525 / 646
エピローグ【凛と拓夢の話】
チケットが売れなかったら【拓夢】
しおりを挟む
「その時は、イベントを持って事務所(うち)とは契約終了だ」
相沢さんは、俺達四人を見つめながらしっかりとした口調で話す。
「もしも、入らなかったらCDを売る必要もないよ」
相沢さんは、穏やかに諭すような口調で言っていた。
「わかりました。それなら、出来る限りやりますよ」
まっつんは、そう言って力強く頷いていた。
「じゃあ、俺は出来る限りの事をやるから…。SNOWROSEは、最後にいつも通りの日常を楽しんでおいで」
「練習は?」
しゅんの言葉に相沢さんは、首を横に振った。
「いらないんですか?」
かねやんの言葉に、相沢さんは「みんなが求めてるのは、完璧な演奏じゃない」と言った。
「じゃあ、何が…」
かねやんの言葉に、相沢さんは俺達を見つめながら話す。
「みんなが知りたいのは、君達が応援するに値する人物かどうかだよ」
そう言って、テレビをつけると何かを再生した。
映し出されたのは、OLの二人組だった。
「そうなんです。やっぱりスキャンダルがないからいいと思うんです」
「そうそう。はやとはカッコいいだけじゃなくて、浮いた噂がないから…」
どうやら二人は、智天使(ケルビム)の話をしているらしい。
画面は、別の人物に切り替わる。
「もっちんのギターが上手いのは、当たり前にわかってるんですよ」
「そもそも、バンドでデビューするって事は上手いのは前提にあるわけじゃないですか!」
「やっぱり、スキャンダルもないし、硬派なイメージが強いかな」
そう言うと三人組の女の子達は、嬉しそうに笑っている。そして、画面はまた別の人物に切り替わった。
「熱愛が出た時は、ショックはありましたよ」
「でも、ドラムのジュンは真剣交際を認めたから、応援しようと思いました」
「あそこで、はぐらかされてたらファンやめてたかも」
「わかる!そこは、誠実でいて欲しかったから…」
四人組の女の人は、そう言いながら頷いている。また、別の人物に切り替わった。
「ベースのユウちゃんは、やっぱりちゃんとしてるのが伝わってくる」
「何かみんながごちゃごちゃしてても、何だかんだ言って纏めちゃうんだよね」
「そこが、凄くいい」
そう言って、二人組の女の人は笑っていた。相沢さんは、テレビを消して俺達を見る。
「今のは、智天使(ケルビム)のファンの言葉だ!今の話を聞いてわかるだろ?君達も同じだ。デビューしている時点で、ファンからしたら技術はあると思っているんだ。その上で、必要なのは君達が応援するに値する人物かどうかなんだよ」
相沢さんの言葉に俺達は、相沢さんを見つめていた。
相沢さんは、俺達四人を見つめながらしっかりとした口調で話す。
「もしも、入らなかったらCDを売る必要もないよ」
相沢さんは、穏やかに諭すような口調で言っていた。
「わかりました。それなら、出来る限りやりますよ」
まっつんは、そう言って力強く頷いていた。
「じゃあ、俺は出来る限りの事をやるから…。SNOWROSEは、最後にいつも通りの日常を楽しんでおいで」
「練習は?」
しゅんの言葉に相沢さんは、首を横に振った。
「いらないんですか?」
かねやんの言葉に、相沢さんは「みんなが求めてるのは、完璧な演奏じゃない」と言った。
「じゃあ、何が…」
かねやんの言葉に、相沢さんは俺達を見つめながら話す。
「みんなが知りたいのは、君達が応援するに値する人物かどうかだよ」
そう言って、テレビをつけると何かを再生した。
映し出されたのは、OLの二人組だった。
「そうなんです。やっぱりスキャンダルがないからいいと思うんです」
「そうそう。はやとはカッコいいだけじゃなくて、浮いた噂がないから…」
どうやら二人は、智天使(ケルビム)の話をしているらしい。
画面は、別の人物に切り替わる。
「もっちんのギターが上手いのは、当たり前にわかってるんですよ」
「そもそも、バンドでデビューするって事は上手いのは前提にあるわけじゃないですか!」
「やっぱり、スキャンダルもないし、硬派なイメージが強いかな」
そう言うと三人組の女の子達は、嬉しそうに笑っている。そして、画面はまた別の人物に切り替わった。
「熱愛が出た時は、ショックはありましたよ」
「でも、ドラムのジュンは真剣交際を認めたから、応援しようと思いました」
「あそこで、はぐらかされてたらファンやめてたかも」
「わかる!そこは、誠実でいて欲しかったから…」
四人組の女の人は、そう言いながら頷いている。また、別の人物に切り替わった。
「ベースのユウちゃんは、やっぱりちゃんとしてるのが伝わってくる」
「何かみんながごちゃごちゃしてても、何だかんだ言って纏めちゃうんだよね」
「そこが、凄くいい」
そう言って、二人組の女の人は笑っていた。相沢さんは、テレビを消して俺達を見る。
「今のは、智天使(ケルビム)のファンの言葉だ!今の話を聞いてわかるだろ?君達も同じだ。デビューしている時点で、ファンからしたら技術はあると思っているんだ。その上で、必要なのは君達が応援するに値する人物かどうかなんだよ」
相沢さんの言葉に俺達は、相沢さんを見つめていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
王妃の私には妾妃の貴女の考えなどお見通し
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
王太子妃となったミリアリアは不妊症であると医者に告げられ嘆き悲しむ。
そんなミリアリアに従妹のクローディアは自分が代わりに王の子供を産むと宣言した。
世継ぎを産み育てる役割だけはクローディアに。
それ以外の役割はミリアリアに。
そして宣言通り、クローディアは王子を出産した。
月日が経ち、ミリアリアは王太子妃から王妃になったが、そんな中で夫である王が急死してしまった。
ミリアリアはまだ年若い王子に王位を継がせずに自分が即位することにし、今まで表に出せなかった真実を露わにしていく。
全4話。
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる