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新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】

祝福と呪い【凛】

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まっつんさんと理沙ちゃんがみんなに向かって話をしている。

みんなが同じ気持ちでいるこの空間は素敵。

二次会は、予定通り終わった。

「凛ちゃん、来てくれてありがとう」

「向こうに住むんだよね?」

「あっ、うん。そうなるかなーー。あっ!でも、まだこっちにいるから。何かあったら話いつでも聞くから」

「ありがとう、理沙ちゃん」

私は、花嫁に気を使わせてしまっている。

「凛ちゃん。何かあったよね?」

「えっ?何もないよ。大丈夫、大丈夫」

「嘘だよ。その笑顔は……」

「そんな事ないよ!大丈夫だよ。気にしすぎだよ」

私は、理沙ちゃんに心配かけないように笑ってみせた。

「凛ちゃん、理沙には嘘つかないでよ!凛ちゃんが幸せでいてくれなくちゃ嫌だよ」

理沙ちゃんの言葉にまっつんさんが近づいてくる。

「理沙。凛さんに迷惑かけたら駄目だろ?」

「そんな迷惑とかじゃないから……」

「だって理沙は、凛ちゃんが幸せでいてくれなきゃ!嫌なの」

「私、幸せだよ!凄く幸せだから大丈夫だよ」

私は、苦笑いにならないようにうまく笑って見せた。

「ほら、理沙。凛さんは、幸せだって言ってるだろ?」

「嘘だよ。今の凛ちゃん。理沙に嘘ついてる」

「ついてないよ!本当に幸せだよ。二人の結婚式のお陰で拓夢にも、また会う事ができて感謝してるんだよ」

「凛ちゃん。やっぱり、何かあったんだよね?たくむんと喧嘩した?」

「そんなのしないよ。心配しすぎだよ。理沙ちゃん」

「本当に本当?」

「本当に本当」

理沙ちゃんは、少しだけ考えてから「それならいい」と納得してくれた。

本当は、嘘。

さっきから、週刊紙に載ったらどうしようかとずっと考えてる。

拓夢の夢を壊したくない。

龍ちゃんに迷惑をかけたくない。

そう思えば思うほど、うまく笑えていないのが、自分でもよくわかる。

「凛ちゃん。せっかく会えたんだから、たくむんとたくさん話ししてよね。結婚式(ここ)にいる人達は、みんないい人ばかりだから……」

「わかってる。ありがとう、理沙ちゃん」

「理沙。挨拶行くぞ」

「うん。じゃあ、また後でね」

理沙ちゃんは、まっつんさんに連れられて向こうに行ってしまった。

「お祝いの席なのに、呪われてる顔してるな」

「りゅ、龍ちゃん」

「ははは。はい!これ」

「ありがとう」

龍ちゃんは、りんごジュースを渡してくれる。

「何で、りんごジュース?って顔してる」

「当たってる」

「甘いものでも飲んだら落ち着くかな?って思って……」

龍ちゃんは、そう言って柔らかく笑う。

私は、龍ちゃんのこういう所が好きなんだって改めて思った。

「星村さんの夢。壊しそうで怖い?」

私は、そっと頷いた。

「もし、載ったら……。俺も対処するから、大丈夫だよ。凛、一人でどうにかしなくたっていいんだから……。だから、今日は考えるのはやめよう」

「うん……。あのさ、龍ちゃん。さっきの……」

「ごめん。まさかの母さんからだ」

「あっ、うん」

龍ちゃんは、慌てて電話に出る為に外に行ってしまう。

さっきの龍ちゃんの言葉。ちゃんと聞きたかった。本気で言ってるのって……。

もう、私の未来はそれしかないのって……。

「それは、嬉しくて泣いてるわけじゃないよね?」

「えっ……。あっ……」

「久しぶりだね。元気にしてた?」

「な、何で!!」

「酷いね。仲良くなったから呼んでくれたんだよ。二次会だけね」

私は、驚いていた。
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