612 / 646
新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】
変わっていく日々…【凛】
しおりを挟む
車を降りて、理沙ちゃんと歩き出す。
「凛ちゃん、出口に出れたんだね」
理沙ちゃんに顔を見つめられてそう言われた。
「そうかも知れないね。暗闇から抜け出せた気がする。理沙ちゃんも…」
「うん、抜けたよ。私も…」
そう言って、理沙ちゃんは笑った。
「優太が、もう一度プロポーズしてくれるって!」
「凄いね」
「次は、指輪してるからね」
「うんうん」
私は、理沙ちゃんにニコニコ笑った。
「凛ちゃん」
「何?」
「理沙の友達になってくれる?」
「今まで、友達じゃなかった?」
「なかった!だから、なって」
「勿論」
私は、理沙ちゃんに笑っていた。この日は、ニコニコしながら帰宅した。
「ただいまー」
「おかえり、良い事あったんだな」
「うん、あったよ」
私は、龍ちゃんに全部話した。
「ごめんね。龍ちゃんが友達やめたらって言った時は、やめれなくて…」
「あの時は、結婚してすぐだったから…。まだ、いろんな希望に溢れていたわけだから。仕方ないよ」
そう言って、龍ちゃんは私を抱き締めてくれる。
「凛が出口の見えないトンネルから抜け出せた事が、俺は嬉しいよ。もう二度と、絶望を味わう事がないと思うだけでホッとしてるんだ」
そう言って、龍ちゃんは私の背中を擦ってくれた。短いけれど濃かった私と拓夢の不純異性行為は、今日友達になるという約束を交わして幕を閉じた。
そうなれたのは、他でもない。今、私を抱き締めてくれている皆月龍次郎(このひと)のお陰だ。
「お風呂入ろうかな!」
「沸かしてきてあげるよ」
「ありがとう、龍ちゃん」
私と龍ちゃんの日々がまた始まる。
そして、私はSNSや妊娠に振り回される事のない日々を送り始めた。
「今日は、理沙ちゃんの式の打ち合わせだから…。晩御飯…」
「何か買って食べるよ」
「ごめんね、龍ちゃん」
「いいって!じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
あれから、日々は移り変わり七夕の日にプロポーズを再び受けた理沙ちゃん。結婚式の打ち合わせをまっつんさんが出来ない事を聞いた。相沢さんと私が交代で打ち合わせに参加していた。そして、とうとう結婚式の三日前になったのだ。
「あー、緊張する」
「大丈夫だよ」
私と理沙ちゃんは、式場に向かっていた。
「もうすぐだよ」
「そうだよね」
「ドキドキする」
何だか私まで、ドキドキが止まらなかった。
「本当に、凛ちゃんと相沢さんには感謝してます」
「そんなそんな…」
私は、理沙ちゃんにそう言って笑った。
あれから、私は、無名のバンドのPVに数回出演したりした。そして、理沙ちゃんから拓夢が元気でやってる事を聞いていた。
私は、最後に拓夢と話して以来、絶望する事がなくなった。きっと、全てを捨てた事がよかったのだと思う。
見ないでいいものを見ない勇気を拓夢が与えてくれた。絶望を拭ってくれたのが、拓夢でよかったと本当に思っている。
最後に拓夢と交わした約束の日まで、残り三日…。私は、拓夢に再会して何を話そうと今からドキドキしていた。
「凛ちゃん、出口に出れたんだね」
理沙ちゃんに顔を見つめられてそう言われた。
「そうかも知れないね。暗闇から抜け出せた気がする。理沙ちゃんも…」
「うん、抜けたよ。私も…」
そう言って、理沙ちゃんは笑った。
「優太が、もう一度プロポーズしてくれるって!」
「凄いね」
「次は、指輪してるからね」
「うんうん」
私は、理沙ちゃんにニコニコ笑った。
「凛ちゃん」
「何?」
「理沙の友達になってくれる?」
「今まで、友達じゃなかった?」
「なかった!だから、なって」
「勿論」
私は、理沙ちゃんに笑っていた。この日は、ニコニコしながら帰宅した。
「ただいまー」
「おかえり、良い事あったんだな」
「うん、あったよ」
私は、龍ちゃんに全部話した。
「ごめんね。龍ちゃんが友達やめたらって言った時は、やめれなくて…」
「あの時は、結婚してすぐだったから…。まだ、いろんな希望に溢れていたわけだから。仕方ないよ」
そう言って、龍ちゃんは私を抱き締めてくれる。
「凛が出口の見えないトンネルから抜け出せた事が、俺は嬉しいよ。もう二度と、絶望を味わう事がないと思うだけでホッとしてるんだ」
そう言って、龍ちゃんは私の背中を擦ってくれた。短いけれど濃かった私と拓夢の不純異性行為は、今日友達になるという約束を交わして幕を閉じた。
そうなれたのは、他でもない。今、私を抱き締めてくれている皆月龍次郎(このひと)のお陰だ。
「お風呂入ろうかな!」
「沸かしてきてあげるよ」
「ありがとう、龍ちゃん」
私と龍ちゃんの日々がまた始まる。
そして、私はSNSや妊娠に振り回される事のない日々を送り始めた。
「今日は、理沙ちゃんの式の打ち合わせだから…。晩御飯…」
「何か買って食べるよ」
「ごめんね、龍ちゃん」
「いいって!じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
あれから、日々は移り変わり七夕の日にプロポーズを再び受けた理沙ちゃん。結婚式の打ち合わせをまっつんさんが出来ない事を聞いた。相沢さんと私が交代で打ち合わせに参加していた。そして、とうとう結婚式の三日前になったのだ。
「あー、緊張する」
「大丈夫だよ」
私と理沙ちゃんは、式場に向かっていた。
「もうすぐだよ」
「そうだよね」
「ドキドキする」
何だか私まで、ドキドキが止まらなかった。
「本当に、凛ちゃんと相沢さんには感謝してます」
「そんなそんな…」
私は、理沙ちゃんにそう言って笑った。
あれから、私は、無名のバンドのPVに数回出演したりした。そして、理沙ちゃんから拓夢が元気でやってる事を聞いていた。
私は、最後に拓夢と話して以来、絶望する事がなくなった。きっと、全てを捨てた事がよかったのだと思う。
見ないでいいものを見ない勇気を拓夢が与えてくれた。絶望を拭ってくれたのが、拓夢でよかったと本当に思っている。
最後に拓夢と交わした約束の日まで、残り三日…。私は、拓夢に再会して何を話そうと今からドキドキしていた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と噂されているので、全力で逃げることにしました!〜できれば静かに暮らしたい〜
矢野りと
恋愛
『ほら、ご覧なさって。あそこにいるのが噂の公爵令嬢ですわよ』
『噂通りのかたで、悪役令嬢という感じですわね』
公爵令嬢であるハナミア・マーズのほうを見ながら、楽しそうに囀っている令嬢達。
悪役令嬢??どうして私が……
ハナミアは幼い頃から病弱で、静養のためにずっと領地で過ごしていた。つまり公爵家の駒として役に立たないから、両親から放置されていたのだ。
――あっ、でもグレたりはしていませんよ。自分でも言うのもなんですが、田舎で真っ直ぐに育ちましたから。
病弱ゆえに社交界に出るのも今回が初めて。だから悪役令嬢になる機会もなかったはずなのに、なぜか悪役になっているハナミア。
立派な両親と優秀な弟妹達はハナミアを庇うことはない。
家族のこういう態度には慣れているので、全然平気である。
ただ平凡で、病弱で、時々吐血することがあるハナミアには、悪役令嬢は少しだけ荷が重い。
――なんか天に召される気がするわ……
なのでこっそりと逃げようと思います!
これは自称平凡な公爵令嬢が自分の身の丈(病弱?)に合わせて、生きようと奮闘するお話です。
もちろん周囲はそんな彼女を放ってはおきません。なぜなら平凡は自称ですから…。
⚠ヒーローは優しいだけじゃありません、一癖も二癖もあります。
⚠主人公は病弱を通り越し死にかけることもありますが、本人は明るく元気ですのでご安心?を。
※設定はゆるいです。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

【完結】裏切っておいて今になって謝罪ですか? もう手遅れですよ?
かとるり
恋愛
婚約者であるハワード王子が他の女性と抱き合っている現場を目撃してしまった公爵令嬢アレクシア。
まるで悪いことをしたとは思わないハワード王子に対し、もう信じることは絶対にないと思うアレクシアだった。

【完結】おしどり夫婦と呼ばれる二人
通木遼平
恋愛
アルディモア王国国王の孫娘、隣国の王女でもあるアルティナはアルディモアの騎士で公爵子息であるギディオンと結婚した。政略結婚の多いアルディモアで、二人は仲睦まじく、おしどり夫婦と呼ばれている。
が、二人の心の内はそうでもなく……。
※他サイトでも掲載しています

【完結】妹が私の婚約者から好意を抱かれていると言いましたけど、それだけは絶対にあり得ませんから
白草まる
恋愛
シルビアとセリアの姉妹はルーファスと幼馴染であり、家族ぐるみの付き合いが続いていた。
やがてルーファスとシルビアは婚約を結び、それでも変わらない関係が続いていた。
しかし、セリアが急に言い出したのだ。
「私、よく考えてみたのですけど……ルーファス様、私のことが好きですよね?」
【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。
えんとっぷ
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】
アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。
愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。
何年間も耐えてきたのに__
「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」
アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。
愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。

学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。
朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。
そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。
だけど、他の生徒は知らないのだ。
スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。
真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる