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エピローグ【凛と拓夢の話】
会場へ【凛】
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緊張から、私と龍ちゃんは、一言も話さずにこの場所に来た。
私と龍ちゃんが、会場につくと相沢さんから話を伺っているというスタッフさんがすぐに案内してくれる。
コンコンー
「はい」
中から声がして「失礼します」とスタッフさんが扉を開いた。
「俺は、そういうのは違うって」
四人の男の人達が、言い合いをしていた。その中に、はやとさんがいる。
「ごめんなさいね。わざわざ」
四人を見守るように見つめていた相沢さんが龍ちゃんと私に声をかけてきた。
「いえ」
龍ちゃんの言葉に相沢さんは、「君達が会いたがっていた皆月さん夫婦だ」と説明した。
「初めまして、智天使(ケルビム)のジュンです」
「同じく、もっちんです」
「同じく、ユウです」
そう言って、私達は三人に頭を下げられる。
「ほら、聞きたい事を聞きなよ。どうぞ、座って下さい」
相沢さんの言葉に私達は椅子に座った。
そして、三人は私と龍ちゃんに質問をしてくる。どう思っているのかとか、どんな気持ちなのだとか…。ほとんど、龍ちゃんが答えていて私は、ボッーと聞いていた。
「何となくわかりました。でも、理解はまだ出来ません。だから、少しだけ考えたいです」
その言葉に私は、もっちんさんを見つめていた。
「すみません。こんな時間まで話してもらったのに…」
そう言われて、私は壁にかかっている時計を見た。もう、14時を回っていた。
「凛さん、ボッーとしてたでしょ?」
はやとさんにそう言われて私は俯いた。
「わかるよ。何か不思議な感覚だったんでしょ?ここに来て」
「そうですね」
いよいよ、拓夢の夢が叶うんだって気持ちとどうにかわかってもらわなくちゃという気持ちが混ざり合って、私はほとんど聞いていなかった気がする。
「仕方ないよ」
はやとさんは、そう言って笑った。「でも、一つだけ聞いていい?」はやとさんの大きな声にみんなが私とはやとさんに注目した。
「凛さんにとって、拓夢との時間は必要だった?」
その言葉に龍ちゃんは、私の手を握りしめてくれる。言って、いいよって事なんだと思った。
「はい。私には、必要な時間でした。あの日々は、私を救ってくれた大切な時間でした」
その言葉に、他のメンバー達が私の事をジッと見つめていた。
「わかった。ありがとう」
はやとさんは、そう言って笑った。
「こっちで、見ますか?」
話が終わったのを確認して相沢さんは、私と龍ちゃんを連れて行く。
「ここからだと舞台がよく見えますから」
関係者の席へ案内してくれる。舞台を見ると拓夢達が演奏をしていた。
「まだ時間ありますから、ゆっくりして下さいね。外も行ったりして下さい」
そう言って、相沢さんはいなくなって…。私と龍ちゃんは、開場までの時間を二人で過ごしていた。
19時になるとたくさんの人がやってきた。いつの間にか、拓夢達はいなくなっていて…。私は、最後にトイレに来ていた。
「もう、梨寿(りじゅ)、トイレ並ばなきゃ」
「真白(ましろ)、ごめんね」
私の後ろに女の人が二人並んだ。
私と龍ちゃんが、会場につくと相沢さんから話を伺っているというスタッフさんがすぐに案内してくれる。
コンコンー
「はい」
中から声がして「失礼します」とスタッフさんが扉を開いた。
「俺は、そういうのは違うって」
四人の男の人達が、言い合いをしていた。その中に、はやとさんがいる。
「ごめんなさいね。わざわざ」
四人を見守るように見つめていた相沢さんが龍ちゃんと私に声をかけてきた。
「いえ」
龍ちゃんの言葉に相沢さんは、「君達が会いたがっていた皆月さん夫婦だ」と説明した。
「初めまして、智天使(ケルビム)のジュンです」
「同じく、もっちんです」
「同じく、ユウです」
そう言って、私達は三人に頭を下げられる。
「ほら、聞きたい事を聞きなよ。どうぞ、座って下さい」
相沢さんの言葉に私達は椅子に座った。
そして、三人は私と龍ちゃんに質問をしてくる。どう思っているのかとか、どんな気持ちなのだとか…。ほとんど、龍ちゃんが答えていて私は、ボッーと聞いていた。
「何となくわかりました。でも、理解はまだ出来ません。だから、少しだけ考えたいです」
その言葉に私は、もっちんさんを見つめていた。
「すみません。こんな時間まで話してもらったのに…」
そう言われて、私は壁にかかっている時計を見た。もう、14時を回っていた。
「凛さん、ボッーとしてたでしょ?」
はやとさんにそう言われて私は俯いた。
「わかるよ。何か不思議な感覚だったんでしょ?ここに来て」
「そうですね」
いよいよ、拓夢の夢が叶うんだって気持ちとどうにかわかってもらわなくちゃという気持ちが混ざり合って、私はほとんど聞いていなかった気がする。
「仕方ないよ」
はやとさんは、そう言って笑った。「でも、一つだけ聞いていい?」はやとさんの大きな声にみんなが私とはやとさんに注目した。
「凛さんにとって、拓夢との時間は必要だった?」
その言葉に龍ちゃんは、私の手を握りしめてくれる。言って、いいよって事なんだと思った。
「はい。私には、必要な時間でした。あの日々は、私を救ってくれた大切な時間でした」
その言葉に、他のメンバー達が私の事をジッと見つめていた。
「わかった。ありがとう」
はやとさんは、そう言って笑った。
「こっちで、見ますか?」
話が終わったのを確認して相沢さんは、私と龍ちゃんを連れて行く。
「ここからだと舞台がよく見えますから」
関係者の席へ案内してくれる。舞台を見ると拓夢達が演奏をしていた。
「まだ時間ありますから、ゆっくりして下さいね。外も行ったりして下さい」
そう言って、相沢さんはいなくなって…。私と龍ちゃんは、開場までの時間を二人で過ごしていた。
19時になるとたくさんの人がやってきた。いつの間にか、拓夢達はいなくなっていて…。私は、最後にトイレに来ていた。
「もう、梨寿(りじゅ)、トイレ並ばなきゃ」
「真白(ましろ)、ごめんね」
私の後ろに女の人が二人並んだ。
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