを変えてみるのも一つの手かも知れないよ」
「凛には、迷惑かけたくないんです」
相沢さんは、「うーーん」と言いながら悩んでいる。
「それなら、週刊誌が出てから動いていくしかないな。俺から、話をしてはみるけど……。きっと、止める事は出来ないとは思う。だけど、星村君に覚悟があるんなら止めなくたっていいだろうから。大丈夫。星村君を応援してくれる人はいるよ」
相沢さんに両肩を叩かれて、俺はゆっくりと顔をあげた。
「SNOWROSEがなかったら、凛さんとまだつづけていたかったんだろ?」
「はい……」
「星村君にとって、凛さんは生きていくのに必要な人だもんね。例え、その関係が許されないとしても……」
「相沢さん。俺、ずっと考えていたんです。忙しくて忘れたフリしてたけど……。本当は、ずっと考えてたんです」
俺の目から涙が溢れていくのがわかる。
「凛さんと過ごした時間が忘れられない?それとも、今日過ごしたせいで忘れられなくなった?」
「きっと、どっちもだと思います。やっぱり、俺には凛が必要なんだと気づいてしまったんです。だけど……」
「皆月龍次郎さんから、凛さんを奪えないよね。凄くいい人だから……」
相沢さんの言葉に俺は頷いた。
「嫌な人ならよかったよね。DVとかする人だったり……。もっと、冷めた夫婦ならよかったのにね」
「そうですね。だけど、いい人だから……」
「どうにかしていくしかないよね。星村君自身が自分の気持ちと向き合って消化していくしか方法はないんじゃないかな?」
「わかっています」
「向き合う為に、また会いたいなら相談してみたらどう?」
俺は、相沢さんの言葉に首を横に振る。
「拓夢。気になるなら、相談してみろよ。覚悟は、出来てるんだろ?」
俺は、かねやんの言葉に頷いた。
「じゃあ、俺から言う事は何もないよ。自分が信じる方に向かって行けよ」
「わかった。そうするよ。ありがとう、かねやん」
「おぉ」
俺は、凛を見つめる。自分が信じた道に進むだけだ……。
凛が理沙ちゃんと話し始めたから近づけなくなってしまった。
それから、平田さんが近づいてくのが見える。
まっつんが呼んだんだな。
凛が泣いているのが見えた。
あの涙は……祝福じゃない。
俺は、急いで歩き出す。
「相沢さん」
「星村君、どうした?二次会は、まだあるだろ?」
「話があります。もう、帰るんですよね」
「いや、もう少し居ようとは思ってるけど……どうした?」
「あの……」
「悪い。星村君と二人で話したいからはずしてもらえるかな?」
「わかりました」
相沢さんは、周りのスタッフに声をかけてくれた。
「何かあったのかな?」
「さっき……週刊誌の記者に撮られたんです。凛と一緒にいる所を……」
「そうか。撮られちゃったのか……」
「怒らないんですか?」
相沢さんは、ハハハと笑った後で俺の肩を軽く叩く。
「星村君は、覚悟を決めたんだろ?」
「相沢さん……」
「その目を見ればわかるよ。もし、週刊誌に載ってSNOWROSEが駄目になったとしても……。それでも、構わないと思ったんだよね?」
「すみません」
俺は、相沢さんの目が見れなくなって目を伏せる。
「仕方ないよね。覚悟を決めちゃったなら……。それでも、俺はSNOWROSEには残って欲しいけどね」
「俺の勝手な判断です。まっつんとしゅんには何も聞いてません。かねやんは、俺の意見を尊重してくれました」
俺は、俯いて相沢さんに話をしていた。
「星村君が凛さんを好きな事だけを世間に公表するってのもありかも知れないね。世の中には、色んな人がいるからね。相手が既婚者とわかっていながらも恋をしてしまっている人だっている。ターゲットを変えてみるのも一つの手かも知れないよ」
「凛には、迷惑かけたくないんです」
相沢さんは、「うーーん」と言いながら悩んでいる。
「それなら、週刊誌が出てから動いていくしかないな。俺から、話をしてはみるけど……。きっと、止める事は出来ないとは思う。だけど、星村君に覚悟があるんなら止めなくたっていいだろうから。大丈夫。星村君を応援してくれる人はいるよ」
相沢さんに両肩を叩かれて、俺はゆっくりと顔をあげた。
「SNOWROSEがなかったら、凛さんとまだつづけていたかったんだろ?」
「はい……」
「星村君にとって、凛さんは生きていくのに必要な人だもんね。例え、その関係が許されないとしても……」
「相沢さん。俺、ずっと考えていたんです。忙しくて忘れたフリしてたけど……。本当は、ずっと考えてたんです」
俺の目から涙が溢れていくのがわかる。
「凛さんと過ごした時間が忘れられない?それとも、今日過ごしたせいで忘れられなくなった?」
「きっと、どっちもだと思います。やっぱり、俺には凛が必要なんだと気づいてしまったんです。だけど……」
「皆月龍次郎さんから、凛さんを奪えないよね。凄くいい人だから……」
相沢さんの言葉に俺は頷いた。
「嫌な人ならよかったよね。DVとかする人だったり……。もっと、冷めた夫婦ならよかったのにね」
「そうですね。だけど、いい人だから……」
「どうにかしていくしかないよね。星村君自身が自分の気持ちと向き合って消化していくしか方法はないんじゃないかな?」
「わかっています」
「向き合う為に、また会いたいなら相談してみたらどう?」
俺は、相沢さんの言葉に首を横に振る。
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