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エピローグ【拓夢の話3】

手紙の内容

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俺は、手紙を開いて固まっていた。

「終わったよ!拓夢?」

凛は、俺の顔を覗き込んだ。手が震えるのを感じる。涙が流れてくる感覚がする。

「拓夢……?」

「あっ、ごめん」

バサッと写真が落ちてきた。

「これって……?」

「まっつんのお母さんと俺だろ」

誰が撮ったかは、わからない。ただ、あの日の俺なのはわかる。

「二人で帰ってきたのを撮られてたの?」

「そうだろうな」

凛は、俺に写真を渡してくれた。

「誰が、そんな事?」

「さぁー?これでも、バンドは人気あったからだろ…」

俺は、手紙を机の上に置いた。

「メジャーデビューおめでとうございます。こんな日が来るなら、証拠は残すべきじゃないですね。星村拓夢さんが、女性問題でデビュー出来なくなるのを心配しています。早く不倫などやめて真面目になっていただきたいです。外でいちゃつくのはやめた方がいいですよ」

凛は、手紙を口に出して読んだ。

「読まなくていいよ」

「拓夢、震えてるの?」

凛は、俺の手を握りしめてくれる。

「ごめん。俺が、浅はかだから…。こんな事になったんだよな」

「この写真を週刊誌に売られたりするのかな?」

「わからない」

SNOWROSEより、凛を取ろうとしたから罰が当たったんだ。

「拓夢、震えてるよ。私のせいだよね…。こんなの…」

「違う」

俺は、凛を引き寄せて抱き締める。

「バンドより、凛を取ろうとしたからだよ。まっつんの母親との事を知ってる人がいるなんて思わなかった。だから…」

「拓夢は、何も悪くないよ」

凛は、俺の背中を撫でてくれる。有名になる事は、この先、俺をどんどん苦しめていくって事だ。

「俺のせいで、凛が酷い目に合うのだけは嫌だ」

俺は、凛の背中に回してる手に力を入れる。

「苦しいよ、拓夢」

「ごめん。愛してるよ、凛」

止められなくなって、凛の背中に手を入れてく。

「おかしくなるよ」

俺は、その言葉に凛の顔を覗き込む。

「おかしくなろうか?」

そう言って、ベッドのある部屋に凛を連れて行く。

「拓夢、愛してる」

「俺もだよ!凛」

俺は、凛をベッドに座らせる。

「凛、俺を食べてよ!俺も凛を食べるから」

「いいよ」

凛は、そう言って潤んだ目を俺に向ける。ずっと我慢していた気持ちを吐き出すように
凛の唇に唇を重ねる。

「拓夢、激しッッ」

「もう、無理」

俺は、抑えきれなくて凛に欲望をぶつけていた。今日だけでも、凛の綺麗さに目を奪われた人がいた。

今は、俺だけの凛だ。

凛を誰にも取られたくない。

旦那でもないくせに…。

凛の一番でもないくせに…。

それでも、俺は…。

凛を誰にもとられたくなかった。

「凛、それはもう」

「いいから、大丈夫だから」

凛は、もうそれを恐れていないようだった。優しく凛の唇が当たる。俺を傷つけないように、俺を怖がらせないように、優しくて丁寧にそうしていく。

「ヤバい、気持ちいい」

その言葉に、凛は上目遣いで俺を見つめた。
その眼差しに恐怖を感じなかった。
むしろ、幸せと快感がくっついた心地よさで!脳天まで、溶けていくのを感じる。

「凛」

俺は、凛の髪を優しく撫でる。

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