607 / 646
新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】
捨てちゃえよ…【凛と拓夢2】
しおりを挟む
暫くして、拓夢とまっつんさんが現れる。
「じゃあ、後でね。凛ちゃん」
「うん」
まっつんさんが、やって来て理沙ちゃんはいなくなってしまった。
「ごめん。話がしたいなんて言って…」
拓夢は、申し訳なさそうな顔をして近づいてきた。
「ううん。大丈夫だよ」
私は、そう言って笑った。
「どこで、話そうか?」
「どこでも…」
「せっかくだから、海見ながらがいいよな」
「でも、暗くなっちゃうよ」
「そうだな、夕日が終わりそうだよな」
夕暮れの海辺は、見渡す限り誰もいなかった。
「人いないから、どこでもいいんじゃないかな」
「じゃあ、ここでいいかー」
そう言って、私と拓夢はその場に座る。
「子供の頃は、よくこうやって砂の上に座ったりしてた」
「凛も!俺も同じだよ」
ブブッ…
「スマホ鳴ったよ」
「あっ、うん」
拓夢に言われて、私は、スマホを見た。
♡♡♡♡♡♡
「凛?」
スマホを見て、泣いてる凛を俺は見つめる。
「いるのこれ?いらないよね」
そう言って、凛は俺にスマホの画面を見せる。
「産まれたんだってー。おめでとうってやっぱり思えない」
俺は、ハンカチをポケットから取り出して凛に渡す。
「拓夢……。せっかく、楽しかったのに…」
凛は、ハンカチを受け取ってくれないから俺は、凛の涙をハンカチで拭う。
「楽しい事があったら、すぐにこうなるの…。私、そういう風になってるのかな?」
「そんなわけないだろ?」
「じゃあ、何で…」
俺は、凛の涙を拭い続ける。
「あのさ、凛」
「何?」
「もう、全部捨てちゃったらどうかな?」
俺の言葉に凛は、俺をジッーと見つめた。
「何を…?」
「友達をだよ」
そう言って、俺は凛を見つめる。
俺は凛に、これ以上絶望を味わって欲しくなかった。
♡♡♡♡♡♡
拓夢に言われて、スマホを開いた。
【無事、産まれました♡会ったら、抱っこしてあげてね♡】
その文章と共に赤ちゃんと映る雪乃の写真。これいるのかな?
私は、拓夢にスマホの画面を見せて泣いていた。楽しかったのに、こうやってすぐに絶望がやってくる。
拓夢から、渡されたハンカチを受け取る気力もなかった。
友達を…。拓夢の言葉に私は、考えていた。
「そしたら、私。友達いなくなっちゃう」
何故か、そんな言葉が口から出た。
「友達は、いないといけないのかな?」
「わからない」
友達が必要なのか必要じゃないのか、もうわからなかった。
「友達なら、俺や理沙ちゃんやまっつんやかねやんやしゅんがいるだろ?」
私は、拓夢の言葉に驚いた顔をした。
「俺達が、凛の友達になるから…。だから、凛。もう、捨てなよ」
拓夢の言葉に私は、スマホを拓夢に差し出した。
「じゃあ、後でね。凛ちゃん」
「うん」
まっつんさんが、やって来て理沙ちゃんはいなくなってしまった。
「ごめん。話がしたいなんて言って…」
拓夢は、申し訳なさそうな顔をして近づいてきた。
「ううん。大丈夫だよ」
私は、そう言って笑った。
「どこで、話そうか?」
「どこでも…」
「せっかくだから、海見ながらがいいよな」
「でも、暗くなっちゃうよ」
「そうだな、夕日が終わりそうだよな」
夕暮れの海辺は、見渡す限り誰もいなかった。
「人いないから、どこでもいいんじゃないかな」
「じゃあ、ここでいいかー」
そう言って、私と拓夢はその場に座る。
「子供の頃は、よくこうやって砂の上に座ったりしてた」
「凛も!俺も同じだよ」
ブブッ…
「スマホ鳴ったよ」
「あっ、うん」
拓夢に言われて、私は、スマホを見た。
♡♡♡♡♡♡
「凛?」
スマホを見て、泣いてる凛を俺は見つめる。
「いるのこれ?いらないよね」
そう言って、凛は俺にスマホの画面を見せる。
「産まれたんだってー。おめでとうってやっぱり思えない」
俺は、ハンカチをポケットから取り出して凛に渡す。
「拓夢……。せっかく、楽しかったのに…」
凛は、ハンカチを受け取ってくれないから俺は、凛の涙をハンカチで拭う。
「楽しい事があったら、すぐにこうなるの…。私、そういう風になってるのかな?」
「そんなわけないだろ?」
「じゃあ、何で…」
俺は、凛の涙を拭い続ける。
「あのさ、凛」
「何?」
「もう、全部捨てちゃったらどうかな?」
俺の言葉に凛は、俺をジッーと見つめた。
「何を…?」
「友達をだよ」
そう言って、俺は凛を見つめる。
俺は凛に、これ以上絶望を味わって欲しくなかった。
♡♡♡♡♡♡
拓夢に言われて、スマホを開いた。
【無事、産まれました♡会ったら、抱っこしてあげてね♡】
その文章と共に赤ちゃんと映る雪乃の写真。これいるのかな?
私は、拓夢にスマホの画面を見せて泣いていた。楽しかったのに、こうやってすぐに絶望がやってくる。
拓夢から、渡されたハンカチを受け取る気力もなかった。
友達を…。拓夢の言葉に私は、考えていた。
「そしたら、私。友達いなくなっちゃう」
何故か、そんな言葉が口から出た。
「友達は、いないといけないのかな?」
「わからない」
友達が必要なのか必要じゃないのか、もうわからなかった。
「友達なら、俺や理沙ちゃんやまっつんやかねやんやしゅんがいるだろ?」
私は、拓夢の言葉に驚いた顔をした。
「俺達が、凛の友達になるから…。だから、凛。もう、捨てなよ」
拓夢の言葉に私は、スマホを拓夢に差し出した。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
王妃の私には妾妃の貴女の考えなどお見通し
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
王太子妃となったミリアリアは不妊症であると医者に告げられ嘆き悲しむ。
そんなミリアリアに従妹のクローディアは自分が代わりに王の子供を産むと宣言した。
世継ぎを産み育てる役割だけはクローディアに。
それ以外の役割はミリアリアに。
そして宣言通り、クローディアは王子を出産した。
月日が経ち、ミリアリアは王太子妃から王妃になったが、そんな中で夫である王が急死してしまった。
ミリアリアはまだ年若い王子に王位を継がせずに自分が即位することにし、今まで表に出せなかった真実を露わにしていく。
全4話。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる