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エピローグ【凛の話4】
お化けじゃないよ
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雨に濡れないのを感じて、私は振り返った。
「傘、忘れたの?」
「何でいるの?」
私は、驚いた顔をしてその人を見つめていた。
「お化けじゃないから!これ、使って」
そこにいたのは、理沙ちゃんだった。
「何で、いるの?」
「これ、買いに行ってたの」
理沙ちゃんは、アンジェロの袋を見せてきた。
「でも、ここに用事」
「凛ちゃんにもお裾分けしようと思ってね!駅降りたら、似たひとを見つけちゃったから!追いかけてきちゃった」
理沙ちゃんは、そう言って私にパンの袋を握らせる。
「理沙ちゃん、私」
涙が止められなくなって泣いてしまった。
「大丈夫?凛ちゃん」
理沙ちゃんは、突然泣き出した私に驚いていた。
「ごめんね。わざわざありがとう」
私は、涙を拭って笑ってみせる。
「理沙でよかったら、話聞くよ!今日は、お昼からだから、バイト」
「理沙ちゃん」
私は、理沙ちゃんの優しさに胸の奥が暖かくなるのを感じた。
「家にきて!」
私は、理沙ちゃんにそう言った。
「勿論だよ」
理沙ちゃんと一緒に一つの傘に入りながら家に帰る。
「凛ちゃん、ここに住んでるの?」
「そうだよ!」
家の鍵を開けて、理沙ちゃんを入れた。
「あっ、洗濯物!ごめん。あがって」
「うん」
私は、理沙ちゃんにそう言ってバタバタと中に入る。ダイニングに鞄をひっかけて、テーブルにパンの袋を置いて急いで庭に出た。
洗濯物は、洗い直さなきゃいけないぐらいびしょ濡れだった。
「かご」
私は、中に入って洗面所から洗濯かごを取って戻ってきた。
もう一度、庭に出て洗濯物を取り込んだ。それを持って、洗面所に行って洗濯を回す。びしょ濡れの今着ていた服も一緒に入れた。
バスタオルで、頭と体を拭いてからルームウェアに着替えた。フェイスタオルを取って、リビングに戻った。
「ごめんね、理沙ちゃん」
私は、フェイスタオルを差し出した。
「凛ちゃん、シャワー浴びた方がいいよ!」
理沙ちゃんは、私の手を握ってそう言った。
「冷たいから、浴びてきて」
「ごめんね」
私は、理沙ちゃんにそう言ってシャワーを浴びに行く。
お風呂場の蛇口を捻ってお湯が出るのを待っていた。
雨が降るなどと言ってなかった。
「女心と秋の空」
私は、ポツリと呟いてシャワーに入った。季節がもう夏から秋へと移り変わってきたのがわかった。シャワーのお湯が冷えた体を暖めてくれる。
これから、どんどん悪い事が起きそうな予感が胸に広がってくる。安易に不倫に逃げた罰。だけど、不思議と後悔はなかった。
シャワーから上がって、バスタオルをとって体を拭いていく。
私は、拓夢との時間を後悔なんてしてなかった。
だって、あの日…。
ううん。
ルームウェアに着替えてから、髪を乾かす。
こんな風に絶望しないでいい日がいつか来るのだろうか?
私は、ドライヤーを終えてリビングに戻った。
「傘、忘れたの?」
「何でいるの?」
私は、驚いた顔をしてその人を見つめていた。
「お化けじゃないから!これ、使って」
そこにいたのは、理沙ちゃんだった。
「何で、いるの?」
「これ、買いに行ってたの」
理沙ちゃんは、アンジェロの袋を見せてきた。
「でも、ここに用事」
「凛ちゃんにもお裾分けしようと思ってね!駅降りたら、似たひとを見つけちゃったから!追いかけてきちゃった」
理沙ちゃんは、そう言って私にパンの袋を握らせる。
「理沙ちゃん、私」
涙が止められなくなって泣いてしまった。
「大丈夫?凛ちゃん」
理沙ちゃんは、突然泣き出した私に驚いていた。
「ごめんね。わざわざありがとう」
私は、涙を拭って笑ってみせる。
「理沙でよかったら、話聞くよ!今日は、お昼からだから、バイト」
「理沙ちゃん」
私は、理沙ちゃんの優しさに胸の奥が暖かくなるのを感じた。
「家にきて!」
私は、理沙ちゃんにそう言った。
「勿論だよ」
理沙ちゃんと一緒に一つの傘に入りながら家に帰る。
「凛ちゃん、ここに住んでるの?」
「そうだよ!」
家の鍵を開けて、理沙ちゃんを入れた。
「あっ、洗濯物!ごめん。あがって」
「うん」
私は、理沙ちゃんにそう言ってバタバタと中に入る。ダイニングに鞄をひっかけて、テーブルにパンの袋を置いて急いで庭に出た。
洗濯物は、洗い直さなきゃいけないぐらいびしょ濡れだった。
「かご」
私は、中に入って洗面所から洗濯かごを取って戻ってきた。
もう一度、庭に出て洗濯物を取り込んだ。それを持って、洗面所に行って洗濯を回す。びしょ濡れの今着ていた服も一緒に入れた。
バスタオルで、頭と体を拭いてからルームウェアに着替えた。フェイスタオルを取って、リビングに戻った。
「ごめんね、理沙ちゃん」
私は、フェイスタオルを差し出した。
「凛ちゃん、シャワー浴びた方がいいよ!」
理沙ちゃんは、私の手を握ってそう言った。
「冷たいから、浴びてきて」
「ごめんね」
私は、理沙ちゃんにそう言ってシャワーを浴びに行く。
お風呂場の蛇口を捻ってお湯が出るのを待っていた。
雨が降るなどと言ってなかった。
「女心と秋の空」
私は、ポツリと呟いてシャワーに入った。季節がもう夏から秋へと移り変わってきたのがわかった。シャワーのお湯が冷えた体を暖めてくれる。
これから、どんどん悪い事が起きそうな予感が胸に広がってくる。安易に不倫に逃げた罰。だけど、不思議と後悔はなかった。
シャワーから上がって、バスタオルをとって体を拭いていく。
私は、拓夢との時間を後悔なんてしてなかった。
だって、あの日…。
ううん。
ルームウェアに着替えてから、髪を乾かす。
こんな風に絶望しないでいい日がいつか来るのだろうか?
私は、ドライヤーを終えてリビングに戻った。
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