598 / 646
新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】
龍ちゃんに聞いてみる【凛】
しおりを挟む
「凛ちゃん、そしたら普通にたくむんにも会えるんだよ。世間なんて関係ないんだよ」
理沙ちゃんは、そう言って笑ってる。
「私は、不倫だけど…。理沙ちゃんは、普通に会えるんだよ?仕事じゃなくても…」
「駄目なの。それじゃ駄目なの…。世間は、許してくれない」
「理沙ちゃん……」
まっつんさんとの関係を凄く悩んだのがわかる。
「龍ちゃんに、聞いてはみるよ」
理沙ちゃんの為にどうにかしてあげたかった。
「うん。聞いて」
理沙ちゃんは、そう言ってケーキを食べてる。私は、そんな理沙ちゃんを見つめながら思っていた。世間と言う名の化け物が、理沙ちゃんの心をゴクリと飲み込んだ気がしていた。
「どうしたの?凛ちゃん」
「ううん。何もないよ」
「理沙ね、優太と結婚したかった」
理沙ちゃんは、そう言って紅茶を飲んだ。
私には、簡単に出来るよなんて言えなかった。
「優太のお母さん。理沙が嫌いなんだと思う」
「そんな事ないよ」
それが、精一杯、私が言える言葉だった。
「そうじゃなかったら、優太と理沙の話を週刊誌に売ったり何かしないよ」
「事情があったんじゃない?」
「優太のお母さんの事情は、いつもお金だよ!お金が欲しいから近づいてくるの…。たまにさ、無責任みたいにそんな人捨てたらとか言う人いるじゃない?」
「私も言っちゃうかも知れない」
理沙ちゃんは、私の言葉にクスッと笑った。
「その方がいいかもしれないけど…。優太にとっての母親は、あの人しかいないんだよ。それを捨てれば何て理沙は言えない。だって、優太を命懸けで産んでくれたのは事実でしょ?その後のやってる事は最低だけど…。それでも、お母さんを否定する事は優太を否定する事だから。優太もそれをわかってるから、無下に出来ないんだと思うんだ」
「そうだよね」
理沙ちゃんの言ってる事は、よくわかる。私だって、母親や父親を否定したくはない。例え、どんな親であっても…。二人がいなくちゃ私は、ここに生きていないわけだから…。
「だから、優太はお母さんに今までもお金渡してきてるの。今回も、優太がデビューしたのを誰かが話したんだと思うの。だから、週刊誌に売ったんだと思う」
「その人が言わなかったら、大丈夫だったんだよね…」
「そうだね。相沢さんが色々調べてくれるって優太は言ってたけど…。理沙が別れようって言ったんだ」
「理沙ちゃん、そんなの…」
「何で、凛ちゃんが泣くのよ」
ポロポロ泣いてる私を見つめながら、理沙ちゃんも泣いていた。
「ごめんね」
「いいんだけどねー」
「本当にごめんね。私、まっつんさんも理沙ちゃんも大好きだから…。二人には一緒になって欲しくて」
「凛ちゃん…」
理沙ちゃんも、ポロポロ泣きだした。
「来月、SNOWROSEのPVの撮影依頼が入ってるの」
「えっ?」
「優太に会いたいんだ」
理沙ちゃんの気持ちが痛い程、胸に刺さる。
「だって、こんな風にしかもう会えないから…。それでも、理沙。優太が好きなの」
私は、理沙ちゃんの言葉に泣いていた。
理沙ちゃんは、そう言って笑ってる。
「私は、不倫だけど…。理沙ちゃんは、普通に会えるんだよ?仕事じゃなくても…」
「駄目なの。それじゃ駄目なの…。世間は、許してくれない」
「理沙ちゃん……」
まっつんさんとの関係を凄く悩んだのがわかる。
「龍ちゃんに、聞いてはみるよ」
理沙ちゃんの為にどうにかしてあげたかった。
「うん。聞いて」
理沙ちゃんは、そう言ってケーキを食べてる。私は、そんな理沙ちゃんを見つめながら思っていた。世間と言う名の化け物が、理沙ちゃんの心をゴクリと飲み込んだ気がしていた。
「どうしたの?凛ちゃん」
「ううん。何もないよ」
「理沙ね、優太と結婚したかった」
理沙ちゃんは、そう言って紅茶を飲んだ。
私には、簡単に出来るよなんて言えなかった。
「優太のお母さん。理沙が嫌いなんだと思う」
「そんな事ないよ」
それが、精一杯、私が言える言葉だった。
「そうじゃなかったら、優太と理沙の話を週刊誌に売ったり何かしないよ」
「事情があったんじゃない?」
「優太のお母さんの事情は、いつもお金だよ!お金が欲しいから近づいてくるの…。たまにさ、無責任みたいにそんな人捨てたらとか言う人いるじゃない?」
「私も言っちゃうかも知れない」
理沙ちゃんは、私の言葉にクスッと笑った。
「その方がいいかもしれないけど…。優太にとっての母親は、あの人しかいないんだよ。それを捨てれば何て理沙は言えない。だって、優太を命懸けで産んでくれたのは事実でしょ?その後のやってる事は最低だけど…。それでも、お母さんを否定する事は優太を否定する事だから。優太もそれをわかってるから、無下に出来ないんだと思うんだ」
「そうだよね」
理沙ちゃんの言ってる事は、よくわかる。私だって、母親や父親を否定したくはない。例え、どんな親であっても…。二人がいなくちゃ私は、ここに生きていないわけだから…。
「だから、優太はお母さんに今までもお金渡してきてるの。今回も、優太がデビューしたのを誰かが話したんだと思うの。だから、週刊誌に売ったんだと思う」
「その人が言わなかったら、大丈夫だったんだよね…」
「そうだね。相沢さんが色々調べてくれるって優太は言ってたけど…。理沙が別れようって言ったんだ」
「理沙ちゃん、そんなの…」
「何で、凛ちゃんが泣くのよ」
ポロポロ泣いてる私を見つめながら、理沙ちゃんも泣いていた。
「ごめんね」
「いいんだけどねー」
「本当にごめんね。私、まっつんさんも理沙ちゃんも大好きだから…。二人には一緒になって欲しくて」
「凛ちゃん…」
理沙ちゃんも、ポロポロ泣きだした。
「来月、SNOWROSEのPVの撮影依頼が入ってるの」
「えっ?」
「優太に会いたいんだ」
理沙ちゃんの気持ちが痛い程、胸に刺さる。
「だって、こんな風にしかもう会えないから…。それでも、理沙。優太が好きなの」
私は、理沙ちゃんの言葉に泣いていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
王妃の私には妾妃の貴女の考えなどお見通し
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
王太子妃となったミリアリアは不妊症であると医者に告げられ嘆き悲しむ。
そんなミリアリアに従妹のクローディアは自分が代わりに王の子供を産むと宣言した。
世継ぎを産み育てる役割だけはクローディアに。
それ以外の役割はミリアリアに。
そして宣言通り、クローディアは王子を出産した。
月日が経ち、ミリアリアは王太子妃から王妃になったが、そんな中で夫である王が急死してしまった。
ミリアリアはまだ年若い王子に王位を継がせずに自分が即位することにし、今まで表に出せなかった真実を露わにしていく。
全4話。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。
仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。
彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。
しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる……
そんなところから始まるお話。
フィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる