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エピローグ【凛の話4】
その話って…
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理沙ちゃんは、「優太のお母さん。また、お金が欲しくなったの」と困ったように眉を寄せて話した。
「デビューするから?」
「そう!誰かが優太のお母さんに会いに行ったらしく…」
「それで?」
「色々話をしたんだって!メンバーの事や!たくむんの事や!理沙の事も」
「それって、あの掲示板に書かれていたのがそうって事?」
私の言葉に、理沙ちゃんは首を縦に振った。
「そんな…」
「優太のお母さんは、それだけじゃないって!SNOWROSEを陥れようとしてる人は沢山いるって…。優太に話したって」
「それって、これからもっと何かが出てくるって事?」
私の言葉に理沙ちゃんはうんうんと頷く。
「そんなの酷い」
私は、泣いてしまっていた。SNOWROSEの皆が頑張って作り上げてきたものが、悪意のある誰かに壊されるなんて…。
「もしかしたら、たくむんと凛ちゃんの事も記事にされたりする可能性もあるかもって!」
理沙ちゃんの言葉に私は驚いた顔を向けた。
「まだ、わからないよ。ただ、その可能性はゼロじゃないって!優太が昨日そんな事言うから!理沙、心配で凛ちゃんの所に来たんだよ!」
理沙ちゃんが、会いに来てくれた理由がわかった。私は、その言葉に蓮見君を思い出してしまう。誰かに頼まれて、私と拓夢の写真を撮っていた。
「凛ちゃん、大丈夫?」
「うん、何でもない」
私は、そう言って理沙ちゃんに笑った。こんなに悩んでいる理沙ちゃんに、蓮見君に撮られた写真の話しなど出来なかった。
「クロワッサン食べよう」
「うん」
私は、理沙ちゃんにクロワッサンを差し出した。
「凛ちゃん」
「うん」
「SNOWROSEを潰したがってるのって、きっとデビュー出来なかった人だよね」
理沙ちゃんは、コーヒーのマグカップを引き寄せて砂糖とミルクをいれながら話す。
「わからないけど、ファンが多いんだよね?」
「そうだって、優太が言ってた」
理沙ちゃんがクルクルとかき混ぜてるのを見つめていた。
「ファンの嫌がらせって事?」
理沙ちゃんは、私の言葉に手を止める。
「そんな気がしてる」
理沙ちゃんは、私の顔を見ずにクロワッサンだけを見てそう言った。
「悲しいね。好きなバンドが違うだけで、傷つけ合っちゃうって」
私は、そう言いながらマグカップに砂糖とミルクをいれる。
「人間なんて、そんなものだよ。結局、自分と違う人は受け入れないわけでしょ?」
「極論だけどね…。でも、そうかもね」
理沙ちゃんは、うんと頷いてクロワッサンを食べる。
群れて生きる人間って生き物は、別の群れを見ると苛立つのだと思った。
だからSNOWROSEを陥れたり蹴落としたりしたいのだと思う。それは、自分達の大好きなバンドがバラバラにされたやり場のない怒りや悲しみなのかもしれない。
「デビューするから?」
「そう!誰かが優太のお母さんに会いに行ったらしく…」
「それで?」
「色々話をしたんだって!メンバーの事や!たくむんの事や!理沙の事も」
「それって、あの掲示板に書かれていたのがそうって事?」
私の言葉に、理沙ちゃんは首を縦に振った。
「そんな…」
「優太のお母さんは、それだけじゃないって!SNOWROSEを陥れようとしてる人は沢山いるって…。優太に話したって」
「それって、これからもっと何かが出てくるって事?」
私の言葉に理沙ちゃんはうんうんと頷く。
「そんなの酷い」
私は、泣いてしまっていた。SNOWROSEの皆が頑張って作り上げてきたものが、悪意のある誰かに壊されるなんて…。
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「凛ちゃん、大丈夫?」
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私は、そう言って理沙ちゃんに笑った。こんなに悩んでいる理沙ちゃんに、蓮見君に撮られた写真の話しなど出来なかった。
「クロワッサン食べよう」
「うん」
私は、理沙ちゃんにクロワッサンを差し出した。
「凛ちゃん」
「うん」
「SNOWROSEを潰したがってるのって、きっとデビュー出来なかった人だよね」
理沙ちゃんは、コーヒーのマグカップを引き寄せて砂糖とミルクをいれながら話す。
「わからないけど、ファンが多いんだよね?」
「そうだって、優太が言ってた」
理沙ちゃんがクルクルとかき混ぜてるのを見つめていた。
「ファンの嫌がらせって事?」
理沙ちゃんは、私の言葉に手を止める。
「そんな気がしてる」
理沙ちゃんは、私の顔を見ずにクロワッサンだけを見てそう言った。
「悲しいね。好きなバンドが違うだけで、傷つけ合っちゃうって」
私は、そう言いながらマグカップに砂糖とミルクをいれる。
「人間なんて、そんなものだよ。結局、自分と違う人は受け入れないわけでしょ?」
「極論だけどね…。でも、そうかもね」
理沙ちゃんは、うんと頷いてクロワッサンを食べる。
群れて生きる人間って生き物は、別の群れを見ると苛立つのだと思った。
だからSNOWROSEを陥れたり蹴落としたりしたいのだと思う。それは、自分達の大好きなバンドがバラバラにされたやり場のない怒りや悲しみなのかもしれない。
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