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エピローグ【凛と拓夢の話】
許すとか許さないとか【凛】
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龍ちゃんは、さっきとは違って穏やかに話し出した。
「だから、星村さんには、感謝しかしていません」
そう言って、柔らかく笑った笑顔は、いつもの龍ちゃんだった。
「皆月さんは、不思議な方ですね。俺は、神様か仏様とでも話してるみたいだ」
そう言って、はやとさんは龍ちゃんに笑いながら言った。
「大袈裟ですよ。私は、ただ妻と一緒に生きていきたいだけの人間です」
そう言いながら、龍ちゃんは頬を掻いていた。相沢さんは、龍ちゃんの言葉に鞄からタブレットを出した。
「では、この記事は偽物なんですね」
相沢さんの言葉に龍ちゃんは、大きく頷いていた。
「もう、充分わかりました」
はやとさんは、そう言って龍ちゃんを見つめた。
「じゃあ、もう質問は終わりですか?」
私は、少しだけホッとした声を出していた。
「終わりましょう。俺は、聞きたい答えをもらいましたから…」
「それって、許せるか許せないかだったのでしょうか?」
私の言葉にはやとさんは、「うーん」と言ってから話す。
「一番は、そこだったかも知れません。でも、それよりも見たかったのは皆月さんの表情だったと思います。今の表情で、全てを理解しました。この記事や掲示板に書かれている言葉が嘘だとハッキリわかりました」
そう言って、はやとさんはタブレットをトントンと指で叩いていた。龍ちゃんは、その言葉に柔らかく笑いながら話す。
「妻との事で、星村さんがデビュー出来なくなるのは、違うと思ったので…。だから、私は、この話を引き受けました。勿論、お二人に本心を知ってもらいたかったって言うのが一番ですが…」
龍ちゃんの声に雰囲気に話し方に、その場の空気が変わるのを感じた。
「ハハハ、皆月さんは、不思議な人ですね」
相沢さんは、そう言って笑った。
「そうでしょうか?」
龍ちゃんは、少し困った顔をする。
「はい。俺は、人生で皆月さんのような人に出会ったのは初めてですよ。今、話された皆月さんは全身から優しさが滲み出てる。こんなにも、優しい人間(はひと)を俺は知りません」
相沢さんの言葉に龍ちゃんは、「買い被りすぎです」と笑って言った。
「そんな事ありませんよ」
相沢さんは、そう言いながら首を左右に振っていた。
「私だって、たまには怒ったりもする。ただの人間です」
龍ちゃんの言葉にはやとさんが「ハハハ」と笑った。
「凛さん、皆月さん、お二人のお話で決めました。俺は、全力でSNOWROSEを応援します」
はやとさんは、そう言ってニコニコ笑ってくれる。
「当日、智天使(ケルビム)の他のメンバーに会ってもらう事は可能ですか?」
相沢さんが、そう言ってきた。
「構いませんよ」
龍ちゃんは、そう言って頷いていた。
「私も、大丈夫です」
私もそう言って、笑った。
「よかったです。はやと以外のメンバーは、反対しています。ですが、SNOWROSEを売り出す為には智天使(ケルビム)の協力がどうしても必要なんですよ」
相沢さんは、そう言いながら苦笑いを浮かべてタブレットを鞄にしまっていた。
「だから、星村さんには、感謝しかしていません」
そう言って、柔らかく笑った笑顔は、いつもの龍ちゃんだった。
「皆月さんは、不思議な方ですね。俺は、神様か仏様とでも話してるみたいだ」
そう言って、はやとさんは龍ちゃんに笑いながら言った。
「大袈裟ですよ。私は、ただ妻と一緒に生きていきたいだけの人間です」
そう言いながら、龍ちゃんは頬を掻いていた。相沢さんは、龍ちゃんの言葉に鞄からタブレットを出した。
「では、この記事は偽物なんですね」
相沢さんの言葉に龍ちゃんは、大きく頷いていた。
「もう、充分わかりました」
はやとさんは、そう言って龍ちゃんを見つめた。
「じゃあ、もう質問は終わりですか?」
私は、少しだけホッとした声を出していた。
「終わりましょう。俺は、聞きたい答えをもらいましたから…」
「それって、許せるか許せないかだったのでしょうか?」
私の言葉にはやとさんは、「うーん」と言ってから話す。
「一番は、そこだったかも知れません。でも、それよりも見たかったのは皆月さんの表情だったと思います。今の表情で、全てを理解しました。この記事や掲示板に書かれている言葉が嘘だとハッキリわかりました」
そう言って、はやとさんはタブレットをトントンと指で叩いていた。龍ちゃんは、その言葉に柔らかく笑いながら話す。
「妻との事で、星村さんがデビュー出来なくなるのは、違うと思ったので…。だから、私は、この話を引き受けました。勿論、お二人に本心を知ってもらいたかったって言うのが一番ですが…」
龍ちゃんの声に雰囲気に話し方に、その場の空気が変わるのを感じた。
「ハハハ、皆月さんは、不思議な人ですね」
相沢さんは、そう言って笑った。
「そうでしょうか?」
龍ちゃんは、少し困った顔をする。
「はい。俺は、人生で皆月さんのような人に出会ったのは初めてですよ。今、話された皆月さんは全身から優しさが滲み出てる。こんなにも、優しい人間(はひと)を俺は知りません」
相沢さんの言葉に龍ちゃんは、「買い被りすぎです」と笑って言った。
「そんな事ありませんよ」
相沢さんは、そう言いながら首を左右に振っていた。
「私だって、たまには怒ったりもする。ただの人間です」
龍ちゃんの言葉にはやとさんが「ハハハ」と笑った。
「凛さん、皆月さん、お二人のお話で決めました。俺は、全力でSNOWROSEを応援します」
はやとさんは、そう言ってニコニコ笑ってくれる。
「当日、智天使(ケルビム)の他のメンバーに会ってもらう事は可能ですか?」
相沢さんが、そう言ってきた。
「構いませんよ」
龍ちゃんは、そう言って頷いていた。
「私も、大丈夫です」
私もそう言って、笑った。
「よかったです。はやと以外のメンバーは、反対しています。ですが、SNOWROSEを売り出す為には智天使(ケルビム)の協力がどうしても必要なんですよ」
相沢さんは、そう言いながら苦笑いを浮かべてタブレットを鞄にしまっていた。
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