609 / 646
新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】
別れじゃないよ…【凛と拓夢4】
しおりを挟む
凛は、俺の言葉に切なそうな顔をみせる。
「凛、別れじゃないよ」
「じゃあ、何?」
「これは、新しい始まりなんだよ」
俺は、頬にある凛の手を握りしめる。
「新しい始まり?」
凛は、そう言って泣いている。俺は、ハンカチで凛の涙をまた拭う。
「俺と凛は、友達になるんだよ!それも、普通の友達じゃないんだ。特別な友達だ」
「特別な友達?」
「そうだよ!俺と凛なら、そうなれる気がしないか?」
互いの絶望を拭い合い、互いの体を隅々まで知り尽くし、剥き出しの心をぶつけ合った。そして、愛し合った。だから、きっと…。俺達なら、特別な友達になれる気がした。
♡♡♡♡♡
拓夢に特別な友達になれると言われた。本当は、半信半疑だけど…
そうなれるかはわからなくても、そうなりたいと思っていた。
「なってみたい」
私は、拓夢にそう言って笑った。
「俺達なら、きっとなれるから」
拓夢にそう言われて、私は、頷いていた。
「これからは、凛は幸せしかないよ!」
拓夢は、そう言って私の頬を優しく撫でてくれる。気づけば、辺りは真っ暗だった。
「見て、凛。星、綺麗だなー」
拓夢にそう言われて、私も海辺を見つめる。
「本当だね」
拓夢は、海辺の方に体ごと向ける。
「凛」
「何?」
「旦那さんとは、順調?」
「元通りってわけじゃないかも知れないけど…。順調だと思う」
「それなら、よかった」
拓夢は、そう言って笑ってくれてるのがわかる。
「あの日々を後悔してないから…」
私は、拓夢の横顔を見つめながら言った。
「何?急に…」
「伝えたいと思っただけだよ」
私は、恥ずかしくて星を見つめていた。
♡♡♡♡♡♡
凛が、俺と過ごした日々を後悔していないと言ってくれただけで俺は、凄く幸せな気持ちになっていた。
「別れるのも運命だって思うだけで、心が軽くなってた。だけど、相沢さんの言葉を聞いて…。運命は、作るだって忘れてた。だから、俺。凛との運命を作りたいと思ったんだ」
俺は、そう言って凛を見つめる。暗いけれど、凛の顔はハッキリと月明かりで見えていた。
「どんな運命を作りたいと思ったの?」
「結婚とか恋人とかそういうのは無理だってわかってるから…。だから、俺、特別な友達になりたいと思った。どんな形でも、凛の傍にいれる運命が欲しいと思ったんだ」
凛は、俺の言葉に手を握りしめてくれる。
「拓夢、あの日、抱かれなかったのは…」
「言わないで、凛」
「拓夢」
「凛の絶望に俺は、寄り添ってはやれないから…」
俺は、そう言って凛に笑いかけた。その絶望を拭えなかった時、俺を嫌いになっていたのはわかる。俺に失望したくなかったんだよな。
「凛、別れじゃないよ」
「じゃあ、何?」
「これは、新しい始まりなんだよ」
俺は、頬にある凛の手を握りしめる。
「新しい始まり?」
凛は、そう言って泣いている。俺は、ハンカチで凛の涙をまた拭う。
「俺と凛は、友達になるんだよ!それも、普通の友達じゃないんだ。特別な友達だ」
「特別な友達?」
「そうだよ!俺と凛なら、そうなれる気がしないか?」
互いの絶望を拭い合い、互いの体を隅々まで知り尽くし、剥き出しの心をぶつけ合った。そして、愛し合った。だから、きっと…。俺達なら、特別な友達になれる気がした。
♡♡♡♡♡
拓夢に特別な友達になれると言われた。本当は、半信半疑だけど…
そうなれるかはわからなくても、そうなりたいと思っていた。
「なってみたい」
私は、拓夢にそう言って笑った。
「俺達なら、きっとなれるから」
拓夢にそう言われて、私は、頷いていた。
「これからは、凛は幸せしかないよ!」
拓夢は、そう言って私の頬を優しく撫でてくれる。気づけば、辺りは真っ暗だった。
「見て、凛。星、綺麗だなー」
拓夢にそう言われて、私も海辺を見つめる。
「本当だね」
拓夢は、海辺の方に体ごと向ける。
「凛」
「何?」
「旦那さんとは、順調?」
「元通りってわけじゃないかも知れないけど…。順調だと思う」
「それなら、よかった」
拓夢は、そう言って笑ってくれてるのがわかる。
「あの日々を後悔してないから…」
私は、拓夢の横顔を見つめながら言った。
「何?急に…」
「伝えたいと思っただけだよ」
私は、恥ずかしくて星を見つめていた。
♡♡♡♡♡♡
凛が、俺と過ごした日々を後悔していないと言ってくれただけで俺は、凄く幸せな気持ちになっていた。
「別れるのも運命だって思うだけで、心が軽くなってた。だけど、相沢さんの言葉を聞いて…。運命は、作るだって忘れてた。だから、俺。凛との運命を作りたいと思ったんだ」
俺は、そう言って凛を見つめる。暗いけれど、凛の顔はハッキリと月明かりで見えていた。
「どんな運命を作りたいと思ったの?」
「結婚とか恋人とかそういうのは無理だってわかってるから…。だから、俺、特別な友達になりたいと思った。どんな形でも、凛の傍にいれる運命が欲しいと思ったんだ」
凛は、俺の言葉に手を握りしめてくれる。
「拓夢、あの日、抱かれなかったのは…」
「言わないで、凛」
「拓夢」
「凛の絶望に俺は、寄り添ってはやれないから…」
俺は、そう言って凛に笑いかけた。その絶望を拭えなかった時、俺を嫌いになっていたのはわかる。俺に失望したくなかったんだよな。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました
四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。
だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる