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エピローグ【拓夢の話3】
もう二度と触れられない人
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撮影は、無事に終わって着替えた俺達が、さっきの場所に戻ると…。
「いやー、お疲れさまでした」
相沢さんは、戻ってきていたようで、ニコニコと笑って俺達に近づいてくる。
「とてもいいPVが撮れてたよ!凄い、よかった」
『ありがとうございます』
俺達四人は、相沢さんに頭を下げる。
「二週間後に、歌を収録するけど大丈夫かな?星村君と松田君だよね?歌ってるのは」
「はい」
「じゃあ、二人には、話があるから残ってくれるかな?」
「わかりました」
「はい」
俺とまっつんは、相沢さんに頷いた。
「金田君と瀬戸君は、お疲れさまでした。後、理沙さんと凛さんもありがとうございました」
「はい」
「お疲れさまでした」
「ありがとうございました」
そう言って、かねやんとしゅんと理沙ちゃんと凛は、相沢さんに頭を下げていた。
「あの、理沙を駅まで送ってからでもいいですか?」
「いいよ、いいよ!車で、待ってるから」
「俺も凛さんを…」
「うん、送ってきて」
そう言って、相沢さんはニコニコ笑って手を振ってくれる。
俺達四人は、歩きだす。気を遣ったのか、まっつんと理沙ちゃんは、離れてくれた。
「今日は、疲れただろう?」
「そうだね!でも、凄く楽しかった」
「それなら、よかった」
「何か、馬鹿馬鹿しくなっちゃったー」
凛は、そう言って軽く伸びをする。
「馬鹿馬鹿しい?」
「そう!子供に縛られてるって、こんな小さな事なんだって思ったの」
そう言って、凛は親指と人差し指で少しを表現して笑っていた。
「凛の気持ちが楽になったなら、よかったよ」
「ありがとう!こんな世界を教えてくれて」
凛は、ニコニコ嬉しそうに笑う。手をブンブン振って、今にもスキップしそうだ。
俺は、そんな凛の手を握る事も抱き締める事も、もう二度と叶わないんだ。
行きたくなかったのに、駅についてしまった。もっと、凛と話したかった。もっと、凛と過ごしたかった。泣かないように、涙を堪える。
「じゃあね、優太」
「気をつけて」
「拓夢、またね」
「うん、気をつけて」
俺とまっつんは、凛と理沙ちゃんが見えなくなるまで手を振っていた。二人は、こちらを振り返る事なく改札を抜けて行った。
「戻ろうか、拓夢」
「うん」
押さえていた涙がボロボロと溢(こぼ)れ落ちてくる。
「よく、頑張ったな」
まっつんは、俺の肩を叩いた。
「ごめん。すぐ止めるから。止まるから」
「いいって」
涙の止め方を忘れてしまったように俺は泣き続ける。
「愛してたんだろ?だったら、仕方ないだろ?」
まっつんの言葉に俺は、頷いていた。無言で、ただただ涙が流れてくる。
それを拭いながら、歩く事しか俺は、出来なかった。
「ご、ごめん」
振り絞って出た言葉は、それだけだった。
「大丈夫だって」
まっつんは、俺の肩をポンポンと叩いて歩いて行ってくれる。隣にまっつんがいなかったら、俺、泣き崩れていた。
嫌……。
「危ない、赤だし」
「ごめん」
俺、死んでたかもな…
「いやー、お疲れさまでした」
相沢さんは、戻ってきていたようで、ニコニコと笑って俺達に近づいてくる。
「とてもいいPVが撮れてたよ!凄い、よかった」
『ありがとうございます』
俺達四人は、相沢さんに頭を下げる。
「二週間後に、歌を収録するけど大丈夫かな?星村君と松田君だよね?歌ってるのは」
「はい」
「じゃあ、二人には、話があるから残ってくれるかな?」
「わかりました」
「はい」
俺とまっつんは、相沢さんに頷いた。
「金田君と瀬戸君は、お疲れさまでした。後、理沙さんと凛さんもありがとうございました」
「はい」
「お疲れさまでした」
「ありがとうございました」
そう言って、かねやんとしゅんと理沙ちゃんと凛は、相沢さんに頭を下げていた。
「あの、理沙を駅まで送ってからでもいいですか?」
「いいよ、いいよ!車で、待ってるから」
「俺も凛さんを…」
「うん、送ってきて」
そう言って、相沢さんはニコニコ笑って手を振ってくれる。
俺達四人は、歩きだす。気を遣ったのか、まっつんと理沙ちゃんは、離れてくれた。
「今日は、疲れただろう?」
「そうだね!でも、凄く楽しかった」
「それなら、よかった」
「何か、馬鹿馬鹿しくなっちゃったー」
凛は、そう言って軽く伸びをする。
「馬鹿馬鹿しい?」
「そう!子供に縛られてるって、こんな小さな事なんだって思ったの」
そう言って、凛は親指と人差し指で少しを表現して笑っていた。
「凛の気持ちが楽になったなら、よかったよ」
「ありがとう!こんな世界を教えてくれて」
凛は、ニコニコ嬉しそうに笑う。手をブンブン振って、今にもスキップしそうだ。
俺は、そんな凛の手を握る事も抱き締める事も、もう二度と叶わないんだ。
行きたくなかったのに、駅についてしまった。もっと、凛と話したかった。もっと、凛と過ごしたかった。泣かないように、涙を堪える。
「じゃあね、優太」
「気をつけて」
「拓夢、またね」
「うん、気をつけて」
俺とまっつんは、凛と理沙ちゃんが見えなくなるまで手を振っていた。二人は、こちらを振り返る事なく改札を抜けて行った。
「戻ろうか、拓夢」
「うん」
押さえていた涙がボロボロと溢(こぼ)れ落ちてくる。
「よく、頑張ったな」
まっつんは、俺の肩を叩いた。
「ごめん。すぐ止めるから。止まるから」
「いいって」
涙の止め方を忘れてしまったように俺は泣き続ける。
「愛してたんだろ?だったら、仕方ないだろ?」
まっつんの言葉に俺は、頷いていた。無言で、ただただ涙が流れてくる。
それを拭いながら、歩く事しか俺は、出来なかった。
「ご、ごめん」
振り絞って出た言葉は、それだけだった。
「大丈夫だって」
まっつんは、俺の肩をポンポンと叩いて歩いて行ってくれる。隣にまっつんがいなかったら、俺、泣き崩れていた。
嫌……。
「危ない、赤だし」
「ごめん」
俺、死んでたかもな…
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