577 / 646
エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】
一番の理解者に…【拓夢】
しおりを挟む
「拓夢、大丈夫だよ」
「凛」
眠っていると思っていた凛は、覗き込んでる俺の首に手を回した。
「拓夢が醜い言葉を話してるなら、私も同じだから…」
その言葉に、引き寄せられるようにキスをしていた。
「愛してる、凛」
「愛してる、拓夢」
この愛は、誰かが想像するような汚いものじゃないと信じたい。
「この先、どんな事があっても…。誰を好きになっても、凛への愛は変わらないから」
俺の約束のような決意に凛は泣いてくれる。
「私も拓夢をちゃんと愛してるよ」
「うん」
俺達は、繰り返しキスをし続けていた。どれくらいそうしていたかは、わからない。
「歯磨きして寝ようか」
「うん」
凛にそう言うと笑ってくれて、俺達は並んで歯を磨いた。そして、並んで眠りについた。
◆
◆
◆
「おはよう」
「おはよう」
目覚ましの音を聞かなくても、朝の五時に目が覚めた。
「今日は、下着買いに行こうか」
「うん」
俺は、伸びをしてゆっくり起き上がる。もう、凛が欲しいとかそんなんじゃなくて…。
「なあ、凛」
「何?」
「俺、凛にとっての一番の理解者になるよ」
その言葉にゆっくり起き上がった凛が後ろから俺を抱き締めてくれる。
「私をわかってくれるの?こんな酷い私を…」
「それは、俺も同じだから…」
凛が回してきた腕を撫でながら話す。
「ありがとう。私も拓夢の一番の理解者になる」
「ありがとな、凛」
「うん。朝御飯作るね」
「うん」
俺達は、同時にベットから降りた。洗面所で顔を洗って、歯を並んで磨いて笑った。俺が洗濯を回してる間に、凛はリビングに向かった。大丈夫だな!もう、俺達は…。
そんな風に俺は、思った。
リビングに行くと凛が朝御飯を作ってくれていた。
「目玉焼きは、しっかり焼く?」
「半熟がいいかなー」
「お味噌汁の具は、わかめしかなかった」
「ハムはあったっけ?」
まるで、一緒に暮らしてるみたいな会話。
「珈琲飲みたい」
「カフェインレス買っといたよ」
「カフェインレスじゃなくても、もう飲めるよ」
「いいじゃん。カフェインレスで!俺も飲むからさ」
「うん」
凛の笑顔を見つめながら、幸せな時間が過ぎていく。何も言わなくても、こんな関係で終わろうって決めたみたいに俺達は普通に話した。
「出来たよ」
「じゃあ、食べよう」
「うん」
凛がトレーにのせて、朝御飯をダイニングに持って行く。
『いただきます』
向かい合って、朝御飯を食べる。
「ごちそうさまでした。珈琲いれてくる」
「うん」
食べ終わった俺は、珈琲をいれに行く。マグカップにドリップをつけてお湯を注いでいく。もう、こんな日々を重ねていこうと決めた。何も考えなくていい。ただ、お互いを必要とするだけの日々を…。
「凛」
眠っていると思っていた凛は、覗き込んでる俺の首に手を回した。
「拓夢が醜い言葉を話してるなら、私も同じだから…」
その言葉に、引き寄せられるようにキスをしていた。
「愛してる、凛」
「愛してる、拓夢」
この愛は、誰かが想像するような汚いものじゃないと信じたい。
「この先、どんな事があっても…。誰を好きになっても、凛への愛は変わらないから」
俺の約束のような決意に凛は泣いてくれる。
「私も拓夢をちゃんと愛してるよ」
「うん」
俺達は、繰り返しキスをし続けていた。どれくらいそうしていたかは、わからない。
「歯磨きして寝ようか」
「うん」
凛にそう言うと笑ってくれて、俺達は並んで歯を磨いた。そして、並んで眠りについた。
◆
◆
◆
「おはよう」
「おはよう」
目覚ましの音を聞かなくても、朝の五時に目が覚めた。
「今日は、下着買いに行こうか」
「うん」
俺は、伸びをしてゆっくり起き上がる。もう、凛が欲しいとかそんなんじゃなくて…。
「なあ、凛」
「何?」
「俺、凛にとっての一番の理解者になるよ」
その言葉にゆっくり起き上がった凛が後ろから俺を抱き締めてくれる。
「私をわかってくれるの?こんな酷い私を…」
「それは、俺も同じだから…」
凛が回してきた腕を撫でながら話す。
「ありがとう。私も拓夢の一番の理解者になる」
「ありがとな、凛」
「うん。朝御飯作るね」
「うん」
俺達は、同時にベットから降りた。洗面所で顔を洗って、歯を並んで磨いて笑った。俺が洗濯を回してる間に、凛はリビングに向かった。大丈夫だな!もう、俺達は…。
そんな風に俺は、思った。
リビングに行くと凛が朝御飯を作ってくれていた。
「目玉焼きは、しっかり焼く?」
「半熟がいいかなー」
「お味噌汁の具は、わかめしかなかった」
「ハムはあったっけ?」
まるで、一緒に暮らしてるみたいな会話。
「珈琲飲みたい」
「カフェインレス買っといたよ」
「カフェインレスじゃなくても、もう飲めるよ」
「いいじゃん。カフェインレスで!俺も飲むからさ」
「うん」
凛の笑顔を見つめながら、幸せな時間が過ぎていく。何も言わなくても、こんな関係で終わろうって決めたみたいに俺達は普通に話した。
「出来たよ」
「じゃあ、食べよう」
「うん」
凛がトレーにのせて、朝御飯をダイニングに持って行く。
『いただきます』
向かい合って、朝御飯を食べる。
「ごちそうさまでした。珈琲いれてくる」
「うん」
食べ終わった俺は、珈琲をいれに行く。マグカップにドリップをつけてお湯を注いでいく。もう、こんな日々を重ねていこうと決めた。何も考えなくていい。ただ、お互いを必要とするだけの日々を…。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる