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エピローグ【拓夢の話4】
相沢さんの真意
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「まあ、頑張ってるのを否定するわけじゃないし。やるのを無駄だなんて言ってないよ」
「はい」
相沢さんは、コーヒーを一口飲んでこう言った。
「俺が言いたいのはね!叶えたい夢をいくつも持っておくべきだって事なんだよ!わかるかな?星村君」
「わかります」
俺は、相沢さんの言いたい事がわかる。だって、俺の叶えたい夢は凛の傍にいる事に変わったから…。SNOWROSEのデビューがなかったら、俺はまた絶望してた。
「若者でわかってくれる人に出会ったのは初めてだよ」
そう言って、相沢さんはニコニコと笑った。
「俺、いつも怒られるんだよ!相沢の言いたい事はわかるけど、夢を一つだけにするなって言葉までいわなくちゃ誤解されるだろってね!ネットなら、お前は叩かれるってね」
「確かにそうかもしれないですね」
「ハハハ、やっぱりそうだよな!ちゃんと言わなきゃいけないよな」
相沢さんは、そう言って笑いながら鼻を掻いた。
「相沢さんは、最後は応援する側になったんですよね」
俺の言葉に、相沢さんはうんうんと頷いていた。そして、「俺は、必ず売れさせる自信があるからね」と笑った。
夢を諦めた相沢さんだから、見える世界があるのを俺は知った。
「誤解しないで欲しいのは、俺は努力も才能も運も認めてるから!認めたうえで、言ってるからね」
「わかってますよ」
俺の言葉に、相沢さんはホッとした顔を見せる。
「聖治が生きてたら、俺もバンドマンだったんだろうなーって思ったら、何か悔しくて!俺が見つけたバンドは、絶対日の目を浴びさせるって覚悟決めたんだよ!」
そう言いながら、相沢さんは遠くを見つめていた。
「若いと信じられないんだよな!でも、現実はそうなんだよ。どんなに努力しても叶わない事もある。才能があっても叶わない事がある。運があってもうまくいかない事もある。だからって、諦めろ何て言ってるわけじゃないよ」
「はい」
相沢さんは、そう言うと俺にタブレットを見せる。
「でも、さすがに、星村君は、諦めるべきだよ!これは、絶対に叶わない願いだから…」
そう言って、相沢さんは申し訳なさそうな顔をしながら眉間に皺を寄せてる。見せられたそれには、SNOWROSE拓夢不倫と書かれていた。
「相沢マジック初の失敗か?!何かすみません」
「別に怒ってないよ!俺は、こんな風に書かれてもSNOWROSEを必ず売り出すから!」
相沢さんは、そう言いながら俺に笑って話す。
「ただね、かなり炎上してるようだから…。星村君に真実を聞きたかったんだ」
そう言って、相沢さんはタブレットをとんとんと叩いた。絶対に叶わない…そんな事はわかっていた。
「はい」
相沢さんは、コーヒーを一口飲んでこう言った。
「俺が言いたいのはね!叶えたい夢をいくつも持っておくべきだって事なんだよ!わかるかな?星村君」
「わかります」
俺は、相沢さんの言いたい事がわかる。だって、俺の叶えたい夢は凛の傍にいる事に変わったから…。SNOWROSEのデビューがなかったら、俺はまた絶望してた。
「若者でわかってくれる人に出会ったのは初めてだよ」
そう言って、相沢さんはニコニコと笑った。
「俺、いつも怒られるんだよ!相沢の言いたい事はわかるけど、夢を一つだけにするなって言葉までいわなくちゃ誤解されるだろってね!ネットなら、お前は叩かれるってね」
「確かにそうかもしれないですね」
「ハハハ、やっぱりそうだよな!ちゃんと言わなきゃいけないよな」
相沢さんは、そう言って笑いながら鼻を掻いた。
「相沢さんは、最後は応援する側になったんですよね」
俺の言葉に、相沢さんはうんうんと頷いていた。そして、「俺は、必ず売れさせる自信があるからね」と笑った。
夢を諦めた相沢さんだから、見える世界があるのを俺は知った。
「誤解しないで欲しいのは、俺は努力も才能も運も認めてるから!認めたうえで、言ってるからね」
「わかってますよ」
俺の言葉に、相沢さんはホッとした顔を見せる。
「聖治が生きてたら、俺もバンドマンだったんだろうなーって思ったら、何か悔しくて!俺が見つけたバンドは、絶対日の目を浴びさせるって覚悟決めたんだよ!」
そう言いながら、相沢さんは遠くを見つめていた。
「若いと信じられないんだよな!でも、現実はそうなんだよ。どんなに努力しても叶わない事もある。才能があっても叶わない事がある。運があってもうまくいかない事もある。だからって、諦めろ何て言ってるわけじゃないよ」
「はい」
相沢さんは、そう言うと俺にタブレットを見せる。
「でも、さすがに、星村君は、諦めるべきだよ!これは、絶対に叶わない願いだから…」
そう言って、相沢さんは申し訳なさそうな顔をしながら眉間に皺を寄せてる。見せられたそれには、SNOWROSE拓夢不倫と書かれていた。
「相沢マジック初の失敗か?!何かすみません」
「別に怒ってないよ!俺は、こんな風に書かれてもSNOWROSEを必ず売り出すから!」
相沢さんは、そう言いながら俺に笑って話す。
「ただね、かなり炎上してるようだから…。星村君に真実を聞きたかったんだ」
そう言って、相沢さんはタブレットをとんとんと叩いた。絶対に叶わない…そんな事はわかっていた。
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