595 / 646
エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】
お疲れ様【拓夢】
しおりを挟む
「お疲れ様」
「お疲れさまでした」
「星村君家の引っ越しも無事にすんだよ」
「ご迷惑おかけしまさした」
「いや、いや」
管理人さんから、昼御飯の時に連絡がきて話をしたから…。引越し屋さんは、時間通りにやってきたのがわかった。
「相沢さんがいなかったら、大変でしたよ」
「いつでも言ってくれていいんだよ!遠慮はしないで」
相沢さんは、そう言って笑ってくれた。まっつんは、ずっと俯いて黙ったままだった。
「じゃあ、今日は三人でご飯でも行こう」
相沢さんの言葉にまっつんは、コクンと頷いていた。
「タクシーで行こうかなー。俺も飲みたいからね」
そう言って、相沢さんはタクシーに連絡をしていた。俺は、まっつんに何の言葉もかけられなかった。タクシーが来るまでの間、相沢さんは俺達をどう見せていくかを一人で話してくれていた。お陰で空気は重くなかった。
「さあ、来たよ」
タクシーがやってきて、相沢さんは【花幻(はなげん)】行ってくれと頼んだ。暫くして、【花幻】についた。
俺達は、タクシーを降りる。
「こんばんは」
「相沢、いらっしゃい」
そう店主が言った後で、店員さんがやってきた。案内されたのは、個室だった。
「ご注文は?」
「生ビール3つとおまかせで」
「かしこまりました」
相沢さんの言葉に店員さんは頭を下げていなくなった。
「おしゃれですね」
「創作居酒屋ってやつだよ!って、下にいたのは俺の元バンドメンバーだけどね」
その言葉に、まっつんが驚いた声を出した。
「相沢さん、バンドしてたんですか?」
相沢さんは、「言ってなかったっけ?」と言いながら頭を掻いていた。
「お待たせしました」
小鉢に入れられたつきだしが3つと生ビールがやってきた。
「ありがとう」
「はい、失礼します」
店員さんは、そう言っていなくなった。
「お疲れさま、乾杯」
相沢さんの掛け声に『乾杯』と言ってジョッキをぶつけた。
「ここのポテサラうまいから食べてみて」
つきだしを指差して相沢さんが笑った。
『いただきます』
俺とまっつんは、そう言ってポテトサラダを食べた。
『うまっ』
二人で同時に声を出していた。
「だろう?」
そう言って、相沢さんは嬉しそうに笑っていた。
「色々思う事は、松田君も星村君もあるだろうけど…。俺が何とかするからさ!二人は、目の前の事を全力で頑張ってよ」
相沢さんは、そう言って笑ってくれる。相沢さんの何とかするは、ほんとうに何とかなる。だから、俺は信じられた。
「相沢さん、理沙と結婚したいです」
まっつんは、そう言ってビールをゴクリと飲んだ。
「わかってる。もう少しだけ待って欲しい」
相沢さんは、まっつんにそう言った。
「わかりました」
まっつんは、涙を拭って頷いた。
それからは、相沢さんの色んな話を聞いて食事会は終わった。
ご飯を食べ終えると俺達は相沢さんと別れてタクシーに乗って、家に帰った。
「じゃあな、拓夢」
「おやすみ、まっつん」
隣同士の俺達は、そう言ってから部屋に入った。
「お疲れさまでした」
「星村君家の引っ越しも無事にすんだよ」
「ご迷惑おかけしまさした」
「いや、いや」
管理人さんから、昼御飯の時に連絡がきて話をしたから…。引越し屋さんは、時間通りにやってきたのがわかった。
「相沢さんがいなかったら、大変でしたよ」
「いつでも言ってくれていいんだよ!遠慮はしないで」
相沢さんは、そう言って笑ってくれた。まっつんは、ずっと俯いて黙ったままだった。
「じゃあ、今日は三人でご飯でも行こう」
相沢さんの言葉にまっつんは、コクンと頷いていた。
「タクシーで行こうかなー。俺も飲みたいからね」
そう言って、相沢さんはタクシーに連絡をしていた。俺は、まっつんに何の言葉もかけられなかった。タクシーが来るまでの間、相沢さんは俺達をどう見せていくかを一人で話してくれていた。お陰で空気は重くなかった。
「さあ、来たよ」
タクシーがやってきて、相沢さんは【花幻(はなげん)】行ってくれと頼んだ。暫くして、【花幻】についた。
俺達は、タクシーを降りる。
「こんばんは」
「相沢、いらっしゃい」
そう店主が言った後で、店員さんがやってきた。案内されたのは、個室だった。
「ご注文は?」
「生ビール3つとおまかせで」
「かしこまりました」
相沢さんの言葉に店員さんは頭を下げていなくなった。
「おしゃれですね」
「創作居酒屋ってやつだよ!って、下にいたのは俺の元バンドメンバーだけどね」
その言葉に、まっつんが驚いた声を出した。
「相沢さん、バンドしてたんですか?」
相沢さんは、「言ってなかったっけ?」と言いながら頭を掻いていた。
「お待たせしました」
小鉢に入れられたつきだしが3つと生ビールがやってきた。
「ありがとう」
「はい、失礼します」
店員さんは、そう言っていなくなった。
「お疲れさま、乾杯」
相沢さんの掛け声に『乾杯』と言ってジョッキをぶつけた。
「ここのポテサラうまいから食べてみて」
つきだしを指差して相沢さんが笑った。
『いただきます』
俺とまっつんは、そう言ってポテトサラダを食べた。
『うまっ』
二人で同時に声を出していた。
「だろう?」
そう言って、相沢さんは嬉しそうに笑っていた。
「色々思う事は、松田君も星村君もあるだろうけど…。俺が何とかするからさ!二人は、目の前の事を全力で頑張ってよ」
相沢さんは、そう言って笑ってくれる。相沢さんの何とかするは、ほんとうに何とかなる。だから、俺は信じられた。
「相沢さん、理沙と結婚したいです」
まっつんは、そう言ってビールをゴクリと飲んだ。
「わかってる。もう少しだけ待って欲しい」
相沢さんは、まっつんにそう言った。
「わかりました」
まっつんは、涙を拭って頷いた。
それからは、相沢さんの色んな話を聞いて食事会は終わった。
ご飯を食べ終えると俺達は相沢さんと別れてタクシーに乗って、家に帰った。
「じゃあな、拓夢」
「おやすみ、まっつん」
隣同士の俺達は、そう言ってから部屋に入った。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる