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エピローグ【拓夢の話3】

突然の電話…

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ブー、ブー、バイブ音が聞こえる。

「凛?」

「わからない」

俺と凛は、立ち上がってスマホを見に行く。

「俺だわ」

「明日の事?」

「多分」

俺は、スマホの着信を取った。

「もしもし」

『もしもし、ごめんね!今、少しだけ話せるかな?』

「はい、大丈夫です」

『明日なんだけど、時間が一時間早くなっちゃって、10時になったんだ』

「そうなんですね!わかりました」

『ごめんね。スタジオの時間が早まっちゃって』

「いえ、大丈夫です」

『じゃあ、みんなに伝えててもらっていいかな?』

「わかりました」

『明日、楽しみにしてる』

「はい、よろしくお願いします」

プー、プー、プー。

相沢さんからの電話は、切れた。

「明日、時間が一時間早くなるって事だった。みんなに、メッセージ送っとくわ」

「うん」

俺は、みんなにメッセージを送った。

「明日には、もう芸能人なんだね」

凛は、そう言いながら俺を見つめる。

「まだだから」

俺は、スマホをテーブルの上に置いた。

「手、洗ってくる」

「私も…」

凛と一緒に、洗面所に行く。

「先に洗って」

「ありがとう」

俺は、手を洗った。床に転がった服の中から、パンツを見つけて履いた。

「私もパンツ履こうかな」

「凛は、気持ち悪いだろ?干しときな」

「何、それ…」

「だって、ほら」

俺は、凛のパンツを拾って渡してあげる。

「本当だね。干しとく」

凛は、そう言ってパンツを持っていく。

「どこで、干すの?」

「わからないけど、ソファーに広げとく?」

「それも、ありかな」

俺は、笑って凛の後ろをついて歩く。ソファーにパンツを広げて置いた凛を見つめる。

「行こう」

俺は、凛の腕を引っ張ってベッドに連れて行く。

「拓夢」

「凛」

俺は、凛を抱き締める。

「この先、どんな未来が待っていても俺は凛と過ごした日々を忘れないから…。凛もそうしてくれる?」

「うん」

「本当は、凛が赤ちゃんを忘れれるまで、こうして過ごしたかったけど…。出来なくて、ごめんな」

「ううん…。いいの」

俺は、凛から離れて顔を覗き込む。

「デビューがなかったら、もっともっと…。このままで、いれたのにごめんな」

「いいの」

凛は、柔らかく笑ってくれる。

「本当は、俺。凛ともっと…」

凛は、俺にキスをする。わかってるから、言わせないようにするみたいに…。
凛ともっともっと不倫したかった何て言いそうになった。
普通の恋人同士みたいに、不倫を普通の事みたいにして…。

俺、馬鹿だよな…。

それでも、凛と過ごしたかった。

凛ともっと何年もいたかった。

龍ちゃんと同じぐらい、凛の中に存在していたかった。

俺は、唇を離した。

「辛くない?」

「大丈夫だよ」

「じゃあ、もう一回しよう」

「うん」

俺は、流れるように凛を抱く。龍ちゃんと同じように、心(ここ)や身体(そこ)に存在したくて凛を抱いた。

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